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ビジョンがなければ、思想も運動も世界に広がらない

2016年07月26日 16時44分24秒 | 社会・文化・政治・経済
★教育の目的
それは
人間が自らの一切の力を発揮できるようにすることだ。
アメリカの教育者・ジョン・デューイ
★芸術は、人びとの魂を鼓舞する。
心を豊かにし、前進への力を漲らせる。
芸術に国境はない。
人間と人間を近づけ、心と心を結ぶ不思議な力がある。
★人類の平和と幸福、そして、自己と全ての人々のために、倫理、非暴力、奉仕、ならびに調和といった根本思想を築き、伝え、生き、教え、旅し(行動)綴り、永遠のものする。
★非暴力などの偉大なビジョンを生み出した先人。
ビジョンがなければ、思想も運動も世界に広がらない。
★平和が大事。
平和なくして文化もありえない。
★平和と友情の心―それは人間性の真髄。

、「差異」をも「価値創造」の原動力」に

2016年07月26日 16時00分28秒 | 社会・文化・政治・経済
★短時間で学習の成果を可視化できる「ポスター発表」は、「コミュニケーション力」「創造力」「課題解決力」などの高める効果があるとされ、学校現場の活用が進む。
★異文化理解のためには、差異をただ「知る」だけではなく、もい一歩深く、相手を理解することが大切。
そうするためには、自分から相手に寄り添う姿勢が必要。
異なる文化を尊敬すること。
そのためには、根強い先入観を捨てることが大切。
★「多文化理解」はグローバル時代のキーワードだ。
★学校や社会では、多文化への意識は高まっているが、他者との差異を「受け入れ」までにとどまっている。
差異から積極的に学びながら、新しい意味や価値を創造していくことだ。
★「差異」を、「価値を創造していく共同作業の原動力」と見なすことは、現代の教育界では非常にまれだ。
★「分断か調和か」「孤立か連帯か」―時代は再び、その岐路に立たされている。
だからこそ、「差異」をも「価値創造」の原動力」に転じる創価教育の実践が光を放つ。

映画「いしぶみ」をめぐって

2016年07月26日 14時00分45秒 | 社会・文化・政治・経済
社会全体が功利的な価値観に流されていて

「なにをすべきか」で人生を考えない方がいいんじゃないですか。
どうしたら皆、楽しいか、うれしいかを考える方がいいと思います。
今、大学生たちと付き合っていると、「なんだろうこの窮屈さは」と感じることがある。
大学時代って、無駄でもいいから好きなことをやればいいと僕は思っているけど、今は無駄が許されない。
何か就職予備校みたいに感じる。
要するに、社会全体が功利的な価値観に流されていて、国益だったり、何かに貢献すべきということが求められる空気があって、映画だってその例外ではない。
文化は文化のためにあるといいことを許容できなくなっていることが問題であって、そこを考えた方がいいと思っています。
だから「べき」を語らないのが、僕のメッセージです。
映画「いしぶみ」をめぐって
原爆で亡くなった旧制・広島二中一年生の記録
戦争経験がない世代だから伝えられるものがある

人の評価などは、幻想、思い込みに過ぎない

2016年07月26日 13時12分13秒 | 医科・歯科・介護
俺たちはバカなのかもしれない

俺たちはバカなのかもしれない = (週刊プレイボーイ(週プレ) 2016/07/04日号)
〈6年前、「次の首相にふさわしい人」1位は断トツで舛添要一だった……〉

2010年3月の共同通信社が行った世論調査。
「次の首相にふさわしい人」
1位舛添要一
2位鳩山由紀夫
3位菅直人
の各氏が上位に。
現在から見れば、いずれもリーダーとしての評価は芳しくなかった。
あの世論調査は何であったのか?
人の評価などは、幻想、思い込みに過ぎない。

△▼厚生労働省▼△ 07月25日 10時 以降掲載

2016年07月26日 09時07分12秒 | 医科・歯科・介護
新着情報配信サービス

      
○ 政策分野

・輸出国から連絡のあった衛生証明書
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223487

・後期高齢者医療事業状況報告
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223489

・ジカウイルス感染症の流行地域*(2016年7月25日更新)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223491

○ 審議会等

・第170回労働政策審議会雇用均等分科会(2016年3月30日)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223493

・第3回厚生労働省国立研究開発法人審議会 厚生科学研究評価部会 資料
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223495

・第44回先進医療技術審査部会 議事次第
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223497

・第39回社会保障審議会年金部会
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223499

・第8回医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会 議事概要(2016年6月29日)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223501

・第3回 理容師・美容師の養成のあり方に関する検討会(開催案内)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223503

・厚生科学審議会 再生医療等評価部会 遺伝子治療等臨床研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第5回医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223505

・厚生科学審議会 科学技術部会 医学研究における個人情報の取扱いの在り方に関する専門委員会(第5回医学研究等における個人情報の取扱い等に関する合同会議)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223507

・審議会、研究会等予定
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223509

・社会保障審議会児童部会保育専門委員会(第7回)(2016年5月31日)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223511

○ 採用情報

・採用情報(獣医系技官)
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223513

○ その他

・調達情報 平成28年度硫黄島慰霊巡拝の実施に係る航空機の借上及び貸切運行一式
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223515

・平成28年度「子ども見学デープログラム」と「子ども見学デー引率者の方へ」を掲載しました!
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223517

・調達情報 平成28年度ジェネリック医薬品使用促進の取組事例とその効果に関する調査研究業務
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=223519

○リンク

医療機器の使用上の注意について

2016年07月26日 09時06分10秒 | 医科・歯科・介護
□■ PMDAメディナビ ■□
━━━━━━━━━━━━━
医療機器の使用上の注意について (2016/07/25 配信)
━━━━━━━━━━━━━

(平成28年7月25日付)
モルセレータに係る「使用上の注意」について
http://www.pmda.go.jp/files/000213208.pdf

■モルセレータの使用にあたっては、
「子宮筋腫がある女性の腹腔鏡下の子宮摘出術や子宮筋腫核出術にモルセレータを使用した細切除術を実施した場合、
想定されていなかったがん組織、特に子宮肉腫を腹腔内に播種させるリスクがある。」ことが
米国食品医薬品局(FDA)より報告されているところです。

■これを受け、今後新たに承認又は認証されるモルセレータの添付文書における「使用上の注意」の記載方法について
取り纏められました。

■医療従事者の皆様におかれましては本通知内容を確認いただき、適正使用にご活用ください。

医薬品の安全対策に関する通知 発出のお知らせ

2016年07月26日 09時04分21秒 | 医科・歯科・介護
□■ PMDAメディナビ ■□
━━━━━━━━━━━━━
 医薬品リスク管理計画(RMP)掲載のお知らせ (2016/07/25 配信)
━━━━━━━━━━━━━

RMP提出品目一覧
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0001.html

販売名:ゲンボイヤ配合錠
一般名:エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミドフマル酸塩
製造販売業者:日本たばこ産業株式会社

※前週分の新規RMP掲載情報についてとりまとめてお知らせしております。

医療従事者の皆様におかれましては、RMPをご覧頂き、
市販後の安全対策への更なるご協力をお願い申し上げます。

医薬品リスク管理計画の目的や詳細については下記URLよりご覧ください。
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/items-information/rmp/0002.html

□■ PMDAメディナビ ■□
━━━━━━━━━━━━━
医薬品の安全対策に関する通知 発出のお知らせ (2016/07/25 配信)
━━━━━━━━━━━━━

(平成28年7月22日付)
上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤を投与する際の間質性肺疾患に関する留意点について(依頼)
http://www.pmda.go.jp/files/000213244.pdf

■上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(以下「EGFR-TKI」という。)は、いずれの製剤も、
間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者には慎重投与とされています。

■EGFR-TKI投与にあたっては、投与前に間質性肺疾患又はその既往歴を確認するとともに、
投与中は十分な注意と経過観察を行っていただき、適正に使用いただきますようお願いいたします。

■EGFR-TKI投与後に間質性肺疾患があらわれた場合には、当該患者のニボルマブ(遺伝子組換え)等の
前治療歴も含め、副作用情報の収集にご協力いただきますようお願いいたします。
--------------------------
今までに掲載された医薬品安全対策に関する通知等はこちらから
http://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/0010.html

toride727 さんが 2015年07月25日 に書かれた記事をお届けします

2016年07月26日 09時02分09秒 | 医科・歯科・介護

自分が心から好きになれるものを探し当てて



★「自分が心から好きになれるものを探し当てて。他人の考えにとらわれ、限られた人生の時間を無駄にしないで」スティーブ・ジョブズさんのスタンフォード大学でのスピーチ国立大学の文系学部を削ろうとしている政府。「財政難の中、社会にすぐ役立ちそうな学問だけ残そうという発想みたいだけど、ジョブズさんでさえ後からわからなかった「...
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教育の基本は何か?



教育の目的は、子どもの幸福の実現である。そして、その基本は、子どもの個性を深く尊重し、子どもたちがより自分らしい進路を選択し、より充実した人生を築いていけるように援助することであるといえる。戦前の「戦時教育」は、国民に当時の体制に沿った価値基準を植え付けるものであった。1956年(昭和31年)以降、文部科学大臣名で...
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東京デンタルショー2015」の開催が迫りました

最新の歯科器材や歯科関連情報が集まる日本最大規模の展示会「東京デンタルショー2015」の開催が迫りました(8月1日(土)、2日(日)、東京ビッグサイト)。つきましては、メールで恐縮ですが、ご取材に関するご案内を送信させていただきます。ご検討の程、よろしくお願い申し上げます。なお、当日は会場入口に「報道関係者受付」を...
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サントリー・新浪氏が社保改革トップに就任



font color="green">経済財政諮問会議で承認、高齢増は6700億円 レポート 2015年7月24日(金)配信池田宏之(m3.com編集部)  政府の経済財政諮問会議が7月23日に開かれ、医療を含む社会保障などの歳出改革の取組促進の仕組み構築や、改革の進捗管理・評価をする「経済・財政一体改革推進委員会...
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創作欄 徹と静香の愛と別離 8 )

2016年07月26日 08時21分47秒 | 創作欄
2013年10 月26日 (土曜日)

「男なんて、同じね。最低!」
静香の言葉が包丁の刃ととも徹の胸にグサリと刺さった。
「自分は恨んだあの男と同じじゃないか」
徹は母親の男のことを思い浮かべた。
男から深い理由もなく些細なことで母親も徹も殴る蹴るの暴力を受けてきたのだ。
「何時か殺してやる」徹は7歳であり、まったく抵抗ができず、恨みを募らせていく。
「何であんな嫌な男を家に入れたのか!」徹は母親にも怒りを覚えた。
居酒屋で働いていた母親は、20代の後半であったから男にとって誘惑の対象であっただだろう。
昭和24年闇市での暴力団の抗争に巻き込まれて、徹の父親は死んでいた。
徹の父親の戦友の真田は現場に居たが難を逃れた。
襲ってきた相手は3人であった。
自分たちに因縁を付けてきたが、明らかに相手側の勘違いであった。
一人が徹の父親の胸を短刀で突く。
それは問答無用であり、「話し合おう!」と真田が言った瞬間、男たちの一人が隠し持っていた短刀が抜かれ、体の反動とともに勢い良く徹の父親の背中から胸に突き立てられた。
激戦の戦場で生き抜いた徹の父親は、呆気なく皮肉にも短刀の刃で命を失ったのだ。
徹は後年、真田から父親の死の様子を聞かされた。
「徹君の親父さんを助けられなかったんだ」戦友の真田は無念さを思い浮かべ涙ぐんだ。
戦後の混乱期であり、闇市では犯罪も多発していた。
幼い頃、徹は進駐軍たちの横暴を聞いてきた。
戦後の復興期には平和を願う日本各地で米兵による婦女暴行が横行していたのだ。
それは敗戦国の屈辱である。
真田はそうした米兵の一人を殺していたが、これは闇に葬られていた。
真田が通りかかるとある家屋の庭で、昼間の時間であったが米兵が日本女性を暴行していた。
真田は怒りを爆発させ短刀で米兵を背後から殺したのだ。
真田はその家の庭に深く穴を掘り、そこに米兵の死体を埋めた。
2013年10 月25日 (金曜日)
創作欄 徹と静香の愛と別離 7 )
人生の伴侶として「私のことを選んでくれてありがとう」と誕生日などの区切りに感謝の気持ちを伝える。
静香はそのことを率直な気持ちとして何度も吐露してきた。
だが、人生は皮肉なものであり、相思相愛と思われた2人が、ボタンの掛け違いのようになってしまうこともある。
そして、下向きな愛の心があったのに、その意に反して憎しみあい、最終的に互を憎悪するハメにもなる。
徹は静香に不信の念を抱いた。
「静香、お前に男ができたんだな!」
性行為のあと徹が唐突に言う。
「ええ!なんのこと?」
同衾から静香は身を起こした。
「ふざけるな、おれは節穴じゃない。お前の今日の反応はこれまでにまいものんなんだよ」
徹は静香のこれまでにないような性の反応に疑念を抱いた。
だが、それは静香にとって、到底理解に及ばぬ言いがかりであった。
静香は日々徹の求めに応じて性行為に及んでした。
だから、性行為は生活の営みに付随しており、静香にとっては特別なことではない。
「自分の性に対する反応は、繰り返されれば画一的なるはずだ」と静香は思っていた。
心外にも徹は言いがかりをつけるように静香に理不尽なことを言ったのである。
「徹さんは、私に何を言いたいのよ。はっきり言ってよ」静香は声を荒げた。
徹はいきなり、静香の顎にパンチを食らわせた。
「オイ、静香、俺以外の男とやっているな!」
静香は逆上して、台所へ向かい包丁を手にした。
徹は刺されないと思い込み無防備であった。
だが静香は躊躇いもなく徹の胸に包丁を突き立てた。
徹はあっけなく抵抗もできずに台所の床に崩れ落ちた。
徹が幸運であったのは、刃が心臓を外れていたことである。
そしてこの出来ごとが警察沙汰にならなかったことであり、それは奇跡でもあった。


2013年10 月24日 (木曜日)
創作欄 徹と静香の愛と別離 6 )
静香は18歳の時に東京・新橋の印刷工場の経理課長であった52歳の市川孝介に酒を飲まされ、強姦された。
その市川は優しそうに見えたが豹変し、暴力的に振舞ったのだ。
結局、静香は市川から逃れたのであるが、後楽園競輪場で出会って同棲していた徹も突然、豹変し暴力を振るう男になっていた。
「私のこと選んでくれてありがとう」
あの日、鎌倉でのデートで恋心が高揚して、静香は徹に真情を伝えたのであった。
「人を好きになる感情はいいものね」
円覚寺の山門を潜ると静香は自らの腕を徹の腕に回した。
その仕草は如何にも女らしく、徹は静香の愛情の発露に心が満たされていく。
出会いがまさに縁であったのだ。
20歳の徹と21歳の徹は、ともに歩んで行くこことなった。
だが、徹の暴力によって期待は完全に裏切られた。
静香は父親のような男の優しを求めていた。
アパートを飛び出した静香は、大久保から夜道を新宿方面へ向かって歩きはじめていた。
「本当に優しい男がいるのなら、会いたい」
静香は涙を浮かべた。
路地裏で空を仰ぐと滲んだ目に朧月が見えた。
月も泣いているように静香には映じた。
静香は歌舞伎町まで歩いて行く。
そして、映画の看板に誘われるように深夜映画館へ入り込んだ。
映画は「骨まで愛して」であった。
深夜映画館へ女性が一人で入るべきではない。
油断すると痴漢行為をされるのだ。
静香は隣に座る男の手を払い除けて、立ち上がると外へ出た。
「私は、これから何処へ行けばいいの?」
静香は思い余って、新宿駅で真田に電話を入れた。
「こんなに遅い時間に電話をかけて申しわけありません」
「静ちゃんどうしたの? 何かあったのかい」
真田の声は包込むように温かかった。
静香は経緯を告げた。
「そうかい。徹君も困ったものだな。今、何処にいるの?」
「新宿駅にいます」
「ともかく、アパートに戻りなさい。いいね。明日徹君に会って、2度と静ちゃんに暴力を振るわないように諭すからね」
静香はその言葉に背中を押され大久保のアパートへ戻った。
徹は寝ずにテレビを見ていた。
「もう、戻って来てくれないと思ったよ。謝るよ、悪かった。俺はどうかしていた」
徹は頭を下げた。
「二度と暴力は振るわないと、誓える?!」静香は怒りが収まらず、徹を睨み据えた。
「誓うよ」徹は座ったまま、立っている静香を藪にらみにした。
その視線から静香は徹のことを信頼できない男だと思った。
------------------------------
<参考>
映画は「骨まで愛して」
監督

斎藤武市

脚本

川内康範
原作 川内康範
製作

企画 仲川哲朗

出演者

渡哲也
松原智恵子
浅丘ルリ子
城卓矢
宍戸錠


『骨まで愛して』(ほねまであいして)は、1966年(昭和41年)製作・公開、斎藤武市監督による日本の映画である[1][2]。本作に本人役で出演している城卓矢の同名のヒット曲を原作に、同曲の作詞をした川内康範が脚本を執筆、 渡哲也、松原智恵子、浅丘ルリ子らが主演した
2013年10 月23日 (水曜日)
 創作欄 徹と静香の愛と別離 5 )
徹は小学生向けの百科事典の販売が段々苦痛になってきた。
人を騙してまで、百科事典を販売していいのだろうかと疑心暗鬼に駆られたのである。
先輩の社員の一人は言う。
「俺たちは、悪いことをしているわけではないよ。こんなに良い学習百科事典は他にないね。自信を持って売り込むべきだな」
徹は反論の言葉を選びながら反論した。
「でも、学校の方から来たと人を騙しています」
「それは方便だ」先輩はニヤリと笑った。
「方便?」
「そうだ、嘘も方便と言うよね。世の中に神など存在しない。でも、あたかも神が存在するように聖職者は説いているんだ」
先輩の話は飛躍していたので徹は戸惑った。
「学習百科事典には間違いなく価値がある。だが、それを理解している人はあまりいない。だから、我々が啓蒙活動をしているんだよ」
「啓蒙活動ですか?」
「そうだ、啓蒙活動だ。何ら卑屈になったり、罪悪感など感じる必要はないんだよ。社会に児童の教育に我々は役立っているんだよ」
先輩の言っていることは詭弁だと思って、徹は受け入れ難く思った。
アパートに戻った徹は、同居する静香に意見を求めた。
「徹さんはどうしたいの?」
徹は意見を述べない静香に腹を立てた。
「静香の考えを聞きたいんだよ!」
「私には、何とも言いようがないのよ」
徹は苛立ち静香の頬をいきなり平手で打った。
「私に八つ当たりするのね。呆れた」
静香は立ち上がり、洋服ダンスへ向かった。
「おい、出かけるのか?」徹はさらに怒りを爆発させ、静香の腰に背後から蹴りを入れた。
静香はよろけて、洋服ダンスに頭をぶつけて倒れ込んだ。
「私に暴力を振るったのね。徹さんには愛想が尽きた!」
涙を浮かべた大きな瞳に憎悪の感情が浮かんでいた。
醜く歪む静香の顔に一層、徹は怒りを爆発させ、静香の髪を背後からつかみ引き倒した。
「もう、終りね!」立ち上がった静香は挑みかかるように徹の下腹部を蹴りつける。
徹は激痛でうずくまる。
静香は立ち上がると部屋を飛び出して行った。
2013年10 月23日 (水曜日)
創作欄 徹と静香の愛と別離 4 )
徹は入社して半年、2人の先輩社員のアドバイスを受け、月に10冊前後は百科事典を売ることができた。
最高20セット売れたこともある。
運が良かった。
ある日、桜が咲き始めていた時節であったが、東京の目白方面へセールスに行く。
名簿を手に大きな邸宅の門をくぐった。
樹齢数十年と思われる見事な桜の木が生垣沿いに数本あった。
徹は心が臆していたが、玄関のベルを押した。
出てきたのは17、8 歳のお手伝さんとお思われる女性であった。
白いエプロン姿で、濃紺のセーターにグレーの長いスカート姿であった。
「何でしょうか?」東北訛りがあった。
「学校の方から来ました」徹は何時ものセールストークで切り出した。
「学校の方からですか。お待ちください」相手は恐縮したようである。
玄関の扉を大きく開き徹を迎え入れた。
会社の女性社員たちが都内の役所の出張所へ出向き、住民台長を手書きで写してきていた。
会社から手渡される名簿には、訪問する家に何歳の子ども居るか記されていた。
徹たちは単なるセールスに過ぎないが、「学校の方から来た」と言うだけで相手は勘違いをした。
学校と関係する人の訪問だと思い込むのである。
「何時も、学校の方でお世話になっております」と相手にまず丁重に頭を下げる。
「お子さんは本を読みますか?」
「いいえ、ほとんど読まず、漫画ばかり読んでます」
「実は私自身も子どものころはそうでした。そこで、お子さん方に本への興味をもってもらうようにと、ふさわしい教材を学校とともに企画しました。本日、持参したのがこの百科事典です」と鞄から1冊を取り出す。
「ご覧のように、イラストや写真が多いですね。とても読みやすく、お子さんたちの興味を引き付ける内容になってます。この事典は単なる事典ではなく学校の教科書を補完する教材なのです」
このセールストークで相手の心の警戒心を解くのであるが、甘くはない。
「うちの子は、全く本に興味を示しませんから、結構です」
「まず、お母さんにこの百科事典に興味を持っていただきたいのです。本を読む面白さをお子さんに伝えてください」
「私は忙しいのよ、百科事典を読む時間などありません」
「実は来年から文部省の学習指導指導要領が改訂されます。この百科事典は学習指指導要領に沿って学校とともに編纂したものなのです」
これは嘘であり、ハッタリだ。
この日、徹が訪問した目白の大きな邸宅の奥さんは、「分かりました。百科事典を送ってください。それから、娘のお友たちにもご紹介しましょう」とあっさりと購入してくれたのだ。
徹は嘘を並べた罪悪感もあったが、心のなかで小躍りした。
地味な色合いの和服姿の奥さんは、気品があり美しかった。
長い黒髪をアップにしていて、女優の誰かに似ていた。
見た瞬間、徹は気おくれしたが、スラスラと何時ものセールストーク口から出てきたのだ。
育ちの良さを感じさせる人であった。
邸宅の門を後にしながら庭の桜を見上げた。
目白駅へ足早に向かう徹は「あのようなご婦人を騙してはいけない」と思いはじめていた。
2013年10 月21日 (月曜日)
創作欄 徹と静香の愛と別離 3)
徹は7月生まれなので断然、陽光がギラギラ頭上から照りつける夏が大好きだ。
吹き出す汗が体中から流れ出ると「自分は21歳の青春の今を生きているのだ」と実感した。
紆余曲折はあったが、徹は新宿に職場を得て大久保の安アパートで静香と暮らし初めていた。
静香は徹の父親の戦友であった真田の会社で働いていた。
徹は真田に誘われたが静香と同じ会社で働くことを避けたのだ。                   徹の仕事は、小学生向けの百科事典の販売である。
百科事典は10冊セットで1万円であった。
厳密な意味で固定給とは言えないが、5000円の基本給に1セット売れば2000円が給与に換算される。
先輩、社員の中には月に50セットも売る人も居た。
月収10万円余は当時としては価値があり、先輩の一人であった木嶋悟は派手に飲み歩いていた。
木嶋の奥さんは飯田橋の外堀に面していた喫茶店で働いていたので、木嶋は家へほとんど金を入れていないようであった。
徹は木嶋に可愛がられいたので、連れられて歌舞伎町界隈でキャバレーやバーへも行った。
徹は入社して半月、販売成績が思わしくなく、所長の指示で木嶋との同行販売で板橋方面へ行く。
性格が明るく、声が大きく見るからに元気であり、エネルギーが溢れるような木嶋の販売姿勢に徹は目を見張った。
ユーモアもあり、訪問した家庭の主婦たちを笑わせていた。
木嶋は落語好きであり、新宿の寄席にも行っていた。
木嶋は家庭訪問による百科事典のセールスを楽しんでいるような姿勢であったのだ。
また、木嶋とトップ成績を競っていた近野宏治は彫刻家である。
彫刻家では食べられないので、百科事典のセールの身に甘んじていたようであった。
誠実な人柄で何処か学者のような知性を感じさせた。
常に微笑みを立てていて、出会う人たちに好感を持たれる男であった。
近野の奥さんは同じ芸大卒であり、高校の音楽教師をしていた。
徹は近野との同行販売でも学ぶことがあった。
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<参考>
○昭和40年(1965)の物価:白米10kg:1,125円、公務員初任給:21,600円、日雇労賃:972円、週刊誌:50円。
○07/04 誘拐殺人:吉展ちゃん事件(38年3月)の容疑者・小原保逮捕(5日都の円通寺で遺体発見)。
○昭和40年(1965).1.〔暴力団による家出娘の人身売買事件〕
 東京都新宿区を根城としている暴力団員11名は、芸妓置屋が芸妓の不足に困っていることに目をつけ、昭和39年4月ごろから昭和40年1月までの間、新宿、池袋の喫茶店、バー等で知りあった家出少女ら16名に対し、甘言をもって近寄り、肉体関係を結んだうえ、池袋、中野の芸妓置屋に1人5万円から20万円ぐらいで売り飛ばし、さらにその後も同女等から働いた金を絞りとっていた。
2013年10 月19日 (土曜日)
創作欄 徹と静香の愛と別離 2)
優しく思われた上司の市川孝介は豹変した。
「静香、男ができたんじゃないか!」
東京・湯島の安ホテルでの性交のあとにいきなり頭を拳骨で殴られた。
「私、市川課長が初めての男です。誰とも付き合っていますん」
頭の痛みを堪えながら静香は訴えた。
「ふざけんは、このやろう! 俺は節穴じゃねいぞ!」
市川は怒り立ち、今後は静香の髪を鷲掴みにして、両頬を何発も平手で打った。
「今日のお前の反応、これまでになかったんだよ。どこのどいつと、お○こ。やったんだ!」
市川は鬼の形相となり、忌々しげに荒々しく乳房を鷲掴みにする。
「どこのどいつに、この乳を吸わせたんだよ!このやろう」再び頭を拳骨で殴られた。
静香は恐ろしさと屈辱で顔を両手で覆って子どものよう大声を上げて泣いた。
静香の泣き声の大きさに市川は狼狽した。
「静香、もう泣くな。分かったよ」
市川は冷笑を浮かべた。
そしてタバコ臭い口が眼前に迫り、市川は唇で静香の鳴き声を封じた。
静香は再びの性交行為の中で、市川と分かれることを決意した。
翌日には新橋の印刷工場を辞めた。
そして、東京・北区王子のアパートの大家さの奥さんの紹介で、後楽園競輪場の食堂で働くことになった。
静香は徹とその食堂で出会ったのだが、皮肉にも映画を観に行く約束をした日に、アパートに戻ると大家さんの奥さんから電報を手渡された。
「ハハシス スグニカエレ ハルコ」
電文は実家の姉からのものであった。
短い電文を繰り返し読み、静香は大声で泣いた。
「あの優しかった母が、亡くなった? どうしてなの?」
深い悲しみに沈みながら静香は、上野発の急行列車に乗り故郷へ向かった。
2013年10 月17日 (木曜日)
創作欄 徹と静香の愛と別離 1)
静香が9歳の時に、両親が離婚した。
母と6人の子どもたちはたちまち困窮を余儀なくされた。
静香は毎日、学校給食に救いを感じた。
自宅のご飯は、白米に醤油か味噌である。
父親は地方公務員であったが、職場の不祥事で退職した。
地元の建設業者にわずかなお金をもらったり、接待攻勢に乗ってしまったのだ。
しかも、飲み屋の女と深い関係になっていた。
結局、地元の国立大学を出たのに人生を挫折してしまった。
静香は中学を卒業すると、東京・新橋の印刷工場に就職した。
そろばんができたので事務所の経理に配属された。
静香は18歳の時に印刷工場の経理課長に酒を飲まされ、強姦された。
カクテルを飲んだのは初めてであり、その口当たりの好さを堪能した。
だが、最後に飲んだのが足腰が立たないような強いカクテルであった。
静香の上司の経理課長市川孝介は前科6犯、詐欺や窃盗を繰り返していたが、東京・新橋の印刷工場に採用された。
刑務所で印刷工としての技術を身に付けていた。
ハンサムでメガネをかけている市川は知的な男に見えて、如才がなく紳士的に振る舞っていた。
静香は父親の愛を求めていたのだろうか、52歳の市川に心が惹かれた。
「静ちゃん、若さは宝だ。大切しなよ」市川は優しく接してくれた。
「静ちゃん、栄養つけているかい? たまには美味しいもの食べるか?」
市川は何度もご馳走してくれた。
ご馳走されて静香は多少の負い目を感じていた。
だから、市川に誘われるままに、あまり飲めない酒の席にも同伴した。

創作欄 真田と千代 4)

2016年07月26日 08時01分02秒 | 創作欄
2013年12 月 6日 (金曜日)

千代は母が亡くなった時、遺品を整理した。
その中に桐の箱に入った金杯を見つけた。
「戦没者叙勲記念」と書かれていた。
千代の父親はアジアの南方で戦死していて、それが唯一の生きた証であった。
母と父の結婚生活はわずか2年であった。
その金杯を貴金属店で鑑定したみたら、ほとんど価値のないものであった。
母が誇りにしていた「お国にから頂い金杯」はそのようなものであったのだ。
終戦後まだ若かった母は再婚できたが、独身を貫き一人娘の千代を育てた。
真田は千代からそのようなことを聞かされ、切ない気持ちになった。
「お国のために・・・」 満蒙開拓団満蒙開拓移民は、満州事変以降太平洋戦争までの期間に日本政府の国策によって推進された。
中国大陸の旧満州、内蒙古、華北に入植した日本人移民の総称である。
日本政府は、1938年から1942年の間には20万人の農業青年を、1936年には2万人の家族移住者を、それぞれ送り込んでいる。
満蒙開拓青少年義勇軍は15歳~19歳の若者で編成された。
千代の母親の弟も15歳で満州に渡って命を落としている。
母親の長兄は教師の立場から教え子たちを送り込む立場にいた。
生き残って日本へ戻ってきた教え子は誰も居なかった。
長兄は罪悪感にとらわれ、戦後は教師を辞め農業に身を転じた。
真田と母親の長兄が偶然、同じ師範学校出身学校であった。
真田も戦後、教師に戻ることはなく闇市で無頼の徒に身を落とした。
教え子たちに言っていた「お国のために」が不遜であったのだ。
戦場では「天皇陛下万歳」と叫んで、「万歳突撃」で戦友のほとんどが無為な死を遂げた。 「戦争は、無謀だったのね」千代は真田から「万歳突撃」の実態を聞かされた。
「戦後、何度も戦場が夢に出てきて、うなされた。それを紛らわすため酒を無茶飲みし、賭博にものめり込んだ。ヒロポンもやった」
「ヒロポン?」
「ヒロポンは覚せい剤なんだ。一時的に疲労や倦怠感を除き、活力が増大に錯覚させられた。それで中毒になった奴もいた」
もはや戦後とは言えないが、戦争の傷が完全に癒えたわけではなかった。
1970年安保に多くの国民は距離を置いたが、全国の主要な国公立大学や私立大学ではバリケード封鎖が行われ、「70年安保粉砕」をスローガンとして大規模なデモンストレーションが全国で継続的に展開された。
1970年安保は1960年安保に比べると反対運動はあまり盛り上がらず、世論も、安保延長は妥当という見方が強まっていたため、大規模な闘争にはならず収束した。
還暦を迎え真田の戦後も終わったのである。
「60歳になったのね。お祝いをしなけば」と千代は言った。
「そんなものよしてくれ」と真田は苦笑した。
60歳まで生きてこられたことが奇跡のようにも思われた。
千代はバーの経営を続けていた。
「私には水商売が合っているの」
「そうかい。好きなようにしればいい」真田は千代を束縛するつもりはない。
女子大生であった竹内雅美は都市銀行に就職した。
時どき同僚たちと飲みに来て、店でカラオケを歌っているそうだ。
真田は千代と一緒に暮らし初めてから、店へ顔を出していない。

http://www.youtube.com/watch?v=m0u0yzJ5y-g  

http://www.youtube.com/watch?v=8OjDIq5uyi8

2013年12 月 3日 (火曜日)
創作欄 真田と千代 3)
「恋や愛に理屈はない―と誰かが言っていたけど、私が真田さんに、男として惹かれたのは理屈じゃないの」千代が言う。
「一緒に暮らそうか?」真田はホテルのベッドから身を起こしながら手枕をしている千代を見詰めた。
千代は左手を出して、「起こして」というので、真田はその手を握り引き寄せた。
「そうね。考えておくわ」 千代は女子大生の竹内雅美と自由が丘の一軒屋に暮らしていたので即答を避けた。
真田は原宿の分譲マンションで暮らしていた。
これまでずっと一人で暮らしてきた真田であったが、家で待ってくれる人がいることを欲する気持ちになっていた。
「俺も家庭の温もりや安堵を求めていたのか?」自分の気持ちの変化にむしろ驚いた。
真田は何時も誰かを好きになっていたい、という質の男であったが、好きになった女と暮らそうとは思っていなかった。
「会いたければ会いにいけばいい」と割り切っていた。
また、去って行く女を追いかける気持ちもなかった。
もし、戦争がなかったら、妻子と平凡に暮らしていただろう。
真田は何時の間にか、東京大空襲で失った妻子の夢を見なくなっていた。 そ
れなのに、父母や兄弟たちの夢は見ていた。
夢の中の自分は旧制の中学生の姿のままである。
夢の中には初恋の人も出て来た。 相手はお寺の女の子で内気であった。
当時の女の子は着物姿であり、いかにも立ち居振る舞いがおっとりとしてた。
可憐で繊細であり大和撫子というイメージである。
初恋の子の姫木園子は出会うとうつむいて顔を赤らめていた。
真田が長い髪の女に好意を寄せるのは、初恋の女の子の思い出が原型になっていたと思われる。
里山の一本の田舎道にたたずみ、真田を帰りを待っていた少女の姿が夢に何度も出てきた。 「最近、真田さんの夢を見る」と千代は言っていたが、真田の夢は不思議と日本の戦前の原風景のなかで展開された。
2013年11 月30日 (土曜日)
創作欄 真田と公子 2)
看護婦の小西公子は、真田が考えているような女ではなかった。
上昇志向が強く、しかも優しさから不幸な人、悲惨な状態に置かれている人々に対して憐憫の情を注いだ。
公子はある日、ベトコンの若い女性兵士が囚われ、南ベトナムの兵士たちに川の中で責め苦にあっている写真を週刊誌で見て、大きな衝撃を受けた。
女性兵士は公子と同世代と思われた。
その1枚の写真が、女性兵士が置かれている立場を如実に物語っていた。
女性兵士は長い髪の毛を鷲づかみにされ、川の中にしばらく頭を埋められ窒息する瞬間に、頭を川面に引き戻された写真である。
片手を捻じ挙げられている。
別の兵士が憎しみの表情を浮かべ横から女性兵士のお尻を軍靴で蹴っていた。
女性兵士は泣き顔になっていた。
その写真を見てから数日後、先輩の看護婦に誘われて公子はベ平連に関わった。
真田は心の優しい公子と過ごすと気持ちが穏やかになった。
何時も傍にいてほしいと思ったが、公子には夜勤があった。
「公子、よく働くね。カラダは大丈夫かい?」
その日、公子は夜勤明けであったが、真田に会いに来てくれたが、だいぶ疲れているように見えた。
「今月は夜勤が10回なの」 と深いため息をついた。
「10回?! 3日に1回だね。それは酷いな」 真田は目を丸く見開いた。
公子は喫茶店の2階の窓から道ゆく人に視線を注いでいた。
「日本は、平和でいいわね」
「そうだね」真田はタバコを吸う。
「私にも、1本ください」
「公子はタバコのむのかい?」真田は怪訝な表情を浮かべた。
「看護婦はタバコのむ人多いの」
ピースを1本箱から出して真田は公子の口に近づけた。
そしてライラーで火を付けた。
「タバコは、どうすえばいいのですか?」
公子は指にタバコを挟みながら、火が着いた部分を確認するように見詰めた。
「たばこは、呼吸をするようにすえばいいんだ」
公子はタバコを口に含むようにして、煙を少し吸い込んだ。
真田はそんな公子を愛おしいと見詰めた。
まるで、子どもがイタズラをした時のような表情を浮かべ肩をすくめた。
「これが、タバコの味なのね。いいものね。先輩たちがタバコをのんでいるの、分かる気がする」
公子の笑顔は疲れを徐々に癒していくようにも映じた。
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<参考>1
ベトナム反戦運動ベトナムに平和を!市民連合
略称「ベ平連(ベへいれん)」)は、日本における代表的なベトナム戦争反戦平和運動団体。ベトナム戦争(1960~75年にわたる第2次インドシナ戦争)に対する反戦運動。
それまでの反戦運動に比し、ベトナム反戦運動は、質的にも量的にも、はるかに際だったものであった。
とくに戦争当事国アメリカの中で、自国の戦争政策に反対して行われた運動は、軍隊内部での抵抗をも含めて、
第1次世界大戦末期の帝政ロシアでのそれを除いては前例のない規模であった。
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<参考> 2
二・八闘争】(ニッパチトウソウ) 1965年、人事院は夜勤制限の必要性を認め「夜勤は月平均8日以内」「1人夜勤の禁止」などの「判定」を出した。 この判定をテコに1968年、新潟県立病院における看護婦の実力行使を背景とした「夜勤協定」獲得のたたかいが始まり、それを皮切りに「2人以上・月8日以内」夜勤制限を要求する実力闘争が全国的に広まった。 「2人以上・月8日以内」の数字をとって「二・八(ニッパチ)闘争」といいます。
2013年11 月29日 (金曜日)
創作欄 真田と公子 1)
真田は何者かに背後から拳銃で撃たれ新宿の医科大学病院に救急車で搬送されていた。
幸い弾丸は22口径のものであり、しかも撃たれ場所が腰であった。
相手は真田を殺すつもりではなく、意図をもって警告を発したのだとも思われた。
色々とこじれている問題もあった。
真田は警察の事情聴取を受けたが、加害者には実際のところ心当たりがなかった。
真田は仕事の内容を根掘り葉掘り聞かれたが、コンサルタント業で通した。
いわゆる仲介業であり何でも屋でもあったのだ。
当然、警察は胡散臭い男だと目を付けただろう。
そんな真田に看護婦の小西公子は温かい心遣いで接してくれた。
真田は聞かずには居られなかった。
「あんたの、その優しさはどこから、くるんだろうか?」
「わたしは、自分が選んだ看護の仕事を忠実にしているだけです」
小西の微笑みは人の心を癒すものであった。
小西のネームプレートを見詰めながら「小西さん、あんたは独身かい?」と真田は聞いてみた。
「独身ですよ」と言いながら、小西は交通事故で入院している若い男の病床へ向かった。
「独身かい。結婚したら、いい奥さんになるよ」真田は小西の背後に言葉を投げた。
公子は父が戦死し、小学校4年生のころから、日雇いの仕事をしていた母に代わって家事などを担っていた。
弟や妹の面倒もよく見ていた。
公子は進路について相談したところ、中学校の担任の教師から「君は看護婦の仕事に向いているかもしれないね」と言われた。
そこで、家計を支えながら勉強できる看護の道を選んだ。
当時、競争率が高かった千葉県内の准看護学校へ進んだ。
人間関係は不思議なもので、公子は真田に好意を寄せたのである。
真田は50歳になっていたが、男の魅力を感じさせる男であった。
真田に父性を公子は感じたのである。
この感情は純子にも共通する情愛でもあった。

福島県の震災関連死は3月現在で2038人

2016年07月26日 06時41分38秒 | 社会・文化・政治・経済
★志の高い作家は生涯に必ず書いておきたいというテーマや題材、人物を、内奥に抱え込み、発酵させ、熟成する時を待っている。
文芸評論家・菊池仁さん
★アメリカの刑務所では、犯罪を犯した人たちが介助犬など人を助ける犬を訓練するプログラムがさかんにおこなわれている。
介助犬の訓練は受刑者たちに社会に貢献する機会を与えている。
自己肯定感に乏しく、アルコールやドラックを乱用して自身を粗末に扱う人たちや、人を信頼できず、傷つくことがこわくて心を閉ざす人たち。
性的虐待やDVDの被害者も非常に多い(ワシントン州の最重警備女子刑務所)。
そんな女性たちの心を開くうえで、動物たちの力はとても大きいと感じる。
人間には心を閉ざしていても、与えられた愛情をけして裏切らず、ありのままの自分を見てくれる犬や猫に対してなら開ける人も少なからずいるからだ。
出所後の就職率はほぼ100%。
トリマーや犬舎管理者などとしてペット美容室や動物病院などに就労できるため、ワシントン全体の女性受刑者の再犯率20・8%に対して、5%。
自立できるだけの収入を得られる仕事に就くことが再犯率の低さにつながっていることがうかがわれる。フォト・ジャーナリスト・大塚敦子さん
★東日本大震災から5年。
福島県の震災関連死は3月現在で2038人。
宮城県は920人、と岩手県は459人。
10都県で3472人。
震災関連死が注目されろようになったのが、1995年の阪神大震災以降。
16年前の阪神大震災の教訓はほとんど生かされなかった。