昨日も今日も目眩がするくらい働いた。
日本国民の義務といえば、「納税と勤労」だと中学の時だったっけか習った覚えがある。
税金もたらふく払ってるし(高額納税者ではない普通のサラリーマンだが)しかたがなくとはいえ勤労にいそしんでる。
と書いて「蘇る金狼」ばかりが頭の中をグルグル回ってしまってる。
そういえば勤労は義務と言っても労働する権利でもあるとも言われてたなぁ。
と、思うにあたって、一昨日見た映画。
5本ほど見た中で一番見たかったのは「マネー・ショート」
リーマンショックの時に、サブプライムローンの崩壊を予測して大儲けした4人の話。
まぁ、おおまかに実話で、端的に言ってしまえば、経済が崩壊する方に賭けた訳だけど、それにたどり着くまでのアプローチ。
それにしても当時の金融工学だとか言ってサブプライムローンを証券化して一時期の不動産神話を煽ってた投資銀行とかの人が出てくるわけだけど、勤労ってなんだろう、と思わずにはいられないような人ばかり。
以前、ドキュメンタリーの方、「インサイド・ジョブ」を見てたから悪役は誰なのか、という刷り込みはできてたからだが、経済が崩壊するという不幸に賭けて一儲けするという背徳感を全員持ってしまう感じはなんとなく解る気がする。
とはいえ、リーマンショックで起こった事に比べて、その責任の存在の無さと責任の所在の曖昧さは、バブルが弾けて無為の二十年を牽引してきた日本政府と日本経済界と同じヤン・・・いや、アメリカは実体はどうか判らないけど一応立ち直ってるから、マシなのか。
ともかくも、バブルはいつか弾けるのだし、過去のことだから当然自分達は結末を知ってる。
このドラマをどう見るのかは人それぞれで、もうけて羨ましいと思う人も、それもアリだと思う、数百億ドルだしね。
成功物語だと言えなくもないし、崩壊する予兆を見つけて予見するという推理とか判断とかのミステリー物語でもある。
でも見てて思ったのは、主人公も含めての人間の欲望のありかたで、成功するとか失敗するとか、本当はあまりたいして変わらないのじゃないか、と。
人は、ともかく進んでいく、目の前の大多数の儲け(この場合はサブプライムローン。格付けは高かった)に引きずられていくように流されていく。
少し調べれば、ローンは焦げ付いてくるし、不動産は売れなくなってくるから、デフォルトになるのは見えてるはずだけど、とにかく今が調子が良いからと無策で進んでいく。
それがいつかは崖から落ちていくレミングのような死の行進だったとしても、大勢の人は落ちる間際まで無為無策だ。
漠然とした「たぶん大丈夫だろ、格付けもAAAだし」と夢想に近い願望を持つわけで、そこには格付けとかの流れと自己を同一視してより勢いを増す要因になる。
金融関係とかに限ったことじゃなく、それは社会通念レベルで起こってることかもしれない。
その流れが自分にとって意味のある事なのか、それとも、自分の意に反することではないのか、はたまた、自分の流れたい方向なのかが問題であって、流れの中で自分がどうあるかが重要だと思う。
要は「どう成功するか」と「どう失敗するか」はほぼ等価であり、単純に「成功した」と「失敗した」は同じく無意味だと思う。
所詮は酒場でくだを巻くオヤジ達の「若い頃は俺も苦労した」レベルの与太話で、若い事を羨むようなダメな大人の戯れ言と同じ、意味はない。
落ちるもの、止まるもの、浮かぶもの、凹むもの、それぞれは流れにどう逆らうのかで決まるし、流れる事に疑問も抱かなければそれはそういう人生なのだろう。
結局はうんもすんもなく属性のなかで流れて行くわけで、流れが緩やかだと逆らっても個人だと「変なヤツ」くらいで済むけど、濁流ともなれば流れに抗うのも困難になる。
最近の日本社会の流れは決して良い方向とは言い難い。
そろそろ本当に流れからの脱出方向で考えてしまう。
愚痴だが、政府与党支持が4割超えてるなんて信じられない。これは濁流になりそうだ。
なんか意味の通らない駄文だけど、推敲も面倒だし、明日も明後日も勤労だから寝ないと。
ちなみにレミングの死の行進はディズニーが作ったデマですから。