さて、今日は
こうちゃんのためのオルゴールコンサートです。
私はお昼に山科までY子さんをお迎えに行きそして一路こうちゃんのもとへ。
こうちゃん、はじめまして!
こうちゃんはよくきこえてて、よくわかってるのです。
でも、脳腫瘍が小脳や脳幹や脊髄の一部まで悪さをしているので
肺を動かす信号を送れなくなってて
自発呼吸も意識しないとできないので、こうして呼吸器をつけてます。
栄養も管からですが
こうちゃんは、病院から自宅に戻って、奇跡的にちょっと元気になりました。
はい、こうちゃんは色白で
つぶらな瞳がとってもかわいい今6年生。
私はこうちゃんに語りかけて
そして、こうちゃんのためのミニコンサートのはじまりです!
最初に私の小さな子たちをつぎつぎと。
こうちゃんは「キラキラ星」の曲を聴くと、本当にうれしそうな顔でにっこりとしてくれました。
だから、今日はこうちゃんに選んでもらったんですけれど
こうちゃんが一番笑ってくれたこの「キラキラ星」のオルゴールをこの前お誕生日だったというこうちゃんのバースディプレゼントにしました。
こうちゃんうれしい?ってお母さんがいうと
こうちゃんはにっこりです。よかった。
こうちゃんのお母さんは24時間自宅でこうちゃんの呼吸や酸素の状態、寝返り、たんの除去、そのほかいろんなことをずっとされていて
本当なら疲れて人に会うのも嫌でしょうに、明るく迎えてくださり
こうちゃんのことを伝えてくださいと。
こうちゃんはつぎつぎといろんなオルゴールを見て聞いて、とっても反応してくれました。
わずか2歳半で発病し、それから2度の大きな手術をのりこえ、そのあとに脳の水を抜く手術もしたそうです。えらいね。こうちゃん。
京大病院の院内学級で、Y子先生とであって。
私はそのY子さんとの出会いから
こうしてこうちゃんと出会えたのですけれど。
そして最後に、今日は特別。
本当は二人展で初めて披露するはずのオルゴールを。
お母様の顔色が変わりました!
「ああ、いつまでも聞いていたい!」
お母さんの心まで、オルゴールの音色は届いたでしょうか?」
うっすら涙を浮かべながら、こうちゃんと一緒に聞き入るお母様の姿。
私は泣きそうになったけれど、こうちゃんの前なので絶対に泣きません。
ピエロは笑ってないといけません!
そのあと、リハビリの先生が来られて
こうちゃんは手足を動かしたり舌を上下させたり。
私たちが当たり前にできることが、こうちゃんにとっては大変なのです。
歩けなくなってからもう何年もたってるのですが
それでもこうちゃんは希望を捨てずにリハビリに励みます。
そのリハビリ中、なんと呼吸器をはずして。
自分で一生懸命呼吸をしながらリハビリをするその姿は胸を打ちました。
私たちは無意識に呼吸をしています。
夜寝ている間もずっと。
それがどれだけすごいことか!
こうちゃんは酸素量が減って危険値になると、アラームがきこえます。
そのアラーム音で、また一生懸命息をするのです。
そんな状態でリハビリを。
私はもう目の前がゆらゆらしました。
笑ってるけど。
最後まで、こうちゃんは時折たのしそうに笑ってくれて。
目で話をしているようなこうちゃん。
今日は本当にありがとう。
私は
とっても大事なことを
こうちゃんから教わった気持ちがしました。
山科までY子さんを送りながら
Y子さんは
「ちょっと~、とってもいい表情してるよ!」
「私のこと?」
「そう、あなた。そんなに幸せそうな顔をして。」
「そう、私は目の前の幸せにいっぱい気付いたんだ。」
「そうよね。でもね、忘れないで。私もひろみさんも、あなたのオルゴールを本当に本当に愛しているんだからね。」
「運転中に泣かしてはだめですよ。」
「ごめんごめん。」
「私、作り続けます。何があっても。」
「そうこなくっちゃ!私たちはそれを望んでいるんだから。」
ありがとうございます