「ゆっくり、いそげ」(影山知明著)読了。
まず持って、この本に出会えたことに感謝します。
まさに、ここに書かれているような価値観を持つ方々と、仕事を、人生を共にしたいと思います。
私が勤務する会社も今まさに「働きかたの未来」について提言していますが、影山さんの言葉のほうが遥かに響きます。
なお、著者である影山知明さんは西国分寺にある「クルミドコーヒー」のオーナー。
備忘録として共感した部位を順不同に書します。
・「特定多数経済」という新しい経済システムを構想
→いわゆる「農業トラスト」のようなもの。あれを都市経済に持ち込むという発想は私には皆無
・「値段だけでない価値」を商品・サービスに込める思い、努力
→顧客の「消費者的な人格」ではなく「受贈者的な人格」を呼び込み、「健全な負債感」を持たせる
・外(顧客)との交換をギブの原則で行うのなら、内(従業員)との交換も同じ原則で組み立てるという経営姿勢
・「仕事に人をつける」、要は「替えのきく存在」にするのではなく、「人に仕事をつける」
・問題の解が自部門にある場合は管理的な行動が奏功するが、自部門と他者との間にある場合には「協働」が必要となる。そして解が他者に帰属する場合には「支援」が必要となる
・CSRとは、「利用してきた者」による「利用されてきた者」への還元活動
→「利用」ではなく、「支援」し合う関係
・「哲学カフェ」、「クルミドの朝モヤ」
→説得の話法ではなく、場に一つの視点を提供。互いのコール&レスポンスを通じて、参加者は場と対話し、自分自身とも対話
・オープン時の言葉「50年続くお店にしたい」
→よろこんでこの店を引き継ぎたいと言ってくれるような人が現れる店に育てられるのか
→50年後の客にもよろこんでもらえるような、本質的な価値を提供するお店に育てられるのか
・ぼくらが提供しているのは「コンテンツ」ではなく「時間」
→その末に行き着いたのは「手間ひまのかかった仕事をちゃんとする」という結論