今度、どこ登ろうかな?

山と山登りについての独り言

・吾嬬山、薬師岳

2012年12月27日 | 山登りの記録 2012
平成24年12月24日(月)
 吾嬬山1,181.5m、薬師岳974.4m

 今年も大分押し詰まってきた。今回は3連休だが、初日は雨か雪の予報の上、次男の進学の関係で東京に行かなければならない。24日のクリスマスイブは冬型が強くなり、県北方面はあるいは雪になるかもしれない。そんな懸念もあるが、行ける山も少なくなったので、中之条と東吾妻町の境にある吾嬬山(かづまやま)と薬師岳に行くことにした。県北(北毛)には実は未登の山が沢山ある。この方面の1,000m前後の山はほとんど登っていなかったので、この冬場に幾つか登ろうと思っていたのだった。近いこともあって前夜9時過ぎに家を出た。

 吾嬬山の登山口は、R145で中之条を過ぎ、JR吾妻線の岩島駅付近から林道に入るとネットの情報で得ていた。ナビに導かれるまま、岩島駅手前の道に入り踏切を渡って人家を過ぎる。登山口に繋がる林道はそのまま進んで、見落としそうな小さな『吾嬬山→』の標識を見て右に曲がり、畑の中から林道になる。帰りに確かめたところ、R145で岩島駅を通り過ぎて『あがつま農産物直売所』のところから右に曲がって踏み切りを渡り、そのまま道なりに真っ直ぐの行く方が分かり易い。人家を過ぎて畑の中の道を上りきったところが林道入り口で、そこにはイノシシとクマ避けトビラの説明看板が立っている。

 林道はずっと先まで上っているが、木造の小屋がある最後の畑の先でイノシシ避けのトビラが道を塞いでいる。これを開けて先に進み東電の13号鉄塔まで車で行くこともできるが、路面が荒れているので林道分岐の『イノシシ・クマ』看板の所に車を停めた。ここに来る途中で小雪が舞っていたが、着いた時は星空が見えた。林道を行ったり戻ったりして結局ここに停めることにした。11時過ぎにシュラフに潜った。

 6時半にアラームで目覚めるが、まだ暗いので、またシュラフに潜る。7時過ぎに起きてアーモンドカステラを食べ、支度をして7時19分に出発する。車の上には昨夜眠ってから降ったのか、薄っすらと雪が積もっていたが、今は快晴で朝陽がまぶしい。林道分岐先の畑の終わった所に木造の作業小屋があり、道の脇に導水した水がどうどう流れている。直ぐ先でイノシシ避けのトビラと電柵があるが、脇を回れば人はそのまま通れる。舗装された林道をしばらく行くと、左に吾嬬山登山道を示す標識があった。今日はまず吾嬬山に登ってから11号鉄塔が立つ鞍部(林道の峠)に下り、反対側の薬師岳をピストンすることにした。

 吾嬬山への道は杉林の中、笹が刈られた窪地の様なところをしばらく辿ると、また13号鉄塔のところで舗装林道を横切り、次第に登りになって行く。13号鉄塔の下には作業車両が停まり、朝早くから鉄塔の保守管理作業をしているようだ。木々の切れ間からは朝日を浴びた高間山が見えている。登山道というより、ここは高圧鉄塔の巡視路として使っているようだ。所々、東電巡視路で良く見る黒いプラ製の階段が敷設されている。雑木や杉が混じる上りをジグザグを切ってしばらく登ると、再び林道に飛び出した。直ぐ上には12号鉄塔が見えている。ここで標識に導かれ、左に林道を少し進んだところから吾嬬山への登山道が上っていた。

 夕べ少しばかり降った雪が笹の葉の上に薄っすらと載っている。笹と雪を払いながら落葉松の急な登りを少しで尾根に出る。尾根に出ると、直ぐ上に吾嬬山らしい山頂部が見えたと思ったが、これはずっと手前の尾根の一部で、何度もだまされ山頂までは中々遠かった。雑木の茂る稜線は、葉が落ちている今でも眺めは良くない。山頂までの最後の上り付近からは北の眺めがあるが、直ぐそこまで迫っている雪雲に掻き消されて遠くは良く見えない。晴れている上空に時々薄黒い雲が覆い、小雪が舞ってくる。ナラの木が茂る尾根の最後は少しきつくなって、薬師岳との鞍部に下る分岐を過ぎてひと登りで吾嬬山の山頂に9時19分に着いた。山頂はうっすらと積もった雪に覆われ、南東側の木々が切られてその方面だけ展望が開けていた。真ん中に三等三角点があり、『吾嬬山1182m』と書かれた山名標識が立っていた

 山頂からは、中之条や東吾妻の原町の市街が見下ろせ、十二ヶ岳と小野子山が良く見える。その向こうに子持山が少し見え、赤城は雪雲の蓋を被っていた。南には榛名の連嶺が近かった。中之条の北部は、直ぐそこまで延びてきている雪雲に霞んでいる。時々ここにも、その雲から雪が飛んでくる。風はほとんど無いが、陽が当たっていても冷え込んでいる空気は冷たく、手袋を外すと指がかじかんだ。今日は、ハンターが被るような耳当ての付いた帽子を被ってきたが、それで丁度良かった。

 眺めのある南東向きの一角に腰掛け、パンを食べて一休み。人の気配もしなくてそれだけは満足だった。9時47分に吾嬬山を下る。分岐から落ち葉が深く積もった急な斜面を下り着くと11号鉄塔の基部に降りる。北の中之条側の下に見える10号鉄塔?にはこの寒いのに作業員が高い鉄塔上部に昇って作業をしているようだ。鉄塔をハンマーでかんかん叩く音がここまで聞こえてくる。寒くて危険な作業だ。11号鉄塔から更にひと下りすると林道に降りた。ここが標識に書いてあった『林道の峠』で、帰りはこの林道を下ることになる。林道を横切った先には薬師岳への踏み跡が付いていた。薬師岳までは結構距離があり、途中幾つもの小さなコブを越えて行くのだが、道は概ねピークを巻いて高低の少ないルートになっている。

 標高が下がったので雑木に赤松も混じり、その松が並んでいる薬師岳が次第に近づいてきた。北に木々を透かして見えている高田山は雪で白い。その辺りから北の山々は雪で真っ白になっていた。痩せた稜線をゆるく登って北向きに少し湾曲し、11時1分に石祠と石灯籠が岩の上に立っている薬師岳山頂に着いた。薬師岳山頂は木々に囲まれて全く眺めはなかった。二等三角点標石が半分埋まり、プラ製ではない旧のGさん名板や、新しい白文字のすかいさんの名板等、幾つかの山名板が木の枝にくくり付けられていた。木々越しの北の四万方面は、高田山が雪雲の雲舌に飲み込まれかけてぼーっと見えているが、その奥に見えるはずの不納山は完全に雪雲のベールの向こうだ。そこから延びてくる雲で陽が翳ると、同時に小雪が飛んでくる。石祠の裏に座って風を避けながら湯を沸かしてカップ蕎麦を食べた。朝から良く食べているのでお腹は一杯だが、それよりも身体の内側から暖を取るので熱い蕎麦はとても美味かった。

 景色の無い山頂で腹ごしらえを済ませると他にすることも無い。動かないと寒いので、荷をまとめ11時34分に薬師岳から引き返す。薬師岳山頂を少し下った南向きの痩せた稜線からは中之条の町を見下ろせる。来た道を引き返して12時12分に林道の峠に戻ってくる。ここからはこの林道を降りる。ほぼ平坦な未舗装林道で大きく吾嬬山の尾根を南に巻き、そこに立っている12号鉄塔辺りからは薬師岳や、南に榛名の山々が良く見えた。鉄塔の下を南に回ると、朝方下から登って来た登山道分岐に戻った。真下には13号鉄塔がシルエットになっている。松の木や雑木が茂る来た道を下り、13号鉄塔でまた林道を横切り、窪状の道をのんびり下って林道の登山口に降りた。イノシシ・クマ避けゲートの脇をすり抜け、1時17分に車に戻った。朝から降りてくるまで誰にも会わない静かな山だった。

 帰りはR145を少し川原湯温泉側に進み、八ッ場ダム付け替え道路の脇に新しく作られた『吾妻峡温泉・天狗の湯』に初めて立ち寄る。この東吾妻町(旧吾妻町と東村が合併)には他にも公営の日帰り温泉が2つあるが、どれも入浴料金が400円と安い。天狗の湯は、八ッ場ダム対策として利根川・荒川水源地域対策基金事業で作られた温泉施設だ。八ッ場ダムの是非はともかく、大変きれいで充実している。源泉の温度が低いので加温はしているが、循環していないので泉質も良く、塩素臭の無いとても良い温泉だった。寒い山で冷えた身体は芯まで良く温まった。入浴後は気分良く早めの帰路に着いた。

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2 コメント

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すっかりこの方面の群馬の山は行かなくなりました (ノラ)
2012-12-27 21:06:52
あさぎぎまだらさん こんばんは。いや寒そうな寂峰2つですね。旧Gさん名板を見に行く価値はあるかもしれませんね。最近はあの小さいのしか見なくなりましたから。でもなかなか,ここまで足を延ばさなくなりました。3,4番目の木の長い影が写っている尾根の写真がいいですね。これらの写真はミラーレス1眼ですかそれともコンデジで撮られたものですか?
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シブイ山ですね (あさぎまだら)
2012-12-27 23:36:16
ノラさんこんばんは。
今年も残り少なくなりました。週末はお天気悪そうで、もう今年は登れないかもしれません。
群馬に住んでいても、この付近の低山は篤志家向きのシブイ山ですね。わざわざ遠くから来る程でもないと思います。
ところで、この記録の画像の3:4のものは全部キャノン130isというコンデジです。9:6のものはペンタックスK-01です。K-01はミラーレスですね。ですからご指摘のものはキャノンですね。
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