巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
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変わり映えせぬ僕と林檎

2017-04-02 22:22:50 | 
もうすぐこの夜も更けて
見知らぬ月曜日が訪れる
変わり映えせぬ僕と
新しい人生を歩む君

子供の頃から大好きな
「林檎」が書けないように
今を表す「憂鬱」という
気だるい字が書けない

こんなもやもやした日には
無理にでも外に出ようぞ
冷たい夜の真ん中で密会しよう
誰も知らない秘密基地で
探し物なんてどうでもいいから
とりあえず僕を優先してくれ

涙がこぼれる、そんな日には
押し黙った僕がいつもそばにいた
今日は君にそばにいてほしい
なくしたものは愛情だけじゃないから
君という存在さえ失ってしまったから

神様が言う
お前達が子供の頃
永遠に塗り固めた泥団子は
二十歳を迎えた今は
誰かの靴で木っ端微塵

踏み潰したのはきっと
神様あなたでしょう

神さえ羨む二人の関係
僕は呼ぶ、君の名を
飽きるほど探す、君の行方を
追いかけるから、じっとしてて

変わり映えせぬ僕は
変わり行く君を追う
満たされない僕は
赤い林檎を嚙る
満ち足りない僕は
憂鬱を吹き飛ばす

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