東海大、熱音響機関で高効率な波動エンジン開発

2012-06-23 13:56:19 | 自然エネルギー
 【横浜】東海大学工学部動力機械工学科長谷川真也助教を中心とした研究グループは、「熱音響機関(波動エンジン)」を使うことで、工業排熱と同程度の低温の熱源から18%のエネルギー回生と、マイナス106度Cの冷熱を生成できる「排熱回生デバイス」を開発した。

 この研究成果は工業排熱や自動車排熱を用いた高効率のエネルギー回生システムが実現可能であることを示した。5年後の実用化を目指す。

 熱音響機関は、熱で音波が発生する作用を用いてエネルギー変換を行う。気体の共振を利用して動くため、ピストンなどの機械的な可動部品を一切使わずに、メンテナンスが不要。また、パイプのみで動作する簡単な構造であり、コスト面での優位性もある。長谷川助教は「切迫するエネルギー問題や環境問題解決の一助となれば」と話している

原発劣った技術を実用化した罪

2012-06-23 11:36:42 | 政治
2011年3月11日、東日本を襲った大地震は、日本人の原発に対する思いまで変えてしまった。これまで「原発は安全だ」と言われ続けてきて、原発に対して盲目的な信用を置いてきた一般市民の多くが、それは間違いだったことに気づいたはずだ。原発とどう向き合っていけばいいのか。九州大学副学長で福島原発事故の政府事故調査委員会のメンバーである吉岡斉氏に、原発に対する考え方とこれからの方向性を聞いた。

<危険度ABCでランク付けを>
 ――それだけ危険な原発を、まだ電力会社は稼働させたいとしています。今回の事故を見てもわかるように、一企業では到底手に負えないシロモノです。止めればいいといっても、お金もかかりますし、代替エネルギーも考えなければなりません。原発は現実に存在しています。そうすると、今ある原発をどうするべきと、お考えですか。

 吉岡 今からしばらくの間のことに限定するならば、何年間かは止めざるを得ないと思います。その後、現実的な方法としては、「ランク付け」をするべきだと思います。環境省の下に安全庁をきちんとつくり、そこで厳しい安全審査の基準をつくり直して、1つひとつ検査をして格付けをしていくのです。ランクを「A」「B」「C」の3段階で、比較的安全な「A」、少し危険な「B」、相当危ない「C」というように分け、「Cランクは即時停止、廃炉の手続きに踏み切る」といった具合です。Cランクには、たとえば浜岡原発、もんじゅ、もしかしたら玄海原発の1号機が入るかもしれません。Bランクは"仮免許運転"のように、夏の電力消費が高い時期だけ運転させるとか、そういうかたちをとり、一方で寿命を30年なら30年ときちんと決めるべきだと思います。今は石油の価格が高いので、石油火力を旺盛に使えば、市民の生活への影響が出てしまいます。それを考えると、Bランクも夏期には使うのが適当ではないでしょうか。1バレル100ドルの時代に石油で電気をつくるというのは、"札束発電"のようなものだというのがやはりありますから。新規に原発を建設せず、寿命がきたら廃炉の手続きに入る。そして、30年くらいのうちに日本から原子炉がなくなる、というシナリオが適当であるように思います。

 ――ABCのランク付けをやってみるとして、吉岡先生の予測ではどういう割合になるとお考えでしょうか。

 吉岡 だいたい3分の1ずつくらいになると思います。Cがやや多いかもしれませんね。福島第一と同型のマークワンが、全国に11基もありますから。マークワンはフラスコとドーナツがパイプでつながり、再循環ポンプがぶら下がっているという、美学的にはあり得ない構造をしています。原子炉メーカーのGEは後発組ですから、とにかく安くつくってウェスチングハウスを追いかけようとがんばったのでしょう。構造が複雑になりすぎました。それらは軒並みCに入りますから、Cが4割くらいになるかもしれませんね。

 ――日本の原発の4割を停止させ、3割を仮免許にし、残りも使用期間に制限を設けて安全のうちに使い切るということですね。大変勉強になりました。原子力の問題は、今、直面している大きな問題です。早く道筋をつけなくては、次がいつあるとも限りません。市民1人ひとりが考えなくてはいけませんね。ご多忙のなか、まことにありがとうございました。

四万五千人首相官邸前で再稼働反対デモ

2012-06-23 07:21:11 | 政治
核廃棄物の処理方法も決まっていないのに再稼働するって

 関西電力大飯(おおい)原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働決定の撤回を求める大規模なデモが二十二日夜、首相官邸周辺(東京都千代田区)であり、官邸に向かって「再稼働反対」「大飯を止めろ」と力強いコールを繰り返した。

 複数の市民グループ有志でつくる「首都圏反原発連合」がツイッターなどで呼び掛けた。政府が3、4号機の再稼働方針を決めた四月から毎週末、官邸前で実施されているが、再稼働が正式に決まった今月十六日以降、これに抗議して参加する市民が増加。

 この日は、官邸から霞が関方向へ人の波が歩道から車道にあふれ、主催者発表で約四万五千人が加わった。

 マイクを握ったルポライター鎌田慧さんは「原発がなくても日本社会は混乱しない」と強調。参加した東京都東村山市の大越明子さん(44)は「声を上げないと、賛成したのと同じになってしまう。再稼働を認めると、なし崩し的に他でも始まるのでは」と話した。

(東京新聞)