国際関係学を捨てるまで(番外編)

2007年08月30日 | 留学色々
最初に留学したとき、そして編入したとき、そして更に他の大学に移ってからもそうですが、私はいつも「On Timeで卒業すること」にこだわっていました。たとえばもし資金が足りなくなっても、途中で休学して、一時帰国して、資金を貯めなおして、学業を再開することはできるんですが、それが自分のオプションではなかった理由。それはまず、自分はカレッジというところをよくわかっていなかったから。

そもそもコミカレ留学で渡米した私でありますが、その頃はまだ「休学」の概念がありませんでした。まず当初、Freshman, Sophomoreなどの呼び方について、大学1年生、2年生という意味だと思っていて、確かにそういう意味になることもあるんですが、それは在学何年目ということよりも、取得した単位数によりますよね。なのでたとえ在学2年目であっても、特定のカレッジ単位を取得していなければ、Sophomoreではないんです。で、私は日本で高卒で、大学の仕組みもそれまでの学校教育と同じようなものだと思っていて、たとえば高校は3年教育で、一般的に3年で卒業するものであるように、二年制大学(コミカレ)の場合、2年キッカリ通い、その2年で卒業するもの、しなければいけないものだと思っていたのです。

いざ留学して、留学生アドバイザーと一緒に初めてクラス登録をしたときのことですが、プレイスメントテストの結果、私は二つのカレッジコース以外のクラス(ESLと数学の無単位コース)を履修しなければならなかったこともあり、AAS Degree単位数を終了するには2年以上かかる可能性があるとわかり、「2年で卒業できないなんてそんなばかな!」と焦った記憶があります。とにもかくも、準学士を2年で取得できないことは、とても恥ずかしいことだとすら思っていたので、どうにかこうにか2年で卒業できないものかと考えもしましたし、そんな私だったからこそ、当時は「休学」なんてありえないことだったのです。しかも、そこで知り合った日本人留学生の中には、1年半で準学士を取った、取ろうとしていた人たちがいて、それは各セメスターに多くクラスを履修し、サマーを履修することによって誰にも可能なことはあるんですが、そういった個人のスケジュール調整次第だとはつゆ知らず、彼女たちが優秀が故、まるで学年をスキップするかのように映ったのです。このように、1年半で準学士を取得する人たちを見たことで、自分が卒業に2年以上かかるのはとんでもないことだと更に思い込んだこともあったのですが、一人の留学生がその内訳(履修の仕方)を教えてくれたことにより、自分の誤解はすぐに解けました・・・・。

コミカレには1年半で四年制大学に編入しようとしていた子もいれば、3年も在学しているアメリカ人がいたりして、一部の留学生はそういうアメリカ人を相当バカにしていました。で、確かに留学生のように英語のハンデがない彼らがなぜに3年もコミカレにいるのか?という疑問も沸きましたが、たとえばサマーは取らず、各セメスター12単位ずつ(最低フルタイム単位数)といったスケジュールを組めば、優秀であろうが、そうでなかろうが、必要な単位数に届くわけがないため、まず2年で卒業はできません。しかもストレートAを目指しているのであれば、Aが無理そうな場合は成績が付く前にドロップし、後に履修しなおすことがあると考えると、よほど優秀でない限り卒業により時間がかかるんですよね。こういった個人の事情や、スケジュールの組み方で人それぞれ違いが出るわけで、しかも高校などのように皆が同じクラスを同じように学ぶのと違い(つまり同じ条件下)、大学では皆が皆履修する科目も担当教授も同じはずがなく、よって卒業するスピードやGPAなどで人と比べられるものではないはずです。(それでも単純に比べる人は多いと思う)というわけで、卒業が早ければ早いほど人より勝っているというわけではありませんし、逆に成績がストレートAだから誰よりも優秀だとは一概に言えないわけです。(←余裕のスケジュールを組み、ドロップなどをして成績の調整をしていることもあるだろうから)

ストレートA話ついでに少し書きますが・・・学生時代、人様のHPやブログを通してなんとなく知ったのですが、学校によって評価のかたちはアルファベットのA、B、C・・・のみ、なんですよね?でも私の通った全てのカレッジでは、アルファベットだけでなく、更に“プラス・マイナス”が加わった成績もありまして、こういった細かな成績の出され方でGPA4.0を達成するのは、より難しいことだと思いました。(ちなみにAには“マイナス”はあっても“プラス”はありません)たとえば、プラス・マイナス評価のない学校で滑り込みAが取れた場合、そのポイントは4.0ですが、マイナス評価のある学校での場合は「Aマイナス」という評価になり、同じAランクでも当然ポイントは4.0ではありません。(正確なポイントは今わかりませ~ん)なので、ストレートA(GPA4.0)を目指したい人は、プラス・マイナス評価のない学校に行ったほうが多少有利かもしれないです。いや、絶対有利です。たとえ滑り込みAでもポイントは4.0なんですから。Bランク以下の成績もありな場合、これに限ったことではありませんけどね。(BよりはBプラスのほうが当然ポイントが高いので)


話は休学がオプションでなかった理由に戻ります。(ゴチャゴチャしててスンマセン)
カレッジ生活を続けるうちに、アメリカ人の中には休学して資金稼ぎをし、また学校に戻るという学生が多くいるとわかり、留学生の自分でもそれは充分ありだと思いはしたのですが・・・・

なんせ自分は30代。ただでさえ「今更留学」だというのに、休学して卒業が延びた場合、卒業時には一体幾つになっているんだ?大丈夫か、自分?という不安が当然ついてまわります。そして日本では就職に年齢制限がつきもの。日本の場合、30代は就職年齢の分かれ道真っ只中ともいえますから(32歳以下、34歳以下、36歳以下、とかの条件はよく見ますよね?)休学して卒業を延ばすことは、自分にとってかなり危険なことにすら感じたのです。もちろんアメリカで就職ができたら・・・という希望は常に持ってはいましたが、それでもほぼ帰国になるだろうという予想はしていたので、日本での“年齢制限”は強く意識せざる得ない点だったのです。

そして就職難に関る、自分が休学できなかったもう一つの理由。自分の場合、もし休学して一時帰国して、なんとか仕事が見つかったとしたら、果たしてその仕事を捨ててアメリカに戻ることができるかどうか?という不安もありました。その仕事はその年齢だからこそ得られるものかもしれず、極端な話奇跡的なことかもしれませんし、その仕事を捨てアメリカに戻り卒業したとして、更に年齢を重ねた後、果たして日本で再就職できるのか?と、先に書いたとおり不安にならざるを得なかったわけですが、かと言って、せっかくやりかけた大学教育を中途半端で終わらせたくもありません。そう考えたとき、卒業を諦めてしまうような状況に自分を置きたくない。という気持ちもあり、休学せずに一気に卒業したかったのです。

そしてもうひとつ。(まだ続くか~!)私の留学先と日本の実家は距離がありすぎるんです・・・。これの往復は本当に本当にしんどいんです・・・。まず留学先として人気のある、西海岸か東海岸かではアメリカと日本の距離は全然違いますよね。どちらの海岸にいるかだけでなく、日本から直行で来られるかどうかにもかかってきます。なので日本から直行でNYCなどに行ける場合、たとえ日本から遠い東海岸でも旅路はラクだと思います。が、私の場合、日本の地方空港から出発し、アメリカ国内で1,2度乗り継ぎをして、ようやく留学先地に到着するかたちになり、それがとてもとてもしんどいのです。(年寄り)空路がしんどいだけでなく、帰国する場合で考えると、日本の空港に着いたあと、実家までの道のりがこれまた長いんです。(電車、バスなどの乗り換えを幾つかして、家に着くまで3時間はかかると思う)こんな大掛かりな帰国はそう何度もしたくありません。なので一時帰国は嬉しいようでありながらとてもとても憂鬱で、だからこそ、今回も日本に帰国せずグリーンカードの申請をしているわけで、とにもかくもあんな恐ろしい旅路はできたら避けたいのです・・・。だから休学も自然と避けたくなったわけですね・・・。(アホな理由ですが)





最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
分かりますー、その気持ち。 (kbt)
2007-08-30 01:53:52
こんにちは、管理人さん。

何文か、とても気持ちが分かる文章がありましたので、またコメントしてしまいます。

>自分の場合、もし休学して一時帰国して、なんとか仕事が見つかったとしたら、
>果たしてその仕事を捨ててアメリカに戻ることができるかどうか?
>という不安もありました。

そうなんですよ。実際そういう気持ちになります。私は2回出稼ぎ帰国をしていまして(荷物はアメリカに残したまま)一旦日本に帰り落ち着いた生活(会社で働き、アパート暮らし or 実家に居候)をしてしまいますと、何でこの快適な暮らしを捨ててまでまたアメリカに戻らなくてはいけないのだろう?と思ってしまうんですよ。でも始めたことだから終わらそう(卒業まで)とは思っていたものの、日本での暮らしは本当に私には快適なんです。これをわざわざ捨ててまで…、何でまたアメリカに行かなくてはならないのだろう、と何回かは真剣に考えました。

>かと言って、せっかくやりかけた大学教育を中途半端で終わらせたくもありません。
>そう考えたとき、卒業を諦めてしまうような状況に自分を置きたくないという気持ちもあり、
>休学せずに一気に卒業したかったのです。

お金が続くのであれば、それが一番いい方法だと思います。私のように二度も長期帰国(10ヶ月と7ヶ月)をするのは賢い選択ではないと思います。

>その仕事を捨てアメリカに戻り卒業したとして、更に年齢を重ねた後、
>果たして日本で再就職できるのか?と、先に書いたとおり不安にならざるを得なかったわけです。

管理人さんのおっしゃるとおり、私たちは日本に戻っても最初から社員で雇われる可能性はとても低いと思います。母が何かのテレビで見たそうなのですが、留学して大学卒業後、かなりの年齢がいっている女性が、日本では前と何も変わらない派遣で働くしか道がなかったという番組。母はそれを見て、あーkbtだ、と自分の娘を思い出したそうです。

私も二度の帰国中、二度とも派遣で働いたのですが、二つ目の会社ではかなり評価してくださったため、派遣でありながら仕事のポジションが上がることになりました。はじめは単なる簡単な翻訳と事務一般だったのですが、最後にはもう一般事務はしなくていいので専門の方に専念してください、と社長じきじきにミーティングでお言葉をいただきました。私は戻ることを決めていましたし、その戻る1月半ほど前のことでしたので、とても申し訳ない気持ちになってしまったものです。

ですので派遣で入ったとしてもその後昇進していく可能性が全くないわけではありませんが、やはり最初から社員でのポジションを探すとなりますと、日本はやはり年齢制限があります。母が見たTV番組の中の方のようになる可能性が高いでしょうね。

実際日本でも留学先に戻りたいけれど、お金がなかなか貯まらないという人もいました。私の場合、首都圏なので最悪の場合実家に居候させてもらう(数万のお金を両親に払うだけで)ということもできましたが、一人暮らしをしてお金を貯めるとなると、これはなかなか大変です。それでも私は10ヶ月で160万円貯めましたが、とにかく全てにおいてかなりケチケチした生活でした。たまに悲しくなるくらいでした。何せ友人の誘いは全部断っていたのですから。しかしこれくらいしませんと、一人暮らしの場合はお金が貯まりません。誘惑が多い中でのこのひもじい生活はよほど強い意志がないと続きません。ですので戻りたいけれど、戻れないという人も多いのではないだろうかと思います。

これらのことを考えると、やはり休学せずに一気に卒業したいという管理人さんの考えは、もっともですね。管理人さんの場合は卒業までどうにかなったのですから、本当によかったと思います。結果としていつも思うのは、強い意志だけがそれを成し遂げるということですね。管理人さんの場合もまさにそうだと思います。
返信する
単位ってわかりませんでした。 (tom)
2007-08-30 03:07:51
わたしも最近まで、単位と卒業の関係がわからなかったので、このエントリーもまるで自分のことを書かれているようです。

さて、ついに、わたしのブログにリンクを貼らせて頂きました(更新頻度を下げます宣言したばかりだというのに)。「今更留学」を志している方からコメントやメールを頂いたことがあるのですが、参考になさるなら管理人さんのブログの方が良いに決まってますので(ホント)。

よろしければ上記のURLからご確認ください。勝手に「元祖・今更留学」とか肩書き付けてしまったもので…。

何かございましたらお気軽にお申し付け下さいませ。
今後とも何卒宜しくお願い致します。

(営業?)


返信する
私も (ducky)
2007-08-30 12:38:46
私も管理人さんの文に、同感する部分がたくさんありました。

私の場合、経済的なことに加えて、ビザが卒業にギリギリの期限しか発行されていませんでした。F1ビザの更新は難しいと言われていますよね。なので、絶対ビザが切れるまでに卒業しないと…と、どの授業も一回で終わらせ、かなり悪い成績でもドロップしたり、取り直したりしませんでした。留学生は授業料も高いですしね(州立なので)。
GPAはあまり良くないけど、同時期に同じ専攻を始めた人たちより、早く卒業したと思います。のんびりやれる、アメリカ人の学生たちが羨ましかったです…。
返信する
Unknown (30代管理人)
2007-08-31 01:57:36
■kbtさん、こんにちは~♪

>何でこの快適な暮らしを捨ててまでまたアメリカに戻らなくてはいけないのだろう?と思ってしまうんですよ。

私ももし日本で仕事をして生活をし始めたら、その安定したものを捨ててアメリカに戻る勇気が出るかどうか、全く自信がありませんでした。私は日本での生活はあまり快適ではないんですが(笑)、それでも生活の基盤を作ったらそれはそれでよくなるものだと思うんですよね。なんせ日本は自分の国ですからねぇ・・・。


>私のように二度も長期帰国(10ヶ月と7ヶ月)をするのは賢い選択ではないと思います。

いやいや、私はkbtさんの留学経過は悪くないと思ってますよ~。留学生としてアメリカにいると現実が見えなくなるところがあって、実に進学前の私がそうで、日本に帰国して、日本社会で働きながら、日本人として将来のことを落ち着いて考えられたらよかったのに・・・と思うところがあります。それに資金がギリギリすぎると、精神的によくないんですよね。なので出稼ぎして、資金に余裕を持って、心の余裕をも持つべきだったと思ったりもします。でも結局のところ、一気に卒業してしまってよかったと思っているんですが・・・。何につけても一生懸命やれば大きな後悔はないのかもしれません。


>前と何も変わらない派遣で働くしか道がなかったという番組

そういう番組が放送されていることだけでもなんだか悲しいですわー。留学したって無駄なんだから、と誰かに言われている感じです。


>母はそれを見て、あーkbtだ、と自分の娘を思い出したそうです。

あぁ~・・・それまた辛いですね。(涙)kbtさんのお母様のことは昔からの友達のお母ちゃんかのようなので(←色々お話を伺ったことで)、そのときの様子を生生しく想像できちゃいます。(いや、あくまでも想像ですが(笑))


>派遣で入ったとしてもその後昇進していく可能性が
>全くないわけではありませんが

kbtさんのようなよいお話がいただけるのはまれでしょうね。私なんて地元に戻ったらどうなることやら・・・(滝汗)お会いしたときにもお話しましたが、私は20代で得た仕事を辞めて30代でアメリカに来て、30代としては一度も日本で仕事探しをしたことがないため、自分の年齢層に一体どれだけの仕事のチャンスがあるのか、実際のところはわからないんですよ。でも世間で言われていることだけを見ても、自分はもう終わってる・・・という感じがします。(涙)働き手が少なくなってきているはずの日本ですから、今後もう少し年齢制限が上がってもいいような気がするのですが、kbtさんのブログに書かれてあったように、日本はオジサン中心の社会ですから、私たちのようなオバサン(女性)にはまだまだそのチャンスは回ってこないかもしれないですね・・・。

>結果としていつも思うのは、強い意志だけがそれを成し遂げるということですね。

卒業することに関してはなんとか奇跡的に成し遂げました。(涙)もうちょっと高い目標を持てたらよかったんですけどね・・・そこまではできなかったダメな私です。kbtさんはいつまでも理想と目標を高くお持ちになって、今後ともがんばってください♪



■tomさん、

>わたしも最近まで、単位と卒業の関係がわからなかったので、

特に留学前やしたての頃の私の場合、大学やアカデミックの世界についてまるっきりの素人で、その辺に関しては逆に若い子たちよりも経験・知識不足だったと思うんです。自分はもう大人なんだから、何でも自分で調べて行動できる、できるはずだ、という考えは大きな間違いでした・・・

>参考になさるなら管理人さんのブログの方が良いに決まってますので

ええええっ・・・(滝汗)
でもバカ見て我がふり直せという感じで使えるブログかもしれません。(哀)

>勝手に「元祖・今更留学」とか肩書き付けてしまったもので…。

そ、そ、そんなお笑いな肩書きやめて下さいよ~~(笑)でも元々自分で今更留学と呼んでいたわけですから、そのままで構いませんです。(笑)そしてこのブログをリンクしてくださりどうもありがとうございます。こちらからもリンクさせていただきますね♪


■duckyさん、
ビザの期限、私も気になりました!今は学生ビザ取得に面接もあるんですよね。更新に面接が必要かどうかはわかりませんが、もし面接をしなければならないとなると、地方出身の私にはこれまた(アメリカでの手続き同様)面倒なことなんですよ~。(←領事館が遠い)

>どの授業も一回で終わらせ、かなり悪い成績でもドロップしたり、
>取り直したりしませんでした。

ううっ、duckyさんと同じく履修し直す時間や費用の余裕なんて全くありませんでしたから、成績が悪く終わりそうでもそのまま突き進むしかありませんでした。調整がいくらでも利くカレッジの成績(GPA)なだけに、なんとも不公平な気がしますね。まぁ、さすがに6年、7年もかけてBachelorを取得するのはどうかなという気がしますが、せめてもう1セメ余分に履修できたらよかったのに・・と思います。


返信する