巨匠 ~小杉匠の作家生活~

売れない小説家上がりの詩人気取り
さて、次は何を綴ろうか
【連絡先】
cosgyshow@gmail.com

きっといつの日か

2019-09-22 22:15:41 | 



「きっといつの日か」

はらはらと空を舞い降りる金の葉を数え上げ、世の不条理など笑い飛ばして雲の上を闊歩する自分と出会おう。パラパラと冷たい雨が降りだした。笑顔のない町人が第一走者を通せんぼしている。国境線を越えようとする子供たち、まだ親の温かな膝枕で暖を取っていなさいと諭す大人たち。意味のない調和は崩れる。DNAに刻み込まれた設計図にしたがい、一人ずつそのぬるま湯を振り切って新たな道を切り拓きはじめる。そしていつの日か100万光年の彼方に辿り着いた夢の狩人たちは誰一人いない無の空間で新たな城を、豊かな町を築くことができるだろうか。独りぼっちになって初めて気づく無力感。そんなときは隣人と手をつなごう。大自然の無常観は君に生のリズムを与え、自分自身に戸惑う君の心を解きほぐしてくれるだろう。君がいま歩き出した未来は永遠とは程遠いものかもしれない。ひどく曲がりくねり、時に陥没した道の数々。だからこそ君にしか歩めない。ラテンのリズムで独特のステップを利かせて、その道が導くであろう未来をみんなに届けてほしい。一心に空を見上げて。星が輝く。

実存主義

2019-09-22 17:15:52 | 
「実存主義」

罪と罰で濁り切った聖水を
胃の中にグイっと流し込む

鋭利な陽光に数万時間照らされ
変わり果てた



行き交う群衆は見過ごす
かの花が艶やかに揺れる姿を
街角に立つ一人の道化師は
砂漠の嵐をかき消して見せた

足るを知る
それを才能というのならば
きっと君はこの世に不可欠な人間だ
絵筆を持ちパレットから色を運ぼう

西の空一面に広がる橙色が夜を呼ぶ
無を連想させる漆黒の世界は明日への布石