海の“巨大ダム”で発電 神戸大発案、ネプチューン

2012-06-02 16:55:51 | 技術
海を巨大なダムに見立て、無尽蔵にある海水を利用して水力発電をしようというシステムを神戸大大学院海事科学研究科の西岡俊久教授(現名誉教授)が発案し、世界約130カ国に特許申請した。ローマ神話の海の神にちなみ「ネプチューン」と命名。西岡名誉教授は「莫大な電力をつくれる。二酸化炭素(CO2)も排出せず、究極のクリーンエネルギーだ」としている。

 構想では、巨大な船から海底に向けて配管をのばし、海底などに発電機を設置。船で取り込んだ水は重力によって配管の中を落ち、その水流でタービンを回し発電する。

 船にある海面の潮流の力を利用する発電機などでポンプを動かし、配管を落ちた水を放出する。

高校を2年で卒業し大学入学 制度創設

2012-06-02 09:46:39 | 資格
文部科学省は1日、高校を2年間で卒業して大学に入学できる制度を創設する方針を決めた。近く開かれる国家戦略会議で平野博文文科相が打ち出す。優秀な高校生を早く大学に進学させて専門分野を学べるようにすることで、国際社会で活躍できる人材の育成を狙う。今後、学習指導要領で定められているカリキュラム消化などの問題点を整理、学校教育法の改正を目指す。

 全国に402校(10年4月時点)ある6年制の「中高一貫」校を5年で卒業する生徒や、スポーツ、芸術などに秀でた生徒が中心になると想定される。

 現在も高校に2年以上在学し、大学が定めた分野で優れた資質を持つと認められた17歳が進学できる「飛び入学」制度はあるが、高校が中退扱いになることなどから、制度開始の1998年以降、飛び入学での進学は100人ほどにとどまっている。

 優秀な生徒を早期に大学に入学させることで、欧米に比べて勉強時間が短いとされる大学の教育内容を活性化したり、海外に留学する学生の増加や大学間の競争を期待する狙いもある。4月の国家戦略会議は「日本の成長には人材育成が欠かせない」とし、6・3・3制を含む教育体系の抜本的な見直しも求めていた。【

日刊ゲンダイ記者が見た福島原発廃炉作業の絶望

2012-06-02 08:10:47 | 政治
 福島原発事故から1年2カ月余り経った今月26日、東京電力が原発施設の一部を報道陣に公開した。同行取材した日刊ゲンダイ本紙記者があらためて感じたのは、廃炉実現に向けた作業の難しさである。野田首相は昨年12月に「収束宣言」し、政府は廃炉までに「30~40年」と公表している。だが、現地を取材した印象は「絶望的」だ。「30~40年」どころか、今世紀中に廃炉できるのか。それすら怪しいのが実態だ。

 記者を乗せた大型バスが福島原発の「免震重要棟」を出て真っ先に向かった先は4号機。バスを降りて原子炉建屋の南西70~80メートルの位置から見上げた地上約50メートルの建物は、水素爆発で屋根が吹き飛び、無残な姿をさらしている。事故後、ガレキを一部処理したとはいえ、ほとんど手付かずの状態だ。厚さ1~2メートルの分厚いコンクリートの壁はボロボロで、辛うじて残った壁や柱も、ちぎれた鉄筋があちこちから飛び出している。事故直後のような生々しさだ。
 東電は「4号機建屋は震度6強の地震に耐えられる」と説明しているが、次に大地震や津波の直撃を受けたら「倒壊」は避けられないことは容易に想像がつく。「メルトダウンしたら世界が終わる」と世界を震撼させている計1535本の核燃料が、そんな“ボロ屋”に今も保管されている。
 東電は来年末から、4号機の燃料取り出しを始める計画を立てている。7月にも、使用前の燃料をクレーンで試験的に取り出す方針だ。使用前の燃料は、核分裂させた使用済み燃料とは異なり、取り出す際のリスクが低い。“本番”の使用済み燃料の取り出しは、建屋南側に屋根を覆う形の「L字形建物」を造り、燃料を1本ずつ引き上げる予定だ。ところが、建設予定地には震災時に発生したガレキや鉄骨などがごちゃごちゃに埋まっていて、工事は「ようやく基礎工事に入った段階」(東電関係者)。燃料取り出しどころか、建物建設計画すら怪しいのだ。

<線量計は鳴りっぱなし>

 しかも、今回の現地取材であらためて分かったのは、怖いのは4号機だけではないということだ。
 取材バス車内で、記者たちが自前で持ち込んだ線量計が一斉に「ピーピー」と大きな警告音を発したのは、3号機から2号機のタービン建屋裏の海側の道を走っていた時だ。
「線量は、1500マイクロシーベルト(1.5ミリシーベルト)です」
 同行した東電担当者が叫び、バス内に緊張感が走った。1.5ミリシーベルトといえば、通常の年間基準線量(1ミリシーベルト)を1時間で軽く超える。4号機は事故当時、定期検査中だったために原子炉が損傷せず、線量もそれほど高くない。重機を使った作業も可能だ。しかし、1~3号機は線量が今も高く、人の作業はムリだ。敷地や建屋周辺には「即死レベル」の高線量地域がゴロゴロある。
 となると今後、もっとも懸念されるのは、作業員の確保になる。福島原発では現在、1日約2500~3000人が復旧作業に当たっている。しかし、全面マスク、防護服を着た作業のつらさは想像を超える。
 記者も全面マスクをかぶり、防護服を着たのだが、気密性を高めたマスクは、骨格が合わないと顔の左右のこめかみ部分を“ウメボシ”されて痛くなる。そのうえ、常に息苦しい。大声で話さないと言葉を伝えられないし、相手の声も聞きにくい。少し歩いただけで汗が噴き出す。たった2時間、着ただけだったが、最後は酸欠状態で、生アクビが出る始末だ。
 防護服に慣れたベテラン作業員でも、「作業は連続2時間程度が限界」(東電関係者)という。夏場の作業は過酷極まりない。積算線量が高くなれば、オーバーした作業員はどんどん現場からいなくなる。

<チェルノブイリでは6万~8万人が作業した>

 京大原子炉実験所助教の小出裕章氏はこう言う。
「86年のチェルノブイリ事故では、事故から石棺までの間に(7カ月間で)6万~8万人が作業に当たったといわれています。チェルノブイリはたった1基の事故だったが、福島原発は4基同時に事故を起こした。今後、どのくらいの作業員が必要になるのか想像もできないし、日本だけで作業員を集められるのかどうか分かりません。そんな状況で30年後、40年後の廃炉など不可能です」
 こうなったら、東電は電力事業からさっさと撤退し、福島原発廃炉作業に全力を傾注するべきだ。今のように片手間の作業でケリがつかないことは現場の東電関係者、作業員がよく分かっている。
 勝俣会長や清水前社長以下、事故当時の役員を全員引っ張り出し、東電グループの社員を「徴兵」してかき集め、復旧作業に当たらないとダメだ。