Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

草寄せ

2009-07-05 22:27:23 | 農村環境


 「ススキ化した土手の管理」で刈った土手を今年はすでに二度刈っている。二週間ほど前に刈ったこの土手にはすでに気の早い草が伸びている。刈っただけで片付けていなかった草を片付けるにあたり、今のうちにといってもう一度伸びている草だけを刈るという妻。「わたしでも刈れる」と言って妻はその伸びたものだけを紐式の刈払い機で草を刈った。わたしはその後の草の片付け、草寄せ担当である。紐式の刈払い機ではとてもススキや茎の太い草は刈れない。だからふだんはこの急斜面はわたしの役割である。いわゆる鋸式の刈払い機が登場するのだが、急な斜面ではけっこう危険な仕事となる。思い起こせば数年前に足を挫いたのはこの土手の草を刈っている時だった。法尻に溝が掘ってあって、その溝に足が取られてひねってしまったのだ。写真はその土手すべてを収めていないが、手前のコンクリート擁壁の上に細長い田んぼが一枚あって、幅が狭く耕作しづらいということもあって今は荒れている。そこは我が家の田んぼではないが、そこから上の我が家の田んぼまでが我が家で管理しなくてはならない大きな土手なのである。草寄せをした草かきを土手に置いてみた。長さが1.5メートル弱、土手の長さは6倍くらいあるだろうか。刈ったまま今まで草寄せができずにいた。刈ったからといってそのままにしておけば土手は弱くなる。草寄せはとくに急斜面で長い土手には不可欠なのである。

 実は草を刈るより草寄せの方が面倒なのである。前述したように下の土地はもともとは田んぼであって、それも我が家のものではない。人様の土地だからいくら荒らしてあってもそこへ草を寄せるわけにはいかない。かき上げるには無理があるからどうしても「寄せる」とは言っても掻き下ろすことになる。その下ろした草は今度は横へ寄せ集めていかなくてはならない。そしてさらにその草を集めて置いておく場所まで一輪車で運ぶのである。草を刈るには半日でできるが、草を寄せるにも同じくらいかかる。ようはこの土手の草刈りには1日要すのである。最近身体が思うように動かないとともに、なかなか疲れがとれない。そんな中でのたかが草寄せ、実は大変な重労働だった。妻はひたすらほかの場所の草も刈っている。草を寄せながら思うのは、このとてつもない土手はずっと面と向かって対話することになるのだろうということ。

 生家では刈った草は乾かしておいて焼くという。妻の実家のあたりでは焼いている家はない。寄せた草を運ぶ手間まで考えると「焼く」という方法も「いいかも」とは思うが火を入れたからといってそのまま「ばいばい」というわけにはいかない。やはり手間のかかる仕事であることに変わりはない。
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