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古関裕而―鐘よ鳴り響け (人間の記録 (18))

2019年08月29日 21時31分13秒 | 社会・文化・政治・経済

古関 裕而  (著)

内容(「MARC」データベースより)

呉服屋の息子なのに音楽好きで、山田耕作との出会いなどから作曲家をこころざした少年が、国民に愛されるまでになって行く。古関裕而の自伝。「鐘よ鳴り響け」改題。

古関 裕而(1909年(明治42年)8月11日 - 1989年(平成元年)8月18日)は、日本の作曲家。
福島で生まれ旧制福島商業学校(現福島商業高等学校)に通いながら仙台に通い、金須嘉之進に師事[1]して、1929年、チェスター楽譜出版社募集の作曲コンクールに入選、日本人として初めて国際的コンクールの入選履歴を得た作曲家である。
それを機会に山田耕筰の推挙で東京の楽壇に進出する。
クラシック畑からポピュラー畑に転身し、多数の軍歌、歌謡曲、早稲田大学第一応援歌「紺碧の空」、慶應義塾大学応援歌「我ぞ覇者」、東京農業大学応援歌「カレッジソング」、中央大学応援歌「あゝ中央の若き日に」、名城大学応援歌「真澄の空に」、 全国高等学校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」、阪神タイガースの応援歌「大阪(阪神)タイガースの歌」(「六甲おろし」)、読売ジャイアンツの応援歌「巨人軍の歌(闘魂こめて)」、「中日ドラゴンズの歌」、東京五輪のオリンピックマーチ、NHKスポーツ中継テーマ「スポーツショー行進曲」など、実に数多くの応援歌、行進曲の作曲を手がけ、和製スーザと呼ばれた。
気品ある格式高い曲風で知られ、現在でも数多くの作品が愛されている。
古関が作曲した曲は5千曲に及ぶという。作曲の作業には楽器を一切使わずに頭の中だけで行ったといわれる。

 

福島県福島市大町にあった呉服店「喜多三(きたさん)」に生まれる。父親が音楽好きで、大正時代ではまだ珍しかった蓄音機を購入し、いつもレコードをかけていた。古関は幼少の頃から音楽の中で育ち、ほとんど独学で作曲の道を志していく。同じ大町の近所に鈴木喜八という5歳年上の少年がおり、のちに野村俊夫(作詞家)となって古関とともに数々の曲を世に送り出すこととなる。

 

1916年(大正5年)、古関は7歳のときに福島県師範学校附属小学校へ入学した。

担任の遠藤喜美治が音楽好きで、音楽指導に力を入れていた。古関は10歳の頃には楽譜が読めるようになり、授業だけでは物足りなくなり、市販の妹尾楽譜などを買い求めるようになった。ますます作曲に夢中になり、次第にクラスメイトが詩を持って古関に作曲を依頼してくるようになる。こうして子供の頃から作曲に親しむ事となった。


 


 


グローバル・イノベーション指数

2019年08月29日 21時29分40秒 | 社会・文化・政治・経済

グローバル・イノベーション・インデックス2019:スイス、スウェーデン、米、オランダ、英が上位に

World Intellectual Property Organization (WIPO) 2019年07月25日 11時19分
From 共同通信PRワイヤー

グローバル・イノベーション・インデックス2019:スイス、スウェーデン、米国、オランダ、英国が上位にランクイン;インドが大躍進を果たす;貿易保護主義が未来のイノベーションにリスクをもたらす

AsiaNet 79822


ニューデリー、2019年7月25日/PRニュースワイヤー/ -- グローバル・イノベーション・インデックス2019年版では、スイスが世界で最も革新的な国となり、それにスウェーデン、アメリカ合衆国(米国)、オランダ、イギリス(英国)が続きます。またレポートでは、 地域のリーダーとしてインド、南アフリカ、チリ、イスラエル、シンガポール、そして各所得層のトップに中国、ベトナム、ルワンダが報告されています。

今回で第12版となるGIIは、政策立案者が経済および社会発展の主な原動力となる革新的活動をどのように振興し、測定するべきかについて理解を深める際に役立つ世界的なベンチマークです。GII 2019では、研究開発投資、国際特許および商標出願のような伝統的な測定手段から、携帯電話アプリの作成やハイテク輸出のような比較的新しい指標からなる80の指標に基づいて129の経済圏をランク付けしました。

GII 2019では、経済的背景も考慮しました。経済成長の減速の兆しがあるにもかかわらず、特にアジアではイノベーションが引き続き発展しています。しかし、貿易の混乱と保護主義からの圧力もまた迫っています。レポートは、イノベーションに関する堅実な政府の計画が成功のカギになることを示しています。

「GIIでは、イノベーションを政策の優先事項に掲げている国々がランキングで大幅に順位を上げました。」とフランシス・ガリWIPO事務局長は述べました。「GIIに見られる中国やインドのような経済大国の台頭により、イノベーションの地理的分布が変化してきました。これは、イノベーションを振興するための周到な政策措置を反映しています。」とフランシス・ガリWIPO事務局長は述べました。
IIでは、イノベーションを政策の優先事項に掲げている国々がランキングで大幅に順位を上げました。」とフランシス・ガリWIPO事務局長は述べました。「GIIに見られる中国やインドのような経済大国の台頭により、イノベーションの地理的分布が変化してきました。これは、イノベーションを振興するための周到な政策措置を反映しています。」とフランシス・ガリWIPO事務局長は述べました。

GII2019ランキング上位20位:スイス (1)、スウェーデン(2)、アメリカ合衆国(3)、オランダ (4)、イギリス (5)、フィンランド (6)、デンマーク (7)、シンガポール (8)、 ドイツ (9)、イスラエル (10)、韓国 (11)、アイルランド (12)、香港 (中国) (13), 中国 (14)、日本 (15)、フランス (16)、カナダ (17)、ルクセンブルグ(18)、ノルウェー(19)、アイスランド(20)。

今回初めて、GIIの出版発表はインド政府の主催で行われます。インド政府は、イノベーション政策の枠組みを強化するための創造的な手段として、GIIを国家および地域の両レベルで活用しています。

 

 


あなたと原爆 オーウェル評論集

2019年08月29日 21時11分55秒 | 社会・文化・政治・経済
 

あなたと原爆 オーウェル評論集 (古典新訳文庫) 文庫 – 2019/8/8

 

商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

原爆投下のわずかふた月後、その後の核をめぐる米ソの対立を予見し「冷戦」と名付けた表題の「あなたと原爆」、名エッセイ「象を撃つ」「絞首刑」など16篇を収録。ファクトとフェイク、国家と個人、ナショナリズムとパトリオティズムなど、『一九八四年』に繋がる先見性に富む評論集。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

オーウェル,ジョージ
1903‐1950。イギリスの作家・ジャーナリスト。イギリス植民地時代のインドに生まれる。イートン校卒業後、インド帝国警察官任官試験に合格しビルマへ赴任。5年の勤務ののち、ロンドン、パリで放浪生活を送る。1933年、はじめての著作『パリ・ロンドン放浪記』を出版。’37年、スペイン内戦に民兵として参戦。’50年、ロンドンで死去

秋元/孝文
甲南大学文学部教授。専門はアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

今後の五年間で私たち全員が粉々に吹き飛ばされる可能性がどれほどであるかを考えると、原子爆弾は期待されているほどには議論を呼び起こしてはいない。新聞には陽子と中性子がどのように振る舞うのかについて平均的な人間にとってはあまり助けにならない数多くの図表が掲載されているし、この爆弾を「国際的な管理下におくべきだ」という役にも立たない声明がさかんに繰り返されてはいる。しかし奇妙なことに私たち全員にとっての最も差し迫った関心である質問は、少なくとも印刷物の形ではほとんど問われていない。その質問とはすなわち「この代物を製造するのはどのくらい難しいのか?」というものだ。

このような情報は私たち……つまり公衆の人々……がこの問題を処理するにあたってはとても回りくどい方法でしか私たちにもたらされない。トルーマンは特定の機密についてはソ連に手渡さないと決めているのだ。数ヶ月前、まだこの爆弾が噂でしかなかった頃には核を分裂させることは物理学者たちにとってはたんなる問題の一つにしかすぎないという考えが広まっていた。そしてこの問題が解決されたあかつきには新しい、壊滅的な兵器がほとんど誰であっても手に入れられるようになるだろうと考えられていたのだ(研究室にこもった孤独な狂人がいつでも花火を打ち上げるのと同じくらい簡単に文明を木っ端微塵に吹き飛ばせるのだ、と噂は続いた)。

それが本当であれば歴史の流れ全体が突如として変わることになるだろう。大国と小国の間の区別は消え去り、個人に対して持つ国家の力は大幅に弱まる。しかしトルーマンの発言やそれに対するさまざまな論評から見る限り、この爆弾は途方もなく高価でその製造には多大な工業的努力が要求され、作成が可能なのは世界で三、四カ国だけのようだ。これは根本的に重要な点だ。なぜなら原子爆弾の発見は歴史の逆行どころか過去十数年に見られた傾向をたんに強化するだけということだからだ。

文明の歴史の大半が兵器の歴史であることは広く知られている。とりわけ火薬の発見と中産階級による封建制度転覆の関係は繰り返し指摘されていることだ。そして例外を示すことができるのは疑いないとはいえ、次のような法則はおおまかには真実であると私は考える。すなわち、支配的な兵器が高価であったり作成が困難である時代は専制的な時代であり、その一方で支配的な兵器が安く単純な時代には一般の人々に分がある。従って例えば戦艦と爆撃機は本質的には専制的な兵器であり、その一方でライフル、マスケット銃、長弓、そして手榴弾は本質的には民主的な兵器なのだ。複雑な兵器は強者をより強くし、単純な兵器は……それが何かはさておき……弱者に鉤爪を与える。

民主主義と民族自決の黄金時代はマスケット銃とライフル銃の時代だった。火打ち石式の銃が発明されてから雷管式の銃が発明されるまでの間、マスケット銃は非常に効果的な兵器であると同時に実にシンプルなもので、ほとんどの場所で製造が可能だった。この特性の組み合わせはアメリカとフランスの革命を成功に導き、民衆の暴動を現在そうであるよりも深刻な問題にした。マスケット銃の次に現れたのが元込め式のライフル銃だった。これはいくらか複雑なものだったがそれでもまだ多くの国々で製造が可能だったし、安価で密輸が簡単で銃弾も安かった。最も遅れた国でさえ、いつでもどこかの供給源からライフル銃を手に入れることができた。ボーア人、ブルガリア人、アビシニア[2]人、モロッコ人……あるいはチベット人さえ独立のための戦いを挑むことができ、ときにはそれに勝利したのだ。しかしその後、軍事技術における開発の全ては個人ではなく国家に、途上国ではなく工業化された国によっておこなわれることが多くなった。権力の焦点は時を追うごとに少なくなっていったのだ。既に一九三九年[3]の時点において大規模な戦争を遂行できる能力を持つのは五カ国のみに限られ、現在では三カ国……究極的にはおそらく二カ国のみとなるだろう。この傾向は何年も前から明らかで、一九一四年[4]以前でさえ何人かの評者に指摘されていた。この流れを反転させるのは工業施設の大規模な集約を必要としない兵器……あるいはもっと一般的に言えば戦闘手法……である。

さまざまな兆候から見ておそらくロシアはまだ原子爆弾作成方法の秘密を手に入れてはいないと推察されるが、一方で彼らがそれを数年以内に手に入れるであろうことで人々の意見は一致している。つまり二つ、ないし三つの怪物的な超大国が面前に出現するのだ。それぞれが数百万の人々を数秒で消し去ることができる兵器を手にし、その手で世界を分割している。これがより大規模で残虐な戦争、そしておそらくは機械文明の真の終焉を意味していると考えるのはすこしばかり早急である。むしろ……そしてこれがもっともありそうな展開なのだが……生き残った大国は互いに対しては決して原子爆弾を使用しないという暗黙の合意を結ぶのではないだろうか? 彼らがそれを使用したり、あるいはそれを使って脅しつけるのは報復をおこなうことができない人々に対してだけなのではないだろうか? その場合には私たちは元の場所に収まることになる。これまでとの違いは権力がさらに少数の者に集中し、被支配者と抑圧された層の先行きがさらに絶望的なものになるということだけだ。

ジェームズ・バーナムが経営者革命を書いた時、多くのアメリカ人が戦争はヨーロッパ諸国に対するドイツの勝利で終わるだろうことを予想したし、それゆえにロシアでなくドイツがユーラシア大陸を支配し、一方で日本が東アジアの主人の座に留まるだろうと自然と考えた。これは間違いであったわけだがそのことは主要な議論にはなんら影響を与えない。新しい世界に対してバーナムが描いてみせた地図は正しいものとなりつつある。地球の表面が三つの強大な帝国に分割されていくことがますますはっきりしていっている。それぞれの帝国は自己完結して外側の世界との接触を絶たれ、偽装されているかどうかはともかくとして自選によって選ばれた少数独裁者に支配されている。どこに国境が引かれるかについての論争はいまだに進行中でさらに数年間は続くだろうし、三つの超大国の三番目……中国が支配する東アジア……はいまだ現実のものというよりは可能性の段階にすぎない。しかし基本的な方向性では間違いはないし、近年の科学的な発見の全てがそれを加速している。

かつては飛行機によって「国境は消えてなくなる」と言われていた。実際のところは飛行機は深刻な兵器となり、以来、国境は絶対的に通過不能なものへと変わった。ラジオはかつては国際的な理解と協調を促すと期待された。結局それは国々を相互に隔離する手段へと変わった。おそらく原子爆弾によってこのプロセスは完了することだろう。それは搾取されている階級や人々から抵抗のための全ての力を奪い取り、同時にこの爆弾の所有者を軍事的な均衡の上へと押し出すのだ。互いを征服できなくなり、彼らは世界を分割して支配し続けることを選ぶだろう。そしてゆっくりとした予測できない人口変化の他にはこのバランスを転覆させる方法を考えつくことは難しい。

過去四、五十年の間、H・G・ウェルズ氏[6]やその他の人々は人類は自らの兵器によって破滅する危機にあり、その後は蟻かなにかの群生の種が私たちの後を引き継ぐだろうと警告し続けてきた。ドイツの破壊された町々を目にした人であれば誰しも同じ考えが頭をよぎることだろう。しかし世界全体を見れば何十年もの間、その潮流は無秩序ではなくむしろ奴隷制の復活へと向かっていることがわかる。私たちが向かっているのはおそらく全面的な崩壊ではなく、むしろ古代の奴隷制帝国がそうであったのと同じくらい恐ろしく安定した時代なのだ。ジェームズ・バーナムの理論はおおいに議論されてきたがその思想的な意味合いを考察している人間はまだ少ない。思想的な意味合いとは……つまり、速やかに征服することが不可能であり、隣国との恒久的な「冷戦」状態にある国家でおそらく支配的であろう世界観、信念、そして社会構造はどのような種類のものかということだ。

原子爆弾が自転車や目覚まし時計と同じくらい安く簡単に製造できるようになれば、私たちは野蛮状態へと追いやられるだろう。しかし一方でそれは国家主権と極度に中央集権化された警察国家の終焉を意味するのだ。そしてその可能性が高いのだが、もし原子爆弾が戦艦と同じくらい製造が難しく貴重で高価なものであれば、それは永久に引き伸ばされる「平和なき平和」を代償に大規模な戦争を終結させることになるだろう。

1945年10月19日
Tribune
 
  1. トルーマン:ハリー・S・トルーマン。第33代アメリカ合衆国大統領。第二次世界大戦の終了時に大統領職を務めた。
  2. アビシニア:現在のエチオピア
  3. 一九三九年:第二次世界大戦が始まった年
  4. 一九一四年:第一次世界大戦が始まった年
  5. ジェームズ・バーナム:アメリカの思想家。元は共産主義者だったが後に反共主義へと転じた。
  6. H・G・ウェルズ氏:ハーバート・ジョージ・ウェルズ。イギリスの小説家。SF小説の創始者の一人として有名。

 

 

 

移民政策とは何か: 日本の現実から考える

2019年08月29日 20時54分34秒 | 社会・文化・政治・経済

高谷 幸 (著, 編集), 樋口直人 (著), 稲葉奈々子 (著), 奥貫妃文 (著), 榎井縁 (著), 5 その他

 

商品の説明

「労働力」としてのみ外国人を活用するご都合主義。
けれども、実際には、多様な移民がすでに日本に定住している。
外国の人は、現実の人間であり、生産活動(労働)以外の多様な再生産活動-例えば、自己実現のための教育を受け、病気になり年をとる、恋をして子どもを産む-営む存在。
後者の活動こそが、人間らいく生きる基盤なのだ。

内容紹介

移民の未来は、日本の未来だ

移住労働者の定住化を阻止するという政府の方針は、彼らの人権を侵害し、「使い捨て」にすることを意味する。一方で長期的にみれば、ここには人を育てるという視点がない以上、日本社会の「持続可能性」をも奪うだろう。移民研究の第一人者が結集し、政策転換に向けて必要な視座を提示する。

序 章―移民社会の現実を踏まえて 髙谷 幸

第1章 労働―人材への投資なき政策の愚 樋口直人
第2章 ジェンダー―格差是正のための政策にむけて 稲葉奈々子・髙谷幸・樋口直人
第3章 出入国在留管理―非正規移民への対応を問う 髙谷 幸
第4章 社会保障―「外国人性悪説」を超えて 奥貫妃文
第5章 教育―子どもの自己実現のために言語と文化の保障を 榎井 縁
第6章 多文化共生―政策理念たりうるのか 樋口直人
第7章 移民排斥―世論はいかに正当化しているか 五十嵐彰・永吉希久子
第8章 反差別―独立した人権機関の設置が急務だ 森千香子
第9章 国籍・シティズンシップ―出生地主義の導入は可能か 佐藤成基
第10章 技能―日本的理解を刷新するとき 小井土彰宏

終 章―生活世界の論理による政策を実現するために 稲葉奈々子

内容(「BOOK」データベースより)

移住労働者の定住化を阻止するという政府の方針は、彼らの人権を侵害し、使い捨てにすることを意味する。一方で長期的にみれば、ここには人を育てるという視点がない以上、日本社会の持続可能性をも奪うだろう。移民研究の第一人者が結集し、政策転換に向けて必要な視座を提示する。

著者について

高谷 幸(たかや・さち) 大阪大学大学院人間科学研究科准教授。移住者支援NGO勤務、日本学術振興会特別研究員(PD)、岡山大学大学院社会文化科学研究科准教授などを経て現職。専門は社会学・移民研究。著書に『追放と抵抗のポリティクス――戦後日本の境界と非正規移民』ナカニシヤ出版、2017年。

 

 



140字の戦争――SNSが戦場を変えた

2019年08月29日 20時36分55秒 | 社会・文化・政治・経済

デイヴィッド パトリカラコス (著), 安田 純平 (その他), 江口 泰子 (翻訳)

 商品の説明

 「いまの世界は第一次世界大戦が勃発する前の世界に不気味なほど似ている」

「事実より魅力的な物語を重視する世界」になったことが危惧される。
ツイッターの驚くべき影響力の<負の問題>は、見逃せない!

内容紹介

「家の近くで激しい空爆が続いている。今夜、わたしはいつ死んでもおかしくない。#Gaza」
(ガザ地区に住む16歳の少女、ファラ・ベイカーのツイート)

 TwitterやFacebookが紛争地帯にもたらした連帯と分断。
ジャーナリストによる現地報告
解説/安田純平(フリージャーナリスト)

ソーシャルメディア(SNS)の登場により、戦争は新たな次元に突入した。
強力な兵器を有する者が勝つ時代は終わり、「言葉」と「ナラティブ(語り)」で戦う時代が到来。
その担い手は、国家やマスメディアから個人へと移行しつつある――

イスラエルによるガザ侵攻の惨禍をTwitterで実況し「現代のアンネ・フランク」と呼ばれたパレスチナの少女、
Facebookを駆使してデモ隊を組織するウクライナの活動家、
マレーシア航空17便撃墜事件に関するロシア政府の嘘を暴いたブロガー、
Skypeでの接触を通じてイスラム国に洗脳され息子とともにシリアに渡ったフランス人女性らを独自取材。
SNS時代の戦争とジャーナリズムを抉る、渾身のレポート。

出版社からのコメント

「重要なテーマ、とっつきやすい書きぶり、そのうえ面白い。いまやスマートフォンやノートパソコンの電脳空間が戦争の舞台となり、それらは私たちの脳へとダイレクトに通じている。こうした問題に関心のあるすべての人の必読書」――《ワシントン・ポスト》紙

「シリコンバレーの楽天家たちが想像もしなかった形でソーシャルメディアが軍事兵器と化している状況を、本書は詳細に描いている」――《ウォール・ストリート・ジャーナル》紙

「優れた現地取材が満載。ロシアによるフェイクニュース工作について理解したい人、未来の戦争においてソーシャルメディアが果たす役割を見極めたい人は必読」――《フィナンシャル・タイムズ》紙

ソーシャルメディア(SNS)の登場により、戦争は新たな次元に突入した。強力な兵器を有する者が勝つ時代は終わり、「言葉」と「ナラティブ(語り)」で戦う時代が到来。その担い手は、国家やマスメディアから個人へと移行しつつある―。イスラエルによるガザ侵攻の惨禍をTwitterで実況し「現代のアンネ・フランク」と呼ばれたパレスチナの少女、Facebookを駆使してデモ隊を組織するウクライナの活動家、マレーシア航空17便撃墜事件に関するロシア政府の嘘を暴いたブロガー、Skypeを介してイスラム国に洗脳され息子とともにシリアに渡ったフランス人女性らを独自取材。SNS時代の戦争、テクノロジー、ジャーナリズムをめぐる、渾身のレポート。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

パトリカラコス,デイヴィッド
中東を専門に取材するジャーナリスト。“デイリー・ビースト”のコントリビューティング・エディター、“ポリティコ”のコントリビューティング・ライター。“ニューヨーク・タイムズ”紙、“フィナンシャル・タイムズ”紙、“ウォール・ストリート・ジャーナル”紙などに寄稿。2012年の著書Nuclear Iranは“ニューヨーク・タイムズ”紙のエディターズ・チョイスに輝くなど高い評価を得た。ロンドン在住

江口/泰子
翻訳家。法政大学法学部卒。編集事務所で雑誌編集に携わったのち渡英。4年間の滞在後に帰国し、広告企画会社を経て翻訳業に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 



「ながらスマホ」運転 交通事故で子を失った父親が講演 

2019年08月29日 20時22分48秒 | 社会・文化・政治・経済

公明党ニュース 2019年8月26日
「ながらスマホ」運転 防げ

交通事故で子を失った父親が講演 
「誰もが加害者になり得る」 
愛知・一宮市
近年、スマートフォン・携帯電話を操作しながら自動車を走らせる「ながらスマホ」運転による交通事故の危険性が指摘されている。愛知県一宮市はこのほど、「ながらスマホ」による交通事故で子どもを奪われた則竹崇智さん(同市在住)を講師に招き、市職員の勉強会を開催した。公明党の河村弘保、市川智明両市議も勉強会に参加した。

警察庁によると、全国の交通事故件数は2013年から18年までの5年間で約32%減少している。その一方で、「ながらスマホ」運転が原因の交通事故は約1.4倍に増加。スマホなどを使用していたことが原因の事故では、スマホ使用なしの事故に比べて死亡率が約2.1倍に跳ね上がっている。

一宮市では16年10月、小学4年生の則竹敬太君が「ながらスマホ」運転による事故の犠牲になった。集団下校で横断歩道を渡っている際に、スマホ向けのゲーム「ポケモンGO」をしながら運転していた男性のトラックにはねられたのだ。

敬太君の父・崇智さんは現在、その悲しみを乗り越えて全国各地で講演活動を行っている。講演の際に崇智さんは、車との衝突によって著しく変形した敬太君のステンレス製の水筒を講演会参加者に見せ、「ながらスマホ」運転の恐ろしさ、被害者家族の思いなどを訴えている。

一宮市の勉強会で崇智さんは、敬太君の事故後に警察署で行われた事情聴取の際、警察職員や検事から「現行法では(「ながらスマホ」運転は)過失運転です」と言われた時の悔しい気持ちを述懐。「『ながらスマホ』運転は過失致死ではなく、殺人行為ではないか。脇見運転と同じ扱いはおかしい。『声を上げなければいけない』と思った」と述べた。

16年の12月には上京して国家公安委員会を訪れ、松本純国家公安委員長(当時)に会い、厳罰化を要望したことも語った。

その上で崇智さんは、ながら運転による事故が二度と起きないようにしてほしいとの訴えを受ける形で今年5月、「ながらスマホ」運転を厳罰化することなどを内容とする改正道路交通法が成立し、12月から施行予定であることに言及。そして、「スマホが車内の手に届く場所にあれば、運転中でも使ってしまう人がいる。誰もが、被害者だけでなく、加害者になってしまう可能性がある」とし、「ながらスマホ」運転は絶対にやらないと、改めて強く意識することの必要性を参加者に訴えた。

河村市議は今年6月、市議会定例会の一般質問で敬太君の痛ましい事故や改正道交法について触れ、「自治体にとって『ながらスマホ』運転の危険性を多くの人に周知徹底する契機に」として、市当局に取り組みの強化を迫っていた。

勉強会終了後、崇智さんと懇談した河村、市川両市議は「『ながらスマホ』運転の防止に向けて具体的な取り組みを進めたい」と語った。

 

 


ながらスマホ運転防げ

2019年08月29日 20時01分18秒 | 社会・文化・政治・経済

エンジニアのためのキャリア応援マガジン

シグナルシールドは現在、英・日産サンダーランド工場で生産される「ジューク」に試験的に装備されている。

スマートフォンなどのモバイル機器をアームレスト内に置いてフタを閉じれば、通信を遮断できる。

全ての操作ができなくなるわけではなく、USBなどの補助ポートを利用すれば、モバイル機器に保存している音楽やポッドキャストを再生することも可能だ。通信を再開したければ、アームレストのフタを開くだけで接続できる。

運転中のスマートフォンの使用は年々深刻な問題になっている。イギリス王立自動車クラブ(RAC)の調査によると、「運転中に電話を操作した」と答えたドライバーは2014年には8%だったが、2016年には31%にまで増加した。運転中のスマホ使用により、衝突事故のリスクは4倍にも上昇し、運転中の反応の速さは、飲酒運転の2倍鈍くなるとの調査もある。


阪神 「代打鳥谷」球場内外から異論反論

2019年08月29日 17時03分21秒 | 野球

去就問題も浮上!使いどころどうすりゃ?

8/29(木) 東京スポーツ

好機で二ゴロに倒れた鳥谷

 久しぶりの甲子園で歓声とため息が交錯した。阪神が0―1で敗れて今季12度目の零敗を喫した28日の中日戦でのこと。1点を追う7回二死二、三塁の好機で矢野燿大監督(50)が「代打鳥谷」をコールすると、球場はこの日、一番の盛り上がりを見せた。しかし、鳥谷はカウント1―1からボテボテの二ゴロ。阪神は2年連続での中日戦負け越しが決まり、指揮官も「ゼロでは勝てないので悔しい。勝負どころで一本が出ない」と嘆いた。

 ツイッターでは「代打鳥谷」がトレンドにランクインするなど、今季55試合の出場で打率2割8厘、本塁打と打点は0で得点圏打率3分の鳥谷を好機で代打起用したことに、球場内外で異論反論が噴出した。指揮官は「あそこはトリと決めていた。総合的に、すべてのことを含んで鳥谷で勝負したいと思った」と説明。鳥谷も「狙い球というよりストライクが来たら打っていこうと思っていたが…」と悔しがった。

 矢野監督は前日27日の時点で「いいところでトリが結果を出してくれるのが一番いい」と勝負どころでの起用を明言していた。チームはAクラス入りさえ厳しい状況で、鳥谷は25日のヤクルト戦(神宮)後に「最後の打席になるかもしれない…」と意味深発言して去就問題に火がついたばかり。ベテランの奮起でベンチのムードを一気に明るくする狙いがあったのかもしれない。しかし、この日は打力で勝る梅野への代打で、8月は35打数12安打と好調の北條がベンチに控えていたことからファンの不満が爆発する格好になった。

 今月に限って言えば、鳥谷は代打で12打席に立って10打数4安打。ただ、球団OBからは「勝負どころでの代打より、四球を取るのがうまいので、イニング頭で出すほうが相手は怖いはず。鳥谷以上の代打がいないから仕方ない面もあるが、柔軟に起用する必要がある」との指摘もある。何かと注目度の高い球団だけに、使う側も使われる側も苦労が絶えない。

 
【関連記事】

大腸がんの友人に面会

2019年08月29日 16時47分27秒 | 日記・断片

▽細胞の設計図であるDNA(遺伝子の本体)。
そこに、「キズ(突然変異)が積み重ねって」できるのが<がん>という。
▽敢闘会の会合の帰りに、4人でとりで総合医療センターへ入院している友人の面会へ行く。
偶然、敢闘会のメンバーが同じ5階病棟に入院していて病棟の廊下で出会う。
実は、当方の友人の哲さんが骨折で入院している。
「もしかして、出会うかな」と想っていた。
▽「下痢が止まらない」と数年前から言っていたMさんは、大腸がんであった。
当然、異常なことであったが、誰も検査を勧めなかった。
▽実は、当方も当時、腹痛や腰痛を訴えていた。
「顔が白よ。病院で検査したら」と人に言われていたのに、助言を無視を続けていた。
Mさんの大腸がんは手術ができず、今後は抗がん剤の治療が始まるそうだ。
がん細胞の塊?で大腸が細くなり人工肛門になっていた。
Mさんはパジャマを捲くり、みんなに人工肛門を見せる。
▽Mさんは今後、取手から離れ、別れた奥さんと娘さんが住む静岡県の富士宮へ移転すると言っていた。
▽「引っ越したは、手伝うよ」と皆で言ったが、家具の大半を処分して取手を離れるMさんをみんなで励ましたものの、何か切ない気持となる。


単身女性の貧困懸念

2019年08月29日 07時46分47秒 | 社会・文化・政治・経済

日本の貧困率の高さは近年注目が集まっている問題ですが、なかでも独身女性の貧困については深刻です。

男女雇用機会均等法や働き方改革など、女性が社会へ進出し地位を高める傾向にある一方で、やはり男女において収入や給与の差が埋まらないのも事実です。
女性の貧困問題には、社会構造から生じるものもあり、個人の力ですべてを回避することは難しいことです。

この記事を読み、冷静な視点から女性の貧困問題について理解を深め、対策を見出していきましょう。

独身女性の貧困化が進む理由とは

独身女性の貧困が深刻化し非正規雇用の生活で老後への不安も拡大。対策や支援団体はあるのか?

日本の貧困率の高さは近年注目が集まっている問題ですが、なかでも独身女性の貧困については深刻です。

男女雇用機会均等法や働き方改革など、女性が社会へ進出し地位を高める傾向にある一方で、やはり男女において収入や給与の差が埋まらないのも事実です。
女性の貧困問題には、社会構造から生じるものもあり、個人の力ですべてを回避することは難しいことです。

この記事を読み、冷静な視点から女性の貧困問題について理解を深め、対策を見出していきましょう。


独身女性の貧困化が進む理由とは

はじめに女性の貧困率について確認してみましょう。まずは先進国でも起こる相対的貧困について解説し、その上でデータから国内の実態を解説します。

絶対的貧困と相対的貧困

貧困には、以下の2つの種類があります。

相対的貧困
絶対的貧困は食料や、雨風を凌ぐ自宅すらないといったもので人として生きる上での最低限の条件すら備わっていない状態を指します。
そのため途上国に多く存在し、絶対的貧困は病気や死などと結びつくこともあり世界で深刻な問題となっています。

対して日本でも多く見られるのが相対的貧困です。
相対的貧困は、その国の生活水準・文化水準と比較して困窮した状態を指します。
食費や光熱費を切り詰めながら生活することはできても、趣味や教育の機会にお金を使う余裕がなく、将来において改善する期待を持つことができないのが相対的貧困なのです。

こうした相対的貧困は日本国内でも深刻な問題となっています。特に独身女性の貧困は大きな問題で、当事者は適切な支援を受けて生活を立て直さなければなりません。

我が国における女性の貧困率

20代半ばまでは男性の貧困率が高いですが、その後は逆転し女性の貧困率が高くなります。そして60代半ばを過ぎると、女性の貧困率が圧倒的に高くなるのです。

こうした女性の貧困はなぜ起こるのでしょうか。
この点については、男女で収入に大きな差があることが理由として挙げられます。こうした収入格差があるからこそ、独身女性、離婚や死別によってシングルになった女性が貧困に陥り、高齢になるほど女性の貧困率が高くなるのです。

男女の平均給与格差

続いては男女の平均給与における格差を確認してみましょう。「女性の貧困率が高まっている」と聞いても、その深刻さはイメージしにくいですが、年代別で男女にどれほどの給与格差があるかを確認すると貧困の実態が見えてきます。

まずは以下の年齢階層別の平均給与を表した図をみてください。

このように男女の給与格差は50代後半までは年代が上がるごとに大きくなります。以下に各年代における男女の給与の「格差」をまとめました。

特に30代以降の格差には非常に大きなものがあります。45歳から59歳までの間は男性の平均給与が女性の2倍にまでなります。このように男女間における平均給与の格差は大きな問題となっています。

そして給与格差を確認することで、女性の貧困の実態が浮かび上がってきます。
上図の給与を平均すると、女性は25歳から59歳まで一貫して300万円前後しか給与を得ることができていません。
都市部で住宅に毎月賃料を支払い、子どもが一人でもいるといかに苦しい生活になるかは想像に難くないのではないでしょうか。

そして格差があることと同時に注目すべきは、「女性の給与が歳を重ねても一向に上昇していない点」です。この理由としては、以下の2つが主に考えられます。

非正規雇用で働く女性が多いこと
女性の管理職が少なく、給与の上昇幅が小さいこと
非正規雇用については、結婚・出産を機に非正規雇用にならなければならない環境に身を置く女性もいるため、個人の責任だということができないのが現状です。
また、管理職についても同様で、女性個人の能力の低さによって、先進国でもワーストと呼ばれるほど日本の管理職における女性比率が低くなっている現状は説明できません。

このように女性の収入が低いことについては、個人の問題のみならず、社会構造における問題が関係しています。

(出典:平成24年版「男女共同参画白書」)

それぞれの年代で見る貧困の原因と特徴
ここからは年代別に女性が貧困に陥る原因と特徴を確認していきましょう。それぞれの年代で貧困を招く原因は異なっていることがわかります。

20代女性

20代女性の貧困の原因として真っ先に挙げられるのは非正規雇用で働く女性が多いことです。専門学校・短大・大学といった教育機関を卒業した後も正社員として働かず、非正規雇用で働く人が多いのです。

さらに一度は正社員として働いたとしても、結婚と出産を機に非正規雇用になる女性も多く存在します。

また20代は男女ともにそもそもの収入が低い点も貧困を招きます。収入が少ないため、小さなリスクが顕在化しただけで貧困となってしまうのです。

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30代女性

30代女性の貧困は、既婚者にも起こるのが特徴です。
独身女性については先述したような非正規雇用を理由とした貧困が依然として継続しますが、既婚の30代女性は以下のような原因から貧困に陥ります。

離婚してシングルマザーになった
配偶者が怪我や病気で働けなくなった
配偶者と死別した
このような理由から既婚者であっても貧困に陥る恐れが出てくるのです。
また家庭を持つことで、住宅ローン、保険料の支払いなどといった支出が増える点も貧困を悪化させます。家庭を持ったからといって、それが貧困を遠ざけるとは限らない点に注意が必要です。

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40代女性

続いては40代女性の貧困について確認します。40代女性であってもここまで紹介した非正規雇用の独身者、離婚や死別によるシングル化、住宅ローンや保険料による支出の増加などは依然として貧困の原因となります。

しかし、40代になるとそこに以下のような原因も加わります。

子どもの成長による教育費の増加
自身の健康悪化による医療費の増加
親や親族の介護費の増加
このように年齢を重ねるからこそ生まれるリスクが貧困に繋がっていきます。
特に介護費については、そもそもが高いことに加えて、それが払えない場合は女性が仕事を辞めて介護にあたる場合もあり、非常に大きな問題です。

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40代の女性が貧困に陥ってしまう理由・原因は?

50代女性

最後に50代女性の貧困の原因をみていきます。こちらは40代女性の延長上にある原因が多くを占めますが、その中で特筆すべきは以下のものです。

熟年離婚
自身の病気
熟年離婚をすると、これまで専業主婦として暮らしてきた場合は女性は一人で収入を得て生活していかなければいけません。
長年就労を離れていると、すぐに正社員になることは難しくなります。

さらに50代になると自身の健康も悪化する恐れが高くなります。
保険に加入しておくことである程度対応できる病気も多いですが、それはそれで保険料の支払いが増加するというジレンマがあります。

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50代の女性が貧困に陥ってしまう理由・原因は?

離婚した女性、シングルマザーの貧困率が高い理由とは
ここまで20代から50代女性の貧困の原因を解説しましたが、その深刻さがイメージできたでしょうか。はじめに見たとおり女性は歳を重ねても給与が上がりにくいので、それぞれの年代で発生する特有の支出がある限りどんな年代でも貧困に陥る可能性が高いのです。

このような場合であっても、配偶者と二馬力でお金を稼ぐことができれば貧困を回避できる可能性も高まります。そして、それは裏を返すと離婚や死別によってシングルマザーとなった場合のリスクが非常に高いことを意味します。
特に結婚・出産を機に非正規雇用となっていた場合、正社員への復帰は困難となります。

以下は男女における非正規雇用者の割合を示す図です。
このように全ての年代において女性に非正規雇用割合は男性のそれよりも高くなっています。いかに女性が正規雇用で働くのが難しいかがわかるはずです。
シングルマザーとなった場合、独力で貧困から抜け出すのは決して簡単ではありません。

こうした中でシングルマザーが過労から体を壊してしまえば収入は途絶え、日常の生活すら維持することが困難になります。
そうした場合は積極的に支援を活用することが重要です。
ここからは女性の貧困に関して行政や民間団体によって行われている支援を解説していきます。

女性支援団体による活動

国内および各自治体には貧困に悩む女性を支援する団体が存在します。そのため、そうした団体を活用することが貧困から抜け出すきっかけになる場合があります。

キャリアアップ支援

キャリアアップ支援では、これまでの経歴から将来におけるキャリアパスを構築して、それに沿った支援を行います。
正社員として働いた経験がない方でも派遣社員や契約社員を介して正社員への道を探り、また必要なスキル獲得をサポートしてくれるのです。

また正社員として働き続けている場合であっても、より条件と待遇の良い企業への転職などをサポートしてくれます。
貧困に悩んでいるとこうしたキャリアアップを見通す余裕がなくなってしまうため、専門家のアドバイスを受けながら客観的に優れたキャリアについて検討できる機会は重要です。

資格取得支援

キャリアアップ支援と密接に関係するのが資格習得支援です。
こちらでは就職や転職に必要な資格の学習と取得をサポートしてくれます。貧困の状態にあると、参考書一つを買う余裕もなければ、学習に費やす時間もないケースがあります。

その中で参考書を揃え、より効率的な学習のためのアドバイスを得られるのです。
資格は即戦力の証となり、就職や転職で有利に働くので非常に効果の高い支援といえるでしょう。

シェルター

貧困と間接的に関係して問題となるものに、男性から女性に対する暴力があります。
これは貧困以前の問題でもありますが、暴力を理由にした支配関係から女性が貧困に陥る場合もあるのです。
こうした場合、女性を避難させることが最優先となります。

そのためのシェルターも支援団体による優れた取組みとなっています。
シェルターでは暴力に苦しむ女性を受け入れ、加害者である男性が近づけないようなサポート体制が構築されています。

コミュニティの構築サポート

また支援団体は貧困に悩む女性同士を繋ぐ役割も果たします。
そこで悩みを共有し、互いに支え合うことで貧困が心に与えるストレスから身を守っていくのです。

貧困は多くの場合、孤独と隣り合わせです。
そして孤独は人から考える力を奪い、貧困からの脱出を困難にします。
そのため同じく貧困に悩む女性とつながり、また支援団体のスタッフとの関係を構築することには大きな価値があります。

行政による手当や支援制度

支援団体のみならず行政による手当や支援もあり、特にシングルマザーは以下のような手当を受給できるケースもあります。

児童扶養手当
母子家庭の住宅手当
母子家庭の医療費助成制度
生活保護
母子家庭の遺族年金
児童育成手当
生活保護を除くと、これら一つひとつにより月1万円~2万円程度を得ることができます。
受けられるはずの支援を受けずに苦労を続けていては自身を消耗し続けるだけになってしまいます。
適法に受けられる手当は積極的に活用するために、まずは各窓口に相談してみるだけでも良いでしょう。

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貧困で悩む女性たちの老後への不安とは
こうした支援団体および行政による支援の活用は、貧困に悩む女性の老後をも救う可能性を秘めています。
先述したとおり、女性の平均給与は年齢とともに上がりにくい側面を持つため、貧困の改善に着手するのは早ければ早いほど望ましいのです。

年齢を重ねるごとに病気や怪我のリスクも高くなるため、支援を積極的に活用するのが良いでしょう。
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今回は女性の貧困について解説しました。20代から50代までそれぞれの原因で貧困が起こりますが、その背後にある理由は女性の非正規雇用割合が高いことと女性の給与が年齢とともに上がりにくいことです。

つまり十分な収入を確保できないために女性の貧困は起こっています。
また、ここには女性個人の要因のみならず、社会的な構造による要因が存在します。

そのため女性が独力であがいても貧困から抜け出すことができない場合があるのです。

このようなとき、貧困に悩む女性は目の前の生活に追われてどんどん孤独になっていきます。そして孤独がさらに貧困を悪化させます。
こうした状況を回避するためには、積極的に支援団体と行政による手当と支援を活用していくことが大切です。
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 2019.06.07 / update:2019.07.03