すなば たかひろ

「元気で人に優しい鳥取」を取り戻すため、県議になった元新聞記者の挑戦記。みんなで鳥取の未来像を考えましょう!

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辺野古が問いかける日本という国のあり方

2015年07月28日 | 日記

 おはようございます。会派希望(のぞみ)の沖縄県視察の3日目は県庁の知事公室訪問からです。公室の中にある辺野古新基地建設問題対策課から、辺野古移設に対する県の対応やこれまでの経緯などをお聞きしました。

 前知事の埋め立て承認の取消および撤回が目下の懸案事項だそうで、取消せば国との裁判闘争に突入するのは必死で、これからどうすれば基地移設を阻止できるのか、あらゆる可能性を探るべく努力をされているとのことでした。現地に行ってきたこともあって説明は十分理解出来ましたが、地方に対して、これほどまでに国が強権的に動くのであれば、そこには地方自治という憲法上の理念は完全に没却されています。安全保障法制にしてもしかり。これでは日本は法治国家ではないのではないかと感じます。

 担当者の1人は、前知事時代は建設の方向で動き、翁長知事が当選すると、今度は阻止の方向で走っているそうで、宮勤めの大変さを感じました。この後、沖縄県教委県立学校教育課を訪ね、沖縄の平和教育について資料をいただきました。

 その後、訪れたのが道の駅いとまん。2万平方メートルを超える広い敷地の中で、道の駅いとまん情報館、JA糸満が運営するファーマーズマーケット、糸満漁港で上がった魚を得るお魚センター、地元企業33社が出資した物産センター、レストランイノーなどが並び、昨年は312万人が訪れ、23億円の売上を計上しています。情報館を運営しているのは糸満市観光協会で、同協会の玉城事務局長から説明を聞いた後、施設内の各施設を見学させていただきました。

 物産センターでは、糸満市で生産された商品が並んでいます。糸満市以外の品があったのですが、それは企業誘致した会社の商品で、生産は市内でしたものだそうで、誘致するだけでなく、ここで販売することが、糸満市が誘致企業を応援している姿勢を示すことにもなるとのこと。こうした配慮は学ばないと行けないと思います。

お魚センターにはグルクンなど沖縄周辺の海で採れた魚が並びます。その一方で、北海道産や愛媛産などの魚介類もありました。観光客だけでなく、糸満市民の台所も支えているため、品揃えのためには必要なのだそうです。近年、中国、台湾からの観光客が急増しているため、エビの串焼き、お刺身セットなど、店頭で食べられる商品を充実させているそうです。

 ファーマーズマーケットではトウガンやゴーヤなど沖縄料理には欠かせない野菜が並びます。今はマンゴーが人気で、2個9000円というものもありました。

 玉城事務局長と分かれ、今度は社会福祉法人トゥムヌイ福祉会が経営する「沖縄焼肉専門店ばんない」を訪れました。喜納理事長から説明を受け、働く現場を見させていただきました。19人の障がい者がこの店で働いておられるそうでうが、バイキングスタイルの焼肉店のため、お客さんと接するようで、接していないところが、ミソなんだそうです。

 焼肉は豚が中心ですが、ここの豚も同福祉会の別の施設の皆さんが養豚農家に行って世話をしているそうで、野菜は自家農園で栽培しているそうです。そうすることで原価率を下げることができますし、野菜を市場に出そうとすれば規格を守らねばならず、手間暇かかるうえ、規格外品は商品になりません。しかし、自家消費なら全量を商品化できます。なるほどなと感心しました。

 さらに驚いたことは外国人客の多さです。喜納理事長によると来店者の%が台湾、韓国の旅行者ということです。空港から20分という近さを活かして、台湾などの旅行社4社と契約。ツアーに組み込んでもらっているとのことです。このため、来店者は平日も休日も変わらないし、その日にどれくらいの来店者があるかも事前に分かり、メリットが多きそうです。農福連携で安全で安心の食材を安く確保できるからできる商売ですが、立地を活かした見事な戦略だと思いました。

 最後は、沖縄県庁の議会棟に戻り、沖縄県議4人と意見交換をしました。「日米安保にも、基地にも反対しているわけではない。ただ、国土の0.6%しかない沖縄に、全国の米軍基地の76%が集中している現実を問題にしている」「日米地位協定で、犯罪の容疑者が基地に逃げ込めば処罰もできない。そうした事実を知ってほしい。月平均25件、ほぼ毎日米兵が事件事故を起こしているのに何もできない。これで独立国といえるんでしょうか」。言葉のひとつひとつが胸に刺さります。「辺野古基地問題は沖縄の問題ではなく、日本という国のあり方を問うているのです。オール沖縄からオール日本の問題と意識してもらえるようになったとき、移転は阻止できると信じてます」とも話されました。大きな宿題をいただいたように思いました。ここでの意見交換は、沖縄から戻ったら、また詳しく報告したいと思います。

 今日の正午の飛行機で鳥取に戻りますが、それまで米軍基地を見に行きます。昨日は衆議院で選挙制度改革法案が設立し、鳥取県など4県が合区することになりそうです。沖縄の問題もしかりです。国の防衛も大切です。選挙の平等も大切です。だからといって特定の人たちが不利になるようなことがあってはなりません。少数者への配慮が、多数決が正当性を持つための条件だと私は思います。皆さんはどう思いますか?

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辺野古に見た沖縄の皆さんの怒り、ドクターヘリに見た市民力の希望

2015年07月28日 | 日記

おはようございます。

沖縄に来て3日目の朝です。那覇は快晴で暑い日が続いていますが、それでも湿度が低いせいか、不快ではありません。

県庁前から、島ぐるみ会議のバスに乗って辺野古に向かいます。毎日、県内5カ所からバスを仕立て、座り込みキャンプ村に運行しています。毎日続ける島ぐるみ会議の皆さんもすごいですが、その呼びかけに応じて自分のスケジュールに合わせて通っている沖縄県民の皆さんもすごいと思います。参加されているのはみんな普通の市民です。組織団体で動員されたわけでもなく、参加され、それが続いていることに驚きを感じます。

辺野古の座り込みキャンプ村は、とても明るいので驚きました。「マンゴを持って帰って下さい。表面はきれでいはありませんので売りものにはなりませんが、旨いです」「冷やしぜんざいたべませんか。手作りのですが、味は保証します」。その毎に笑い声が弾けます。

全部のバスが着くと、基地のゲート前に移動して、抗議行動です。手作りの竹の楽器などを持ち、抗議の歌も飛び出します。ここでの座り込みは386日目。沖縄の皆さんの県民性なのかもしれませんが、県民みんなで手を繋ぐ暖かさもあるのかもしれません。「鳥取から来た」と言うと、片山元知事を評価する声を聞きましたが、一方で、石破さんが沖縄選出の自民党議員に基地移設に反対しないよう働きかけたことを非難する強い意見もありました。

島ぐるみ会議のメンバーに対岸の瀬高の浜に案内していただきました。きれいな海に海上保安庁の船が並び、侵入を阻止するブイが浮いています。

ジュゴンの生息地で、そのことを訴える看板もありました。基地移設は大きな環境問題でもあります。

もう一箇所、座り込みを始めたキャンプ村に行きました。

ここで、話を聞かせていただいたのですが、基地への思い、米国への思いなど訥々とした沖縄弁に説得力がありました。「国は米国ではなく、国民の方を向いて欲しい。それが政治じゃないのですか」と言う言葉を重く感じました。

この浜と海を守ることは、沖縄の皆さんの思いを大切にすることなんだと思います。辺野古のキャンプ村を後にし、MESHサポートを訪問しました。ドクターヘリを運行しているNPO法人です。

事務局長の塚本さんからお話を伺いましたが、行政が2億4000万円で運行するドクターヘリを寄付金を集め、工夫を重ね9000万円で運行しているそうです。

機体には会社のロゴがびっしり書き込まれています。そのひとつひとつが、運行経費になっています。チャリティー商品を売る会社もあるそうですが、そこはおおらかに協力いただいているとのこと。おおらかさを感じます。塚本事務局長は千葉の出身の建築家ですが、今は専従で頑張っておられます。

機内の設備は必要なものだけに厳選。機体を小さくして、経費の削減努力されていました。こうした努力が行政でできるのか。こうした分野は行政は財政支援に徹して、民間に任せる方がいいのかもしれません。様々詳しくきかせていただきましたが、頭が下がる思いがしました。

最後は名桜大学に鈴木邦治さんを訪ね、ITCによる地域活性化の取り組みにつき、話しを聞かせていただきました。示唆に富む話ばかりで、目から鱗が落ちる思いがしました。

今日は県庁辺野古基地対策課や就労支援施設などを回ります。

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