一雨ごとに

空気は柔らかくなる
雨音を聞きながら
窓の外を見つめる少女がいます
ひとしきり激しく降ったあと
雨は小やみとなり
木の葉からしずくがゆっくりと落ちています
小さなしずくは
落ちるときにきらめいて
周りの景色を小さく固めたように閉じ込めて
石畳の上にポツリポツリと落ちていました。
窓がたくさんたくさん並んでいます。
雨の日に
そんな窓から
落ちた雨粒がまるでメロディを奏でるように
葉っぱの音符の上に落ちていくのは
楽しい音楽会のようだわと
少女は言いました。
窓から顔を出した
少女やいろんな人たちは
こんな雨粒の音楽に
ついつい笑顔になるのです。
さてさて
どんな音色がするのでしょうね。
