ぼけの花

のらりくらり日々感じたこと。
自分のための記録。

2018-01-17 23:51:38 | どくしょ

一家殺害の被害者を知る人たちのインタビュー形式で進む話。

読む前に、
読後感モヤモヤ。人間の嫌な部分が見えて恐ろしい。むしろ後味悪すぎて爽快感さえ感じられる。まさに愚行!
なんてレビューを多く目にしたけど、そんなでもなかった。
環境・立場それぞれ違えば見方も考えも違う。
自分の主観というフィルター通して見るんだもの。
皆、至極真っ当と思われる。

近所の人やママ友よりも被害者の学生時代を知る人らの話の方がエグい。
そりゃそうだよ。
若い頃なんてみんな愚行じゃない?
だって知らないことの方が多い。
無邪気と呼ばれる猛毒も持ってるし。
わたしだって昔に遡るほど、
あの子はあのへん配慮が足りなかったです。とか、馬鹿でしたね。なんて言われるんだと思う。
それが大人になって愚行よりもどちらかというと愚考するようになる…のかね。

男性作家がこんな女の細かーい嫌な部分を上手に書くなぁと面白く、さくさく読めるのだけど、犯人の生い立ちに同情はするが動機としてはイマイチ弱い気がして…そこが残念。
イヤミスとしては湊かなえの方に軍配が上がるかな。

去年映画になったようだけど観てみたかった。
妻夫木くんだし。