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今日は帝劇 明日は日劇 はたまた国技館に後楽園ホール さらには落語家の追っ掛け 遊び回る日常を描きます。

芸道ものの面白さ 古川緑波 長谷川一夫 山田五十鈴 成瀬巳喜男監督「芝居道」

2016-05-19 15:13:39 | 日記
池袋文芸坐「成瀬巳喜男特集」で、「芝居道」観てきました。1944年の作品。長谷川幸延原作 長谷川一夫 山田五十鈴 古川ロッパらが出演しています。
舞台は、大阪道頓堀 芝居小屋が軒を並べています。不入りが続く他の小屋を尻目に、大和屋(古川緑波)の小屋だけは、時流に乗った軍国芝居で、大入りを続けています。大和屋の慧眼たるや、大したもの。人気の秘密は、近頃売り出しの中村新蔵(長谷川一夫)にもあります大和屋の秘蔵っ子で、幼馴染の女義太夫竹本花龍(山田五十鈴)と恋仲です。大和屋からみれば、新蔵は今が一番大事な時。もっと芸の道に研鑽するよう意見をしますが、新蔵は聞きません。で、大和屋 荒療治に出ます。花龍に直談判して、2人を別れさせようと画策。新蔵の芸のためと、花龍は不承不承に承知します。突然の心変わりに やけになった新蔵。大和屋の厳しさにも嫌気がさし、東京へと新天地を求めます。そして、月日が経って・・・というストーリー。
古川緑波の映画何本か見ましたが、これだけ芯になっている役を観るのは初めて。東京生まれの緑波が、「長谷川一夫から大阪弁を習った」と、緑波の本で読んだことがありますが、この作品だったのでしょうか。それぐらい、この映画の2人は四つに組んでいました。
私の母が熱狂的な長谷川一夫ファンでしたので、小さなころ、何度か東京宝塚劇場に、長谷川一夫のお芝居観に行ったことがあるのですが、この映画観て、改めて、その頃のこと思い出しました。あの、目つきの色っぽさ これはすごい!この方が宝塚の「ベルばら」の演出をした時の話を、なんかの本で読んだことがありますが、どうしたら、あれだけ色気がでるのでしょうか。
山田五十鈴も、芸術座の「たぬき」という代表作を観ましたが、この映画では、まだまだ可愛い女義太夫。が、その片鱗はうかがえました。
3人の役者のつば競り合い そして、成瀬巳喜男監督の演出 お見事です。