Unspeak(その一)

2006年12月14日 | 政治学
Unspeak: How Words Become Weapons, How Weapons Become a Message, and How That Massage Becomes Reality
↑これは最近読んだとても興味深い本です。

http://www.amazon.com/Unspeak-Weapons-Message-Becomes-Reality/dp/0802118259/sr=8-1/qid=1165977072/ref=pd_bbs_sr_1/102-8775841-7263366?ie=UTF8&s=books

内容はサブタイトルからなんとなく察していただけるかと思いますが・・・わたくし的には政治学と言語学をあわせたような感じ!まさしく自分が大学で勉強してきたこと!キャー!!!!(何)実際この本を読んでほんとに大学時代が蘇りました。あぁ、ウットリ。(何)どのチャプターも懐かしの政治学がらみでとても読みがいがあったのですが、今回は「Tragedy」の章の中にあった「Ethnic cleansing」について書かせていただきます。

私がEthnic Cleansingという英単語を初めて覚えたのは(確実に)留学してからで、コミカレでIntro International Relationsという、政治学のクラスを取ったときだと思います。それ以降、大学を卒業するまで毎学期「国際政治」のクラスを履修していたこともあり(自分の専攻だし)、このEthnic Cleansingはテキストで常に目にした言葉でありまして、さらには二学期続けてEthnic Cleansingに関るペーパーを書いたことで、(心地よい意味でないにしろ)個人的に思い入れの深い言葉となりました。

ペーパートピックのひとつは「国内紛争からの建て直し」についてで、リストで上げられた紛争たちの中から私はKosovo紛争を選んだのですが、KosovoとくればGenocideやEthnic Cleansing・・・・ですよね。そして次学期に履修した「国際機関」のクラスででは、Human Rightsをトピックに選び取り組んでいたところ、気がついたら再びKosovoについて書くことになってしまい・・・ココではKosovoだけでなくRwandaも絡んできましたが、2個目のペーパーは何気にKosovo紛争の復習にもなりました。そんなこんなで、大学で学んだことを通し、Ethnic Cleansingは民族同士の争いから起きる大量殺人に関る言葉で、知らない世界では人間同士の恐ろしい争いが起こっていたことなどをしっかり知らされましたが、実は自分はGenocideやEthnic Cleansingという単語たちをしっかり考えて使っていなかったかもしれない・・・と、この本:Unspeakを読み少しばかりうなってしまった私であります。


「Ethnic Cleansing」という単語を生まれて初めて見たとき、エスニック・クリ~・・・・ンジング?!なぬ?化粧品にある「クレンジング」みたいなものなのか?普通に「クリンジング」と読むのか?一体どう読むんだ?と、なんだかとてもすっきりしない気分になったもので、その気分はそのときだけでなくこれまで長い間ずっと続いておりました。おまけに、Ethnic Cleansingが特定の民族やグループを排除殺害するこというのはわかっていても、「きれいにする」と言う意味としてわかりやすい「Cleaning」ではなく、なぜに「Cleansing」なんだろう?だいたいパッと見読みにくくないかい?この単語・・・。なんて、英語が外国語の私は常々思っていたのですが、実はこの「Ethnic Cleansing」は元から英語としてあったわけではなく、クロアチアの言語で使われていた「etnicko ciscenje:cleaning」が1991年に「Ethnic Cleansing」と英訳されたことが始まりなんだそうです。

しかし、これは決して誤訳でもなんでもなく、CleaningではなくCleansingを使うことには理由があるとかで、Cleansingには物質的にキレイにする、清潔にする、という意味だけでなく、Spiritual(精神)的清浄の意味も含まれるそうで、つまりEthnic Cleansingは、特定の民族やグループを不潔な害生物として扱い、神の前にも置けないほど醜いものとして完全にこの世から除去するべきだ、という目的をも指すわけなのです。

ちなみにさらに著者によりますと、1548年のPrayer-Book(聖書みたいなもん?)に「Cleanse the thoughts of our hearts」と神に祈る言葉が書かれてあるそうで、こういった「Cleansing」は現代のコスメ業界広告でも精神清浄の意味で使われているのだと。(クレンジングの広告として→ Washing one’s face is next to the godliness)宗教心のない人たちだけでなく宗教にどっぷり嵌った人たちでも、たとえば海外ブランドのクレンジングを使いながら、「これで神に近づける」とかは考えてないですよねぇ、ま・さ・か・・・。

↑なんとなく話逸れました?!

ということで、Ethnic CleansingはGenocideと比べるとはるかに新しい言葉で、先に書いたとおり1991年に英訳されてから英語として使われるようになったわけですが、ユーゴスラビア民族紛争の頃のUNでは、So called ‘Ethnic Cleansing’というように、当時はまだ正式な言葉として使われていなかったようです。(確かにこれは新しい政治用語だと習った気がする。So called・・・私もペーパーにそう書いた気がする。So called・・・・確かに資料にもそうあったぞ。)←しつこい

次回に続く。





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2 コメント

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初めまして。お尋ねしてもいいですか? (キナコ)
2006-12-15 12:48:56
初めてブログへお邪魔させてもらっています。
私はアメリカ・ノースダコタ州に住んでいる20代後半主婦です。主人はPhD学生で、研究してお給料をいただいています。二人でかつかつ生活できる程度のお給料です。まだまだ贅沢はできません。ここで生活し始めてまだ3ヶ月です。

お尋ねなんですが、アメリカで購入できる化粧品についてお答えください。とりあえずのものは日本からもってきたのですが、ずっとここで生活することを考えると、自分に合うものを購入しなければならないと思っています。ヤフージャパンで「アメリカ 化粧品」で検索してみたところ、ここのブログにぶつかりました。いくつか化粧品に関する記事を読ませていただきました。ニュートロジーナなどの、私の大好きなwal-martで手に入る(だって安いんだもん)ものに大変関心があります。主人がまだ学生という身分ですから、日本から送ってもらったりランコムやクリニークに手を出すわけにもいきません。お試しになったもので、良いものがあればご返答ください。ちなみに、wal-martのequateのアプリコットスクラブには毎晩お世話になっています。以前、留学していたときのルームメイトが薦めてくれたものです。
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★レス★ (30代管理人)
2006-12-16 09:36:53
キナコさん、はじめまして~☆
私が使ってみてよかった商品は多分ブログで見てもらったとおりだと思うので、改めてお薦めするようなものはない気がします。それに肌に付けるものは人それぞれ相性があると思うので、Web情報を参考に地道にキナコさんに合うものを見つけてください。愛想悪くてスンマセン。(汗)equateはかなり低価格ですよね。アプリコットスクラブ私も今度試してみようかな?!ちなみにランコムやクリニークは日本から送ってもらうよりアメリカで買うほうが安くつきますよ~。(定価で比べると)
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