Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

姓は人を表す

2007-12-12 12:22:41 | ひとから学ぶ
 妻が言う。「こんな人、結婚していないんじゃない?」と。NHKBS2で10/9に放映された「熱中時代」をたまたま見ていたら、伊那市の住人が登場して、それから「どこだろう」などと見入っているうちにその熱中人の企画を最後まで見ることになってしまった。俳優の藤岡弘が熱中人を訪問するという企画である。中央道の工事中、その現場を見ては建設機械にあこがれるようになった少年は、今や建設機械マニアである。家中に積まれた建設機械の模型は2万点を越すという。ひとつ千円としても2千万円、そんな模型の中には海外で捜し歩いたものもあるというから、ひとつ千円でないことは容易にわかる。模型ばかりではない建設機械のパンフレットも海外ものまで含めてたくさん積んである。「世の中にはいろいろな人がいるんだとまたまた教えられる。

 さすがに模型だけにあらず、本物の建設機械を何台もコレクションしているというのだから、さすがというか、都会ではできないコレクションである。昭和34年のバックホウを藤岡弘が操る。昭和34年といえば、建設機械がまだまだ少ない時代のものである。その機械が動くと言うのだから、そのメンテナンスも含め、これ以上のマニアはいないかもしれない。見ているうちに「土建屋さんだよねー」と思っていたらその通りである。そして「こんな人の奥さんにはなりたくない」という妻の発言が何度も繰り返されるなか、このマニアの方の奥さん登場である。中央道の建設時代を知っているということだから、我が家と世代は同じくらいか、と思っていたが、子どもさんはまだ小さい。「よく生活できるなー」などという下世話な疑問はともかくとして、土蔵風の博物館まで造りまもなく完成という。まさにNHKが捉えるだけの価値ある熱中人である。

 さすがと思うのは、この方「土田」さんという。建設機械といえはび土木工事だから、みごとに姓に似合う仕事と趣味である。サザエさんや○○ではないが、フィクションなら姓とドラマがわざとらしく合わせてあることは常だ。しかし、意外に世の中、姓名と生業が一致しているケースが見られる。「さすがに名前そのものだ」と言わしめるほど一致しているときもある。けして姓を職業に合わせたわけではないだろうが、歴史上ではそういうこともあっただろう。それが今に継続しているとは思わないが、不思議な話しである。同じようなことをたまに自らのことに合わせて思うことがある。わたしの姓には石がつく。父は「石屋」だった。もの心ついたころに、すでにそう思ったものだ。そして、自らは石屋にはならなかったがずいぶんと石に関わったことをしている。知らす知らず、姓が自らをそういう雰囲気にさせていくのだろうか。
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