今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・薬師岳、舟ヶ鼻山(赤城山)

2012年10月11日 | 山登りの記録 2012
平成24年10月7日(日)
  陣笠山1,485m、薬師岳1,528m、舟ヶ鼻山1,466m
 10月になった。3連休ということだが、どうもお天気が定まらない。先週は台風が相次いで通り過ぎた。週末になるとお天気がイマイチなのは相変わらず。3連休でもあるし、お天気も芳しくないとなると、もともと連休で山は人が多いだろうから人のいなそうな山を物色したが、これといった山が思い浮かばなかった。それで、ずっと気になっている赤城山の小黒檜山に登ることにしたが、ここだけでは半日で終わってしまう。『群馬300山』に載っている舟ヶ鼻山の往復を入れたら丁度一日行程で良さそうだ。赤城の五輪尾根の山、薬師岳と陣笠山にもまだ登っていないので、これで決まりとした。

 直ぐそこの山だが、土曜の夜に家を出る。雨がザーザー降りだが、明日は晴天の予報を信じて赤城山に向かう。大沼の畔、「黒檜山登山口駐車場」には車が一台も停まっていなかった。結構広い駐車場だが、こんな駐車場が出来たのは知らなかった。昔は小鳥が島の赤城神社の駐車場が黒檜の駐車場だった。黒檜山もそういえば随分登っていないな。北面道路を少し下って小黒檜山の取り付きを確認し、ヒカリゴケ駐車場で仮眠するかとも思ったが、夜中にサーキットと勘違いしている馬鹿者が駐車場を占拠しているので、また上まで戻って来た。黒檜山登山口駐車場の奥に車を停め、仮眠した。

 アラームが鳴る前の6時に目が覚めたが、まだ雨がザーザー降っている。少し腐ってシュラフに潜る。駐車場には「八戸」とか「三河」「石川」とか遠いナンバーの車が数台停まっていた。しばらくするとようやく雨も上がったようだ。どんよりとした空ながら、明るいところも見えるので、もう雨は降らないか?7時半にシュラフから出て支度を始める。駐車場は10台くらいに車が増えて停まっている。もう黒檜に向かって出発していく人の姿も見える。直ぐ向こうの、赤城神社の駐車場から出発してくる人達も前の道路をぽつぽつ歩いていた。黒檜は今日も賑やかなようだ。おむすびを食べて、7時54分に黒檜山登山口駐車場を出発する。今日の予定は、まず小黒檜に登ってから舟ヶ鼻山往復としていたが、朝からいきなり雨でびっしょりになった笹薮潜りは遠慮して、舟ヶ鼻の往復を最初にした。

 道路を五輪峠に向かって歩いていくと、黒檜山登山口でも7,8人の集団が準備体操をしてこれから登るようだ。登山口前の駐車スペースにも車が2,3台停まっている。キャンプ場分岐を過ぎて、五輪峠へのヘアピンカーブを上っていく。紅葉はまだまだ、といったトコロで、モミジがほんの少し色づき始めている程度だ。背後に黒檜山が大きく望まれるようになって、下に大沼が見えると「沼田市」の看板が立っている五輪峠に8時15分に着いた。ここからいきなり笹が被った道に入る。カッパのズボンを履いてきて正解だ。雨に濡れた笹で、下半身は直ぐにびっしょり。いくらも登らずに稜線に出て、道に被る笹もあまり無くなり歩き易くなる。大沼の向こうに地蔵岳が見える。キャンプ場からの道を左に分けて、笹の下生えにミズナラの気持ちの良い稜線をわずかで、大した登りも無く8時35分に陣笠山頂に着いた。陣笠山という山は地図には載っていないし、標高も良く分からない?しかし山頂は眺めも良く、この後に着いた薬師岳よりも山頂という雰囲気があるところだ。黒檜や駒ヶ岳、大沼や地蔵岳がツツジなどの低木の間から良く見えた。

 陣笠山から緩い上下をして、木々が茂って全く眺めの無い、道の途中の様な薬師岳山頂に8時53分に着く。そのまま北に下り、野坂峠と書かれた標識を見る。標識には薄っすらと笹に隠れた踏み跡のような道を指して、沼田20kmとある。ここが舟ヶ鼻山の分岐だったのだが、勘違いしてそのまま出張峠と指した下りをしばらく下ってしまった。地蔵岳にどんどん近づいていくので、おやっと思って木々越に見える北面を透かすと、赤白鉄塔のある山が反対方向に見えた。あれが舟ヶ鼻山に違いない…。野坂峠まで再び登り返して、そこから沼田と指す踏み跡に入り直した。薄暗い山の斜面をシカ道の様な道?が続いている。事実そこにはシカの糞が点々と見られる。人よりシカが歩く方が多いのだろう。そう思って笹の踏み跡を辿っていくと、折りしも森の奥からシカの遠音が聞こえてきた。

 だんだん痩せた稜線になって笹道を進む。ミズナラやカエデにカツラ等が混じる雑木林の足元にはホテイシメジやシロハツ、猛毒のシロタマゴテングタケ等のキノコが沢山見られる。数本カツラの大木が並んでいるが、枯れたもの、枯れかけたものがあり、そこにサンゴハリタケがびっしり付いている。大きなものは、子供の頭ほどの大きさで、こんなに見事な群生は今まで見たことが無い。このキノコは食用菌だが、この附近の天然キノコは放射能汚染の心配があるから、今は取る気にならない。それにしても見惚れるほど見事な眺めだった。その先でも倒木に大きなマスタケを見たり、びっしり群生しているぼくの大好きなブナハリタケを見たりした。ブナハリタケは大好物なので、取ることが出来ないのがとても惜しかった

 笹の中に無線観測施設の様な、アンテナが付いた施設があるのを見た。踏跡は笹に埋もれがちになるが、稜線は狭くなって基本的にはこれを辿れば良いから何も問題ない。時々思い出したように黄色のテープや、ひらひらした布テープを見る。基本的にはミズナラを中心にした雑木林が続いている。全体として不明瞭なルートながら、何故かここだけ「アリの戸渡り」と地点説明のブリキプレートが下がっている痩せた稜線が続くが、特に危険なところもない。南西側はガレて火山性の黒い土砂が露出している急斜面になっているが、北東側は急ながら普通の雑木斜面になっていた。

 幾つかの小山の向こう木の間越しに赤白鉄塔が見えているが、なかなか近づかない。稜線の南西側が大きくえぐれた崩壊地に出た。ここは大変眺めが良い。稜線の縁が100m以上一気に崩落しているので、余り縁に近づくと崩れて落っこちてしまいそうだ。縁の手前2m位の所を歩いてみたが、少し足元がふかふかして、下がえぐられて空間になっているのではないかと思う、危険だ。向かいに鈴ヶ岳が尖ったピークを見せている。崩壊地の上のピーク、300山によると「三村境」を過ぎると、笹の無い落ち葉の稜線になった。緩い上下をしばらくして、ミズナラの巨木等を見ながら稜線には大きな岩がぽつぽつと出てくる。そんな幾つかの岩があるちょっとした高まりが舟ヶ鼻山の山頂だった。宮標石が落ち葉の足元にぽつんとあり、細いミズナラの木には『舟ガ鼻山』と書かれたGさんのプラプレートが付けられていた。舟ヶ鼻山に10時29分に着いた。出発してから約2時間半だ。上り下りは少なかったが、思ったより遠く感じた。

 薮がちで木々に囲まれ眺めも無い山頂から北に進むと、北東側は薄暗い檜林になっている。防火帯の様に幅広く木々が切られた稜線沿いに緩く下って、左手に思いの外大きな赤白鉄塔が立っている。巨大な鉄塔の辺りも木々に囲まれているから眺めは無さそう。反対側の北東斜面は下の方まで木が切られて、そこから大きな眺めがある。切られた木の枝と低い藪で歩きにくいが、そこまで行って北東の眺めを見ながら休憩とした。直ぐ向かいに黒檜山と小黒檜山が見える。少し下に遠く旧利根村の水無山があり、その左に薗原湖、残念ながら北は晴れ間が広がっているが、高い山々はみな雲を被って見えなかった。雲が無ければ、武尊山や袈裟丸山、皇海山等の展望が良さそうだ。赤白鉄塔から東に延びている送電線が視界の真ん中にあって邪魔だが…。切り株に腰掛けて、オレンジをかじり、焼きそばパンや大福餅を食べた。静かで誰もやってこないし、こんな山で人に会うことも無いだろう。のんびりと、見えている景色を楽しんだ。歩いていると暑くて汗をかいたが、日向でも休んでいると寒く感じた。

 11時5分に引き返す。復路も急ぐでもなくのんびり歩いて行く。帰りの崩壊地からの眺めは、鈴ヶ岳に雲が被った。黒檜山や地蔵岳も雲が垂れ下がってよく見なくなっている。沢山あるキノコを観察しながら野坂峠まで戻ってくると、人の声がして静かな山は終わり。薬師岳では家族連れ、その先でもキャンプ場から登ってきたスニーカー履きの観光客とすれ違う。陣笠山の先から、帰りはキャンプ場に下った。大沼沿いにしばらく歩いて、朝登ってきた道路に出て、黒檜や駒ケ岳辺りから降りてきたハイカーの姿を見ながら13時31分に駐車場に戻ってきた。

 何となくお天気も不安定で、朝が遅かったせいで中途半端な時間になってしまった。結構な藪漕ぎ必須の小黒檜は、また後でということにし、本日はこれで終了。赤城神社や大沼湖畔の大洞附近は、ハイカーや観光客が結構沢山いる。やはり3連休だ。ぼくが登ったところを歩くことなど、この人達には思いも着かないのだろう。帰りは富士見の湯に寄って汗を流してから帰路に着いた。家に着くころには薄暗い雲からぽつぽつ雨が落ちてきた。山の上に居たら、また降られたろう。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なるほど展望は途中でそこそこ (ノラ)
2012-10-11 21:59:14
あさぎまだらさん こんばんは。300山の描写でわからないところが補足されますね。キノコが一杯見られるんですね。
サンゴハリタケって仙人のひげのようにも見えるし,蓑みたいですね。なかなか面白い写真です。ブナハリタケが好物ですか。窓明山の降りで20mぐらい離れていても良く匂うほど見ました。ブナハリタケはおいしくないって言う人もいますね。私は好きな方です。でもやはり渋いコースですね。しぼれさんもキノコと聞いたらキット行かれますね。
返信する
ブナハリタケはくせがありますからね (あさぎまだら)
2012-10-12 02:26:00
ノラさんこんばんは。
キノコは時期と天候で随分違いますね。サンゴハリタケは珍しいですね。これが3本程の木に、幾つも幾つも子供の頭ほどの大きさ前後のものが見られました。しばらく見とれてしまいました。近い仲間にヤマブシタケがありますがあれの方が上品な感じがします。
ブナハリタケは独特の臭いがありますね。でも、煮てしまうと気になりません。うどんに入れたりすると鶏肉のような歯ごたえで薄っすらと香りがして美味しいです。東北の方では採った物をみな塩蔵してしまいますね。そうするとあの特有の臭いは無くなります。昔は冬場の食料にしたようです。ブナ林地域では最も普通のキノコですね。
放射能汚染が心配です。群馬県内の天然キノコ類からは、いまだに高濃度の放射性セシウムが出てますからね。数年はダメでしょうね。特に木材腐朽菌と呼ばれるこの種のキノコは危ないと思います。
返信する
今は見るだけです。 (しぼれ)
2012-10-12 10:07:32
みなさん こんにちは
2年前ならすっ飛んで行くところですが、栃木県もかなりの地域がキノコと木の芽は当分ダメのようで春秋の楽しみ半減です。
標高も1300m超、オオスズメ避けに紅葉が始まった時期に行きたいと思いますが、サンゴハリタケは見たことがありません。この群生も見てみたいですね。

5月のみなさんのレポのストック減らしたのにまた元に戻っちゃいました。
返信する
サンゴハリタケ (あさぎまだら)
2012-10-13 01:50:38
しぼれさんこんばんは。
天然キノコの放射能汚染は、毎日の様に新聞紙上を賑わしています。昨日も福島産のものの100Bq超え記事がありました。群馬県のものも県北部では採取しないように指導されています。
しばらくは「見てるだけ」の状態です。サンゴハリタケはぼくもこんなに群生しているものを見るのは初めてでした。キノコの中でも、特に木材腐朽菌と呼ばれるものは木の表皮部分を分解して生成しているものですから、危険度は高いといえます。落ち葉を生成の糧にしているものは更に危険ですね。当分「見てるだけ」で我慢ですね。
ところで、赤城山山頂部はミズナラが主要な樹種です。元々キノコは種類、量とも豊富な所です。
返信する

コメントを投稿