2年遅れのアメリカ

2007年06月25日 | 一般教養
American Educational Historyに、アメリカの学生の学力は日本の学生と比べ「ほぼ2年遅れ」だと書かれてありました。これはたとえば、日本の学生が高校2年生あたりで習うことを、アメリカの学生は大学に入ってやっと習う、といったことだと思います。(多分理数系が当てはまる)だから高校を出てすぐアメリカ留学で数学を履修すると、日本で既に習ったことを再びやることになるわけで、「大学に入ってまでやることじゃない!」と感じる日本人留学生はかなり多いかと思います。(特にコミカレ?)

でも私の場合、高校のときに一切勉強しなかったので、アメリカのカリキュラムがたとえ日本より2年遅れであろうが、高校で習うはずのものであろうが、その点全く問題ありませんでした。だって自分にはどれもこれも初めてだったんですもの~。(それがいいことだとは言わんが)

私は数学やサイエンス単位が特に必要な専攻ではなかったため、理数系クラスはほんの一部しか履修しておらず、数学はたったの一つ、科学も同じくたったの一つです。確かにどちらも想像していたカレッジのカリキュラムにしてはとても簡単な内容でした。たとえば数学はファイナンスに関るもので、数学がそういった形で日本の高校で教えられているとは思いませんが、それは代数の応用版だったので、代数の基本さえ出来る人であれば、つまり中学生でも、すんなり解けるはずです。そうなるとアメリカの数学は2年遅れどころじゃないっすね。

そして一般教養必須科学として履修したのは、Principal Biologyで、これまた日本の高校どころか、ずばり中学で習う程度のものでした。と言うのも、担当教授曰く、そのPrincipal Biologyはアメリカの高校レベルらしく、アメリカは日本の2年遅れと考えると、そのクラスは日本の中学レベルまで落ちちゃうんですよね。あらあら・・・

でも!私にとっては久しぶりの勉強でしたから、たとえ中学レベルでも充分ためになったクラスでした。だいたい中学で習ったことなんてほとんど覚えてないですから。しかも英語で学び直しとなると、それなりにチャレンジ性もありますし、当時の英語力を考えると、とことん易しいクラスで自分にはちょうどよかったと思います。(易しいとは言ってもそれはサマーコースだったので進みが早い分頭パンクしそうでしたが)それにどこかにも書いたと思いますが、この中学レベルのバイオロジーを履修して、自分にはまず一般教養が必要だとつくづく思い、そしてこの思いが大学編入の道へと繋がったんです。中学レベルの科目が30代の人生の道のりを変えるきっかけになるのは、もしやこの世で私だけかもしれません。バカすぎ~

こういった自分の経験から見ても、確かにコミカレ理数系クラスは日本と比べるとレベルが(かなり)低く、余裕で日本の2年遅れと言えると思います。

が!履修しなければならない一般教養は理数系ばかりじゃないんですよね。アメリカのカレッジには日本の高校にはない科目もたくさんあるはずですし、たとえ日本にもある科目であっても、それぞれアメリカの視点・見解を元に教わるわけなので、日本のそれとまるっきり同じもの、つまり完全なる高校の繰り返しになるとは思えません。そして基礎的理数系のように、理論はほぼ世界共通、答えは一つであるような科目はともかく、特に文系はそれぞれ日本とは違った視点から学べると言う点、新たな発見も多くあるはずです。しかも教授によってクラスで使われるテキストも課題も違ったりで、同じアメリカ国内、はたまた同じカレッジであっても、同じタイトルのクラスが全く別物になることも多いくらいです。まぁ、私は本当に日本の高校で勉強をしてないんで、実際のところどこまで高校の繰り返しになるのかならないのかわかりませんが。

というわけで、たとえ留学先のアメリカが日本の2年遅れでも、考えようによってはそんなに悪くないと思います。とにかくカレッジには高校にはない科目が絶対ありますので、そういったものを可能な限り履修するのが一般教養課程における「高校の繰り返し感」を避ける手でしょうかね?(いや、私は本当に日本の高校で勉強をしてないんで、実際のところどうなのかはわかりませんが)←強調しておきます