トジハジ日記

日記代わり、家族への発信用として利用させていただいてます。内容はいろいろですが登山が趣味で、公開は山行記録がメイン。

2019.10.23 中央アルプスの秘峰 独標 

2019-10-24 11:22:59 | ブログ

登り着いた頂上は感激の中央アルプス大展望台だった。

スキーの帰りに撮った独標(前衛中央のピーク)。この時からずーと頭の中にあった。

行動時間:登り:5時間20分(小休止3回)、
     下り:4時間(小休止3回)  頂上休憩:45分
歩行距離:10.8Km

随分前になるが、木曽福島方面のスキー場から帰る時、車窓から中央アルプスの山で今まで気がつかなかったが、異様な雰囲気をもっている白く輝くピークがあることに気がついた。シャモニー針峰群と言えば大げさだが、見た瞬間はそう感じてしまったほどのインパクトがあった。そしていつかは登ってみたいという衝動に駆られたことを今も鮮明に覚えている。それから年月が過ぎ、忘れかけていたが、ふとしたことからこの存在を思い出し、急遽登ることにした。この年齢では積雪期に登るのは少々荷が重いので、今の時期にチャレンジすることにした。倒木の海、背丈ほどある笹藪泳ぎ、油断できないガレの通過、誤った斜面の下降と登り返しなどなど、年を重ねて気弱になってきたので、今回のソロ登山は精神的にも体力的にも疲れる山だったが、久しぶりに心から達成感を感じることができた山登りでした。

今回も単独登山だ。家を2:30に出発。登山口に5時前に到着。毎度のことだが、暗闇は不気味で物音がする都度、ドキッとしてしまう。明るくなるまでしばらく寒さを我慢しながら横になった。5時45分に登山を開始。コースは独標尾根で木曽風越山経由。風越山からは登山道はない。風越山まではAコースを登る。最初から急登で睡眠不足で眠いのがたまらない。朝露?で濡れた草木で下着まで浸みてくるので毎度のことながら遅きに失したが、途中で雨具を着けた。カヤトの丘付近から雪を冠った御岳、乗鞍、北アルプス南部の山々が輝いて見える。7:26に風越山頂上に到着。1時間40分かかっているのでペースが遅いが今日は12時間の行動を覚悟した長丁場なので体力温存が第一だ。頂上を少し過ぎたところに中央アルプス展望の地があり、木曽駒、宝剣岳方方面が良く見える。滑川から宝剣沢が一直線となって宝剣岳につきあげているのが手に取るように分かる。苦労した極楽尾根なども見え、過去の苦しくも充実した時期の記憶がよみがえってくる。展望地からはは登山道は無いがそれなりにわずかな踏み跡があり助かった。1805mのピークまではなだらかな登りだが、とても迷いやすい地形なので帰りのことを考え、いろいろ目印を細工しながら歩いた。一旦下って1880mのピークへ。ここも下りは迷いやすいところだ。この間には昨年の台風の影響と思われる倒木の海などがあり少し苦労させられた。ここからしばらく緩やかな下りが続いたあと1850m付近から1784mのコルまで急な下りで、足元も不安定なのでで神経を使った。1784mからは高度差234mの登りで体力を消耗。2118mのピーク天狗山につくころには疲れが出てきて弱気になるが、今日の登りのタイムリミットは11時30分と定めてあるので、それまでは頑張ることにする。それより遅れると日没までに下山できない恐れがあり、この尾根で暗くなったら何度道迷いをするかわからないので、今回はタイムリミット厳守。天狗山からはコース取りよりスリップが許されない箇所が所々あらわれ神経を使わされた。高山特融の這松帯が出てくるといよいよ頂上が間近だ。偽ピークを過ぎると待望の頂上が少し先に現れ、気分が高揚してくる。そして11時5分に大きな石が積み重なっている待望の独標頂上に到着した。遮るものが何もない360度の大パノラマに大興奮、大感激する。圧巻の中央アルプスの峰々、北は御岳、乗鞍から北アルプスの常念岳まで鮮明に見える。西、南に目を転ずれば小秀山から恵那山、南木曽岳など贅沢過ぎる展望を今日も独り占めだ。まさに独標頂上は久しく味わうことのなかった素晴らしい雰囲気の別天地だった。もし若い時にこのピークの存在に気付いていたなら、いろいろなアプローチの方法で何回でも訪れていただろう。欲しいままの展望に単独では経験したことのない40分近くの大休息をとってしまうほど魅力的で心地よい場所だった。滅多に人の訪れることがない隔離されたピークの雰囲気がそう感じさせるのかもしれない。当初は目の前のピークである蕎麦粒岳まで行きたかったが日没との競争になる可能性が強くなることと、標高も独標よりわずかに低く、居心地も悪そうなので、独標だけで大満足している自分にはあっさり断念することができた。頂上には緑色の瓶があり、今まで登った人のメモが入っていたので私も記念に名前、年齢、感想を書いて入れておいた。11時49分に来た道を下山にかかる。登りに神経を使ったガレ場などはよく見るとエスケープの踏み跡があり無事に通過。そして予定より早く天狗山に到着してようやく気持ち余裕ででてきた。これで日没との競争はしなくて済むとおもつたが油断大敵で、天狗山から注意はしていたが風越山まで3回ほど誤った斜面、尾根を下りかけてしまい登り返すことを強いられた。幸い不安になるたびに実に関心するほど的確につけられた赤テープに随分助けられた(テープを付けた人に大感謝)。14時45分に風越山に到着。風越山はなんの展望もない尾根上のコブで、頂上の標識がなければ気が付かないだろう。あとはここからは明瞭な登山道を下るだけだ。時々、木々の間から見える、はるか遠くになってしまった黒々とした独標を振り返りながら愛車の待つ登山口へと下った(15時50分登山口到着)



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