カント:Perpetual Peace

2006年01月12日 | 政治学

「Perpetual Peace」は私のだ~い好きな言葉。
言葉の意味(永続する平和)はもちろんですが、
「Perpetual Peace」という音の響きもだ~い好き♪(←いい歳こいてキモイ)


この「Perpetual Peace」という言葉を初めて知ったのはコミカレ時代「イントロ国際関係」を履修していた頃。
そのクラスでは課題として数々の国際政治論文を読まされたのだけど、
その論文たちの中のひとつに、ドイツの哲学者カントの「Perpetual Peace」に関するものがあり、
当時「Perpetual」の意味を知らなかった私はまず辞書で単語を調べ、
そこに書かれていた「永続する、永久の」という意味に感動してしまい、ついでに単語の「音」にも魅かれてしまった☆

さらには哲学者カントがドイツ人ということも、私が「Perpetual Peace」に魅かれてしまう理由の一つでもあります。
当時ドイツ語も履修していたので、ドイツに関するものにはついつい気が惹かれていて(今も)
もし著者が「Kant」というドイツ語バリバリな名前じゃなかったら、彼の論文に気を留めることはなかったかも・・・
(Francis Fukuyamaと同じ感じ。過去記事参照↓)
http://blog.goo.ne.jp/tomtom30_2004/e/1428954f98d931d0fb8d3f3550bfc72f


それにしても「Perpetual Peace」ってどこか楽園を思わせる言葉じゃございません?
原書はドイツ語のはずなので、タイトルはこのまんまでないとは思うけれど
ドイツ語から英語に直訳されていたとして、その直訳した人は偉い!(何)
私に素敵な単語を教えてくれたという意味でもその人に感謝いたします。(何)



さて、肝心の論文「Perpetual Peace」の中身ですが、実はカントの論文そのものは読んだことがなく、
「Perpetual Peace」が引用で使われていた論文などからカントのことを知っただけなので
「Perpetual Peace」全体そのものはどんなものかよく知りません。
が、どうしたら世界を平和に導けるか・・・という考えを表したもののようでございます。



小学生でもわかるカント豆知識*********


世界を平和に導く方法の一つとして挙げられていたのは「Republican+Constitution」。
Republic政権である場合、もし政府が戦争を起こそうとするときには国民の同意を得なければなりません。
そして国民が憲法の元平等の権利を与えられ、政治に拘わる発言をも自由に持てる環境にいた場合、
もし国が戦争を始めようとしたときに、国民は政府に「戦争反対」の意見を述べることができます。
通常人間は戦争を好んですることはないはずで(何かにマインドコントロールされてたら別ですが)、
国民にとって戦争は失うものはあっても得るものはないという意味で、
国民からの戦争反対意見が出るのは確実で、つまり、その国はそう簡単に戦争に走れないわけです。
なのでもし世界中の国々がRepublic(Democracy)になれば、
一部(または一人の)国家リーダーの決断だけで戦争が起きるような事もなく、
世界は永遠の平和が得られるのでは?というのがカントの考えの一つで、
しかも!統計的に見てDemocratic(民主主義)国家はDemocratic国家と争う確率は低いようで、
「民主主義同士は争わない」となれば、もし世界中が民主主義であった場合、これまた戦争はありえないのです。
(↑これに関してはたくさんの討論がされておりますが・・・・)

それからも一つ。
世界中の国家がRepublicになると同時に、世界全体がFederalism(連邦主義)になるのが理想だとも書かれていました。
わかりやすく言うと、アメリカ合衆国は連邦主義国家で、国全体としての法律とともに、
各州にはそれぞれで立てられた法律があり、同じ国家(アメリカ合衆国)に属していても、ある種独立した存在でもあります。
その州たちは何かで争い、戦争までを起こすことは恐らくないと思いますが、
それはやはり「同じ国民」という意識があるからだとすると、これと同じように
全世界の人類が一つの国民のようなものになり、その元でそれぞれの独立した法や権利も持ち合わせ、
お互い尊重し合いながら存続する、世界レベルのFederalismが、「Perpetual Peace」を導くのではないかと・・・

これってとっても素敵じゃないですか?
たとえ実現不可能なことでも、そんな単純には行かないことでも、
こういう案を掲げられると、ちょっと感動・・・(単純)
そんでもって、何度見ても「Perpetual Peace」っていいタイトルだわ~ん。
カント様様☆


念の為、この哲学(英文)は自分なりに解釈したものなのでどこか間違ってるかもしれません。おいっ


ちなみにですが、ドイツの哲学者カントについて「西洋史」テキストには載っていませんでした。
なので多くの歴史的有名な哲学者の中でもカントは政治学のみで出てくる人なのかも?
しか~し、国際政治専攻の場合にはカントは必ず一度は出会うお方でございます。

実は新学期に「政治学:Building Democracy」というクラスを履修するんですが(楽しみ♪)、
そのことで最近、過去のテキストブックなどで↑それに関係しそうなものを復習しているのです。
特にコミカレで習った「イントロ国際政治」なんて、ほとんど頭にないものですから・・・・
実際どういった授業内容になるかはわかりませんが、
それに自分が予想していた内容とは全然違う、なんてことになる場合がほとんどですが、
国際政治の世界で一般常識と思われることくらいは、準備しておかなければということで・・・・
(アホは休み中も気が抜けません)


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