先月、親父がまた入院しました。
ブログのネタもいくつかあったのですが、精神的に追い込まれてまして書こうと思っては断念、書こうと思っては断念・・・を繰り返してですね、またしてもこういうネタになってしまいました。
先月、1週間くらいのショートステイから帰宅した親父の様子が少し変でした。
ぼーっとしてるのと足元がいつもよりおぼつかない感じ。
「ねえ?なんとなくぼんやりしてる?」
と聞いてみると、
「うん、そうだな、なんかぼーっとするな」
と、自己認識あり。親父はアルツハイマー型認知症ではあるのだけど、自分でぼんやりを認識しているって言うのは珍しい。それでもその日は普通にご飯を食べて自室で休んでいた。少し前からお漏らしが多くなったなーとは思っていたのだけど、ちょくちょくトイレに行っては尿取りパッドを交換するってのを繰り返していた。半日で3、4枚程度使ったかな。
親父が帰宅する日は準備があれこれあるので、僕自身も少々疲れていた。でもすぐには眠れなくて、1時を過ぎてもうつらうつらする程度でそろそろ眠れるかなーってところで友人からLINEが入った。時間は1時半くらいだったかなー。そこから1時間程度やりとりをして、トイレを済ませて眠ろうとしたのだけど、何か物音がしたわけでもなんでもないのに、なんか変な胸騒ぎがして親父が使っている1階のトイレに行ってみた。
そしたら親父がトイレに行ってる様子だったので、声をかけてみた。
僕:「大丈夫?」
父:「うん。でも、ちょっと動けない」
僕:「ん?どういうこと?」
父:「トイレで転んでしまって起き上がれなくなった」
僕:「え!鍵は開けられる?」
父:「なんとかやってみる」
たまたま鍵に手が届く場所だったのかガチャっと音がして鍵が開いた。
トイレやお風呂の鍵はドライバーなりなんなりで外からも開けることができるのだけどね。
ドアを開けてみると便器の横で倒れてる親父がいた。
僕:「大丈夫かい?どこか痛いとこはない?」
と、親父を起こしてからあちらこちらを触って確認して聞いてみた。
父:「うん、痛くはない。ありがとう。」
僕:「トイレはどうする?もう済んだの?」
と聞きながらふと親父が倒れていた床をみたら、直径でいうと3センチ程度のおしっこたまりがあった。量はそんなに多くなくてせいぜい大さじ2杯弱くらいだろうか。
僕:「どうしたの?漏れちゃった?」
父:「転んだ拍子に。うーん、おしっこはもう出ないな。したいのだけど」
僕:「したくなったらまた行けばいいよ。もう寝ないと。着替えは大丈夫?」
親父の服や下着は汚れてなかったけど、尿取りパッドがいくらか黄ばんでいたので寝室に戻って交換して横にさせた。
兄貴も僕も2階に寝てるし、ほとんどの場合で3時頃は完全に熟睡しているのでもし友人からLINEがきてなかったら親父は朝誰かが起きるまで(僕が起きる5時まで)、トイレでずーっと倒れたままになってたかと思うとゾッとした。そんなに寒い日ではなかったのだけど、2、3時間身動きが取れないっていうのは精神的に参ってしまうだろうし、82歳の親父にとっては身体的にも堪えることだろう。ほんと、偶然に助かったという感じ。自分が完全に入眠せずにうつらうつらしていたこと、友人がタイミングよくLINEをくれたこと。友人にも神様にも感謝したいところ。
で、翌日。
7時過ぎくらいに親父の様子を見に行くと、着替えをしていた。
僕:「大丈夫?どこか痛くない?」
父:「大丈夫。」
僕:「よかった。じゃ、ご飯用意するから起きてきてね」
トイレ、着替え、洗面に1時間くらいかかる親父。その日はすでにトイレを済ませていたのか、比較的早く起きてきた。リビングに入る時にまたなんとなく胸騒ぎがして、もう一度確認した。
僕:「大丈夫かい?どこか調子悪くない?」
父:「実はお腹が痛い。ものすごく痛いのではなく、じわーっとだけど」
前日からの様子の変化、夜中の転倒もあり、かなり不安になったのですぐに診察券を出しに病院に行った(っていうのもクリニックの近所の人が7時くらいから診察券を出して予約しちゃうのですよw)。順番は12番目だったので、家に戻り親父にゆっくりと準備をさせた。
僕:「尿検査があると思うんだけどトイレはどうする?」
父:「行かなくていいかな。実は行っても出ないんだ。あと痔が痛くて・・・」
思ってた以上に大事かも。痔に関しては親父は酒飲みだったせいもあって40年来の付き合いのはず。痔ではない僕にはよくわからないのだけど、普段は自分で「戻す」らしい。それが今日は戻らないらしくて痛いと。
病院に着いて尿検査を促されたのでとりあえず連れて行ってズボンやら下着やらを脱ぐのを手伝っていると、親父のちんこから尿がチタチタと漏れていた。そのまま便座に座らせたら、ずーっとチタチタ出ているからかほんの少しだけ尿が取れたところで、
父:「でない」
と。でも、着替えを手伝っているとやはりチタチタと漏れるのでとりあえず尿取りパッドだけ交換した(3枚ほどいつも持ってきている。他にリハビリパンツ2枚と下着を上下1組、スラックスとポロシャツを1枚ずつ。
そのまま血液検査をし診察になった。
主治医に状態を全て伝えると、去年入院した時のように血液に炎症反応が出てる。もしかすると再発したのかなーってことで、そのまま去年入院した総合病院に紹介をしてもらい行くことに。タイミングよく土曜日だったのだけど主治医がいたのだ。
病院に着いて待ち時間が少しあった。でも30分ちょいくらいかな。
その間に、おしっこに行きたいと訴えること2回、大きい方をしたいと訴えること2回あった。最初のおしっこの時に尿取りパッドに大便が少し着いていた。尿取りパッドを交換する。おしっこは出なかったけど、やはりチタチタ漏れている。2回目のおしっこの時もおしっこはでず。でも尿取りパッドが尿で汚れていたので交換する。親父のおしっこの出かたを例えるなら、パッキンが壊れて水漏れしてる蛇口のような感じ。チタチタ、タラタラとちょっとずつ漏れる。なんだろうなこれと、不思議な感じがした。
で、2回目のおしっこから戻ってしばらくすると、
父:「トイレに行きたい」
僕:「え、また!」
父:「今度はうんちだよ」
僕:「もうすぐ診察で呼ばれるけど我慢できないよね?じゃ、行こう」
父:「もう出てしまった」
急いでトイレに向かったら少量ではあるものの大便が漏れていた。
親父をトイレに残したまま病院の売店に尿取りパッドを買いに行く。普段は尿取りパッドも替えは1枚しか持って行ってないのだけど、今日はプラス2枚の3枚あったのに使い切ってしまったのだ。
親父の用足しが終わったのだけど、痔が「出ている」状態なのでお尻を拭くのが辛いというのでウォシュレットを使わせてみた。なんとか綺麗にできたようなので、着替えを手伝う時に肛門が目に入り、なるほど、「出っぱなし」「戻らない」っていう痔はこういうことなんだと理解。ま、痛そうだよねw
しばらくして診察が始まる。親父が診てもらうのは総合診療科。なのでくどいくらいにあれこれ問診をしながら確認をしていき、触診、CTなどの画像診察をする流れ。CTを撮る前に、
「うーん・・・状態から判断すると、水頭症かパーキンソン病だとしっくりくるかなー。説明がつくというか。とりあえず、去年病気したお腹のところと、頭のCTを撮ってみましょうね」
僕は親父がCTなどを撮る間(他にレントゲンも撮ったらしい)、土曜日の午後になっていたので救急外来の待合室で長々と待たせられた。思えばこの場所は去年の4月に兄貴が救急車で運ばれて、検査が終わるのを待っていた場所。兄貴はその後他の病院に再度緊急搬送されて緊急手術となったのだけど。1年もしないうちにまたここにいるんだな〜と、高齢の家族を見る大変さを思い知らされる気分だった。ま、去年は兄貴だったわけだけどw
1時間から2時間近くまったところで、処置室に呼ばれた。
親父は導尿カテーテルを入れられて、導尿されていた。その時点でパックに溜まった尿の量は1200cc。そりゃお腹も痛くなりますよ。チタチタと尿が漏れますよ・・・
とにかく現状では病名もわからないのでってことで検査入院となった。
このコロナ禍、入院してしまうと会うことはできなくなる。あのお漏らししまくりで、足元がおぼつかない親父を目の当たりにして、実は僕は気が遠くなっていた。あー、この状態の親父の面倒を見るのかーと。
これまでもお漏らしはいくらでもあった。
なんなら数年前に10日間で親父の洗濯だけで10回以上、ダメにした下着の枚数8枚以上って時もあったくらいで。
今回は様子が違ったのは、尿だけではなく便の方も数回に渡って漏らしたこと、痔の様子がよろしくないってこと、夜中にトイレで転んだってこと。
おしっこはなんとかリハビリパンツと尿取りパッドで抑えることができる。
大便も1日に2回くらいまでなら対応できる準備は整っている。
でも、大便を日に3度、4度と漏らされると下着などの衣類や寝具などが追いつかなくなる可能性がでかい。何よりも僕の精神が保てなくなる・・・そんな風に感じたのです。去年、退院してから3週間近く、夜中に親父がトイレなどで起きる度に僕も起きて面倒を見てたのですが、親父は3週間くらいで元に戻っていったから良いけど、僕は昨年末まで1、2時間で目が覚めてしまう、夜間頻尿・・・などに悩まされ続けたわけです。ようやく普通に睡眠できるようになって(と言っても2時間くらいで目が覚めるのは治っておらず)、1、2ヶ月でまたあの生活に戻るのかって思うと気が遠くなって倒れそうになるわけです。
なので検査入院で病名もまだわからず不安があったものの、親父が入院となってホッとしたというのが本音です。
親父が入院して1週間くらいしたところで主治医から電話が。
「お父様の病名は多分、正常圧水頭症でしょう」
とのことだった。この病気は脳の髄液がうまく処理できなくなって、多くなってしまい脳を圧迫することによって、足腰がふらつく、ぼんやりする、尿が出なくなるなどの症状が出るということで、親父の症状に完璧に合致していた。ネットで調べると、「手術で治る唯一の認知症」なんて見出しがあるくらいで、髄液を胃に流すような処理をするための手術をすることで解決する病気とのことだった。ただ、親父は高齢なので手術に耐えれるかどうかわからないことから、手術するかどうかはとりあえず置いといて、この正常圧水頭症の検査をしていくということだった。
検査の方法は脊椎から髄液を20ccほど抜いて脳圧を緩和して、現在出ている症状がよくなるかどうかを見るってことだった。
その検査をやることになったので、親父の入院はそこから少なくとも2週間くらいは伸びて、手術となった場合は一度退院して日程を決めたのちに再度入院して手術となるスケジュールになるとのこと。
・・・ちょっと長くなったので続きは後編か中編で。
この正常圧水頭症と診断されたことで、ミラクルというかがっかりというか、そういうことが起こる可能性が出てきた話から、今日決まったあれこれの話までですね。
長々とありがとうございました。次回もよろしくです。