@PAYASO

少しだけ更新再開してます(愚痴オンリー)

ありがとうアイアムアヒーロー!

2017年03月01日 | I am a hero
アイアムアヒーローが最終回を迎えましたね!

私はまだ読んでいません。
単行本派に変わったので、月末の単行本を待ちたいと思います。

本来ならば、最終回までしっかりレビューしたかったのですが、そこまでブログが持ちませんでしたw


このブログを復活させるということはほぼないですが、最終回記念でほんの少しですが、過去記事を公開しようと思いました。


ありがとうアイアムアヒーロー!
ありがとう、英雄!
ありがとう、花沢先生!


花沢先生の次回作を楽しみにしています。

アイアムアヒーロー、第6巻が発売されましたよ。ってことで、感謝のまとめで~す。

2011年05月31日 | I am a hero
 気がつけば5月30日で、アイアムアヒーローの最新第6巻の発売日でした。

 ほんとはこの記事の前に、ずっと熟考と推敲をしている記事を一つアップする予定だったのだけど、また後回しになってしまいましたwまあまあ、そういう運命の記事なのかもしれません。ネガティブで書いてるつもりはないけど、けっして明るい話ではないですので、もしかしたら神様がタイミングを見計らってくれているのかもしれません。


 そんな話はどうでもよくて、待望の最新巻の発売となったアイアムアヒーローですが、・・・そうですね、多分、過去の記事でも書いていると思いますが、思い切った進行はありません(5月30日発売のスピリッツの時点では)。それでも、この2週は進展があったほうかもしれません。そして、ネタバレをしない程度に書くと第6巻も進展があったほうに部類されると思います。内容的には20分ほどで一気に読めてしまいましたがw

 6巻の内容をびっちりと書いてしまうと、まだ未見なのにたまたまこのブログを目にしてしまった・・・って方もいらっしゃるかもしれないので、とりあえずネタバレをしないように軽くしか触れませんのでご安心を。


 で、ツイッターでは少し触れましたが、物語もそろそろ大きな展開を見せそうな気配もあることですし、過去を少し振り返ってみたいと思います。



 ですが・・・新しくネタを仕込むというのも難しい漫画ですので、自分が更新した記事を振り返りながらということにさせていただきます。


 ・・・長文になると思いますので、ここまで読んですでに厳しい方は離脱をおすすめしますw



 僕がこのブログでアイアムアヒーローに直接関係する記事を書いたのは全部で7つです。実はカテゴリーがあやふやで、LIFEにあったりBOOKにあったりだったので、思い切って「I am a hero」カテゴリーを作ってまとめました。こちらからどうぞ。



 一番最初の投稿は、


 世界が変わる・・・変わった? 花沢健吾 「アイアムアヒーロー」


 こちらの記事になります。投稿日は2009年7月19日です。もうすこしで2年になりますね。月日が立つのは早いものです。実はこちらの記事は未だにグーグル検索のトップにいたりします。当初は驚くことにAmazonやWikiよりも上にあって、トップページのトップ項目にありましたw
 そのためか、僕のこの過疎ブログがしばらくアクセス数が急上昇して、びびって更新ができない・・・という状況においこまれましたwでも、おかげさまでたくさんのコメントを頂き、うれしいとともにやりがいというものを感じさせていただきました。ほんと、感謝、感謝です。


 この記事では10話「臨界」に到るまでの流れと、驚愕の11話について書いています。

 アイアムアヒーローはほんと、普通の漫画として始まりました。ルサンチマンとボーイズ・オン・ザ・ランのファンだった僕は花沢健吾の新作・・・ということだけで飛びついた感がありました。平凡な感じの話は嫌いじゃないので切ることなく読み続けたわけですけど、妄想と怯え、戯れる、売れない漫画家の話なんだな~・・・という認識でした。それが突然の変化に驚くことになったわけです。

 連載開始はたしか4月頃だったので、11話をまっての記事ってことになりますね。あの衝撃はここ数年の漫画では最強だと思います。他には思い当たりません。



 次の記事は、

 花沢健吾の「アイアムアヒーロー」、単行本を買ったよ。


 こちらになります。
 タイトル通り、単行本1巻を買っての記事になります。

 最初の記事が驚愕の11話を中心に書いたわけですが、実はそこに到るまでにあちらこちらで10話、11話に至る事象が描かれているぞ・・・ということをえんえんと書いています。というのは、本編の後ろでノイズ的に聞こえてくるテレビやラジオ、主人公以外の会話などに不思議な事象が見え隠れしているんですよね。これを伏線というかは捉え方として難しいところですが、この世界ではな何かが起こっている・・・と、思わせるには十分なことだし、このノイズをいちいち見つけてしまっていたら、この漫画に期待をせざるをえない状況に陥ったと思われます。

 かく言う僕は、一つ二つは気がついていたけど、全然、流していましたwいや、ちょっとはひっかかってたかな。ま、流してしまったおかげで、驚愕の11話にて思う存分ビビることができたわけですね。

 どんな項目があったか、例えば、


 ・第1話:帰宅し食事をする英雄の部屋で流れるテレビにて、「特養老人ホームで火災、12(13?)人死亡」の見出し。

 ・第5話:英雄、超学館からの帰り道、横断歩道を渡っているとき、インフルエンザらしき話題を通行人がしている。「マスク多くね?」「強毒性のウィルスは宿主が死ぬから、あんまり広がんないんだって。」「でも、そのウィルスは違うらしい。」

 ・第10話:同じく松雄先生の仕事場にて、テレビのニュースで「厚労大臣安否不明」という見出しと、「…臣の病棟で銃撃戦」という見出し。


 こんな感じで31項目の不思議な事象を並べています。それと、たしか、コメントで他に2つくらい追加があったような気がします。


 これを踏まえて第1巻を読み返すと相当面白いです。そして、ここもここもと、どこもかしこも伏線に見えてきてしまうというw


 英雄や徹子って、世の中のことに興味がない感じがあるよね。あったとしても、新聞やニュースをしっかり見ている感じではない。テレビやラジオをかけていても、BGM程度に流す感じ。世の中的にはこの騒動をゾンビ騒動としては認識していなくても、日本の各地にできな臭い事件が起こっていることは認知している可能性は高いよね。でも、英雄や徹子は知らない感じ。これって、漫画を読んでいる読者も同様で、英雄のグダグダ生活を追いかけていると、ノイズ的に入ってくる情報をスルーしてしまうとwこれって、おもしろいよね。よくある手法ではあるけど、ここまで大掛かりにやると凄いね。



 次の記事は、

 少し考えてしまった、前回の「アイアムアヒーロー」



 こちらですね。
 この記事は少し毛色が違います。
 アイアムアヒーローがらみではあるけど、僕の心情というかw

 英雄の職場の上司ってか、先輩の三谷が英雄と共に逃げている最中に噛まれてしまい、そののちに飛行機に首をもってかれて死んでしまうのだけど、その直前に英雄に向かって言ったセリフ


 「…しょ、正直さ今まで ずっと…生きづらかったんだ。

  …生まれて初めて…その
  生きてる感じがした。


  …君も同じだろ?」


 これって、ひびくよねw
 三谷てほんとクソだけど、こうやって正直に吐露されてしまうとそれまでのダメダメな行動とかの理由やら何やらを理解してしまえるんだよね。そして、記事でもしっかりと書いているけど、これは僕自身にしっかりと届いてしまいましたw

 そして、後々わかるのだけど、クルス(漢字わすれた)の信者は間違いなくこの生きづらさを感じている人達であって、この大混乱を機会に何かが変わるかもしれない、変われるかもしれないと思っている人達ばかりなんだよね。英雄だってこの時は認めていなかったし、その後も言及はしていないけど、生きづらを感じ自分が変われることをどこかで感じている一人だと思う。

 そう、

 「アイアムアヒーロー」

 こう言いたいんだよね。

 自分は三谷とは違う・・・と思いながらも、どこかで同じ臭いを感じていたという現実を英雄が感じたシーンであると僕は思っていて、今の自分は本当の自分とは違う。自分はヒーローになるべき人間なんだ・・・と、こころの表面では思っているのだけど、奥底では三谷と同じなんだと自覚している・・・これって多くの人達(僕も含めて)が感じていることだったりして、極端まではいかない、わりとリアルな例として英雄がいるんだな~と思っています。

 その他にもこの三谷と行動を共にしている間にこの物語の全容がなんとなく見えてくるとても重要なシーンですね。


 三谷とクルス信者が口にする言葉・・・


 「自分たちの時代」

 これは大きなキーワードです。昔同じようなことを有名プロレスラーが言っていましたがw



 
 次の記事にいきま~す。

 「アイアムアヒーロー」第2巻、一転、平凡からパニックへ・・・


 こちらもタイトル通り、2巻を買っての感想です。
 この記事の冒頭でも少しふれましたが、この頃のアイアムアヒーローは本屋さんの入荷数がまだまだ少なかったです。第1巻を受けてそれなりに注目はされていたはずですが、まだまだでした。なので、発売日をずらしてしまった僕は購入に苦労をしていますw

 で、実はこの回の内容は、一つ前とかぶっています。つまり、三谷の最後のセリフについてですね。

 驚いたのですが、この記事を読み返してみると今回上記していることと同じようなことを書いていますね。一貫しているようで、ぐらぐらな僕なのでちょっと関心しましたw
 そして、妄想の子分的な存在である矢島との別れがありますね。英雄の自尊心の拠り所であり、妄想の世界の住人である矢島との決別こそ、英雄がリアルでアイアムアヒーローと言えるようになる第一歩であるわけですね。
 
 おまけで描いたのが少し面白かったのでそこをコピペします。


 三谷・・・三谷幸喜(ちょっと顔が微妙だけど・・・)

 松尾先生・・・松尾スズキ

 カズ(超学館の編集者)・・・えなりかずき

 中田コロリ・・・片桐仁(ラーメンズ)

 
 この漫画の登場人物って、個性(っていうかあく)が強いですよね。そんな人に限ってモデルがいるような気がします。それが上記ですね。で、探すともっといますよw



 次の記事にいきます。


 「アイアムアヒーロー」 世界の終わりに思うこと。


 この記事のタイトルを何気に気に入っていますw

 えっとこの回はブログの更新を怠っていて、3巻のレビューながらすでに4巻も発売されていて、さらにはスピリッツ誌上でも進展しているというw

 えっと、この回はいよいよ登場した比呂美ちゃんの話が多かったね。比呂美ちゃんと紗衣ちゃんとの関係、英雄と徹子の関係、英雄の職場の人間関係などに言及しながら話を展開しています。人間関係の希薄さと危うさ、気持ち悪さ・・・常に日常のシーンでどうしても感じてしまう嫌な側面ばかりですね。

 「私たち・・・誰も仲良くないから・・・」

 これは比呂美ちゃんのセリフ。
 僕は男子校出身なので、女子高生というものが何気にピンとこないけど、比呂美の学校は嫌な雰囲気だったね。比呂美はいじめられているのだけど、その主犯たる紗衣ちゃんとは心の奥底でつながっていて、でも、紗衣ちゃんはその立場もあってか比呂美とは近づきたくても近づけない関係(記事ではヤマアラシのジレンマと表記してます)なんだよね。

 それに対して、英雄と徹子の関係は非常に危ういというか。徹子は間違いなく英雄を愛しているし、英雄だってそうなのだけど、英雄は自分自身へのコンプレックスがあるために、どうしても徹子の愛を信じきれていない。でも、そんな自分が嫌でしょうがなかったり、それを受け止めてくれている徹子がますます好きだったり。これはう~ん・・・僕もそうだけど、相手に対してどうしても感じてしまうことだよね。自分の自信のなさが相手の愛情の薄さに転嫁してしまうというかさ。好きという感情はやはりデリケートで、どんなに対等な立場とお互い言っていても、引け目を感じてしまうことへつながる理由はたくさんある。まして、英雄の場合は徹子の元彼の存在が何時までもあったんだろうね。

 そして、英雄の職場の人間関係・・・これは今更語るまい。なんかやだよね。


 この記事の頃のスピリッツでは、話が急展開しているころで、凄いところで5週休載という状況に陥ります。

 「・・・・・・・・・・・そして、世界は終わってゆく」


 この言葉で休載に入ったような気がします。



 次にいきま~す。


 ・・・

 ・・・

 ・・・



 えっと、ここから数回はそれほど内容がないです、僕の記事w

 



 ということで、6巻の内容に少しふれていきます。


 どうやらゾンビになりつつある比呂美をつれて、逃避行続けている荒木と英雄はショッピングモールに向かう。ネットの情報でここにバリゲートをつくって人が集まっているという情報があったから・・・



 あのね、ネタバレ防止のために思いきって言及するのは避けてたけど、ここまでの展開って何気に予想してなかった?僕もそうだけど、アイアムアヒーローファンの人達は?


 比呂美の登場は2巻の表紙でわかるのだけど、それ以外の協力者(荒木)の登場とか、どこかに立て篭もるとか・・・


 パニックものの王道とかパターンだったりするわけだけど、この展開はやむを得ないというか、譲れない感じがするね。ただただ、車にのってゾンビから逃げるだけだってつまらないし、どこかで誰かがコミュニティを作って立てこもっているのという展開は面白いよね。

 そして、比呂美の感染とゾンビと人間の合間で漂う存在となる・・・というのも、王道だけど良い展開だと思います。6巻で藪が言及しているけど、比呂美はこのパニックを収束させる存在になりえるわけです。ただただ悲しい存在で終わることはないとと、今のところは予想できます。


 ま~、どちらにせよ今後の展開に期待ですね。



 
 あのね、今回の記事はもう少しデータ的に展開しようかと考えたのね。
 でも、自分の記事を振り返ってみてさ、観念的だったり思想的な話が多かったのです。これを数値化するのは面白くないし、この漫画自体、数値化してしまったらつまらないかなっても思ったのです。例えば、箇条書きで1巻にある複線的要素をあげたりはしたけど、意外とこの漫画って心理的な要素が多いんだよね。しかも、それを大々的にアピールするんじゃなくてさ、ちらほらと散りばめる程度でさ。花沢健吾の漫画全てに通じることでもあるけど。

 なので、自分が思いつきで感想やら分析をしてきたものこそが、一番かな~とおもったのです。


 それとね、今回の記事書くにあたって、自分の記事はさっと流す程度でしか読まなかったのだけど、コメントはしっかりと読み返させていただきました。

 ほんとね、うれしかったですよ、コメント。


 みなさん、こんなだらだらと長文を垂れ流しているブログを見てくださって、しかも丁寧なコメントをたくさんいただけて、幸せを感じました。自分の見方だけではたどり着いていないところにも、みなさまのコメントから気付かされることが多くて、より深くこのアイアムアヒーローを楽しむことができています。ほんと、ありがとうございました。


 コメントの中に多くあったのが、身近な人でこの漫画の話をする人がいないって方や、友人と語り合ってさらに色々知りたくなってここにたどり着いた方が多くいらっしゃって、僕の場合も完全に話をする人がいないからここで書いているわけであって、一緒に同じことを共有できる喜びも感じましたよ。



 花沢さんの漫画からすると、アイアムアヒーローも折り返しをすでに迎えているかもしれませんが、もう少し続きそうです。僕がどこまで深く理解できるかはわかりませんが、この漫画が最終回をむかえるまでは定期的に記事を更新していきたいと思います。もちろん、時間を少しおいて6巻についても書こうとも考えていますよ。

 ですので、どうぞ、これからもよろしくお願い致します。


 ほんと、読者の皆様、感謝、感謝です!



 
アイアムアヒーロー 6 (ビッグコミックス)
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アイアムアヒーローの展開に期待とスピリッツの今。

2011年03月06日 | I am a hero
 そろそろコンビニではスピリッツの新刊が並べられ始めるころでしょうか?

 
 僕は地方なので今の時間はまだですね。もちろん、フラゲもないです。
 前にコンビニでバイトしていた時に、日曜夜勤のシフトがあったのですが、だいたい3時か4時くらいだったですかね、僕の働くコンビニに本が回ってくるのは。まー、地獄なわけですけどね、本出しw


 ま、それはいいとして、アイアムアヒーローの先週号は見ましたか?


 コメントをいただいたいる方はコミックス派という方が多いですので、ネタバレはさけておきますが、とりあえずここ数回のアイアムアヒーローは少しずつではありますが展開を見せております。


 がっかり・・・ではありません。

 ですが、結構、予想していた展開であったりもします。

 「○○になって、○○が○○して、○○の○○が○○になって・・・」

 なんていう展開を予想していたとして、細部は違ってもずべての○○が当たっていたみたいな。


 このブログでは予想は書いていなかったと思います。
 でも、この展開がよいと思うからこその予想なんだよね。だから、期待はずれではないです。期待を裏切られる展開というのも期待していたけど、そうなると世界崩壊的なことになりそうでwデビルマンのマンガ版的な要素や展開もあるので、やはり、こういうところは予想できてしまいますよね。



 アイアムアヒーローはコミックが発売されたらまた書きたいと思います。ま、あれです。ここからどういう風にもっていくのかが、このマンガが神マンガとなるかどうかの分かれ道ですね。



 さてさて、今回はスピリッツの話でも。

 ついにホムンクルスが最終回を迎えましたね。
 足掛け7年くらいでしょうか。気が付けば長期連載でしたね。僕は心理学の勉強をしていたわけで、やはりくいついておりました。もともと、山本秀夫さんのマンガは好きで、のぞき屋は全巻もってるし、1も全部しっかりと読みました。

 なので、最終回がどんなふうになるのかも楽しみなホムンクルスでしたw

 ただ、ホムンクルスはホームレスの人が自殺したちょっと前あたりから展開がイライラでした(つか、連載3年くらいのところで挫折気味でしたw)。そして、最終回前の2話は笑いがとまりませんでした・・・もちろん、心理学的なことでは興味深く、結局、人間ってのは対象がなければ存在しにくいもので、自分とは何なのかというものを模索していくと、家族の中にいる自分、友人の中にいる自分、恋人の中にいる自分・・・それらが全て合わさってようやく、本当の自分自身になるんですよね。もちろん、自分の中の自分もいるわけで、その自分が自分にとってはより自分なんだけど、それが一番あやうかったりして見失いがちになるものだし、疑問にも思うものだったりするわけです。そもそも、他人が自分をどう思っているか・・・?というのがその現れだと思います、僕は。そんな分かっているようで分からない自分を補完してくれるのが、他人の中にいる自分なわけです。

 だから、ああいう形で体を合わせることでお互いを補完する・・・ということだったのかな。


 ただ、ああやって絵にしてしまうとあまりにもグロテスクで、おかしくってというわけですね。多分、名越の相手の子もそう見えているだろうと、少なくとも名越は思っていたのだろうと。
 
 でも、最終回は好きだったな。
 みんな名越顔になっているんだけど、それに向かって「よーっ」って手を上げていくのは良かったよね。僕は心理学を極めることはもちろんできなかったし、それどころかもう一段段階を上げることもできなったんだけど、心理学者の方たちはどういう風に考えているんだろう。結局、人間って、最後まで自分自身をわからないままなんじゃないかな~って、心理学的とかそういうんじゃなくて僕は思っています。でもさ、友達、特に親友と言える存在とかさ、恋人とかってなるとより多く自分を補完してくれるよね。だから、ぼっちはきついと感じるんだろうね。



 と、ずっと巻末レギュラーだったホムンクルスが終わってしまったわけですね。

 ただ、新連載も始まっておりまして、一番最近のだと「キックのお姉さん」と「あさひなぐ」になりますかね。


 こちらはどちらも新人さんになるのでしょうか?

 僕はちょっとわからないのですが、「キックのお姉さん」は少し狙いすぎな感じと、絵が下手ですねw
 まったくつまらないわけじゃなく、今後の展開によっては・・・と思っています。ただ、最近、少し絵がうまくなりましたかw

 「あさひなぐ」はいわゆるマイナースポーツの王道スポ根ものですかね。
 こちらはかなり期待しています。まず、絵が好きです。無茶苦茶うまいってわけじゃないのですが、見開きを思い切って使っている感じとかいいですね。あと、無茶苦茶こてこてな王道展開ってのもいいですね。Girl meets boyがあり、天才的な先輩と、天才的なライバル。でも、ヒロインは未経験者。しかも先週号では先制布告してましたしw


 おやすみプンプンは4月から再開なのですが、「おーみ先生の微熱」は事情によりしばらく休載します・・・だったのが、何も書かれなくなりましたね。スピリッツにはない感じのだったのでちょっと期待していたのですが。絵は少し嫌いでしたがw


 さてさて、3月は少し忙しくってマンガを読んでいる暇をとれな・・・ってよりも、たくさん未読の本がたまっているのですよね。読書の時間はベッドに入ってから眠りにつくまでなのですが、最近は数ページ読むとすぐにw


 ・・・ま、マンガ以外も本を紹介できたらと思っていますw

展開に苦慮@アイアムアヒーロー

2010年11月11日 | I am a hero
 果たして5巻はいつ発売なのだろう・・・


 年末あたりかな~と予想している、花沢健吾氏の「アイアムアヒーロー」ですが、ようやく休載から復活しました。


 ※思いっきりネタバレしてしまうので、スピリッツを読んでいない方、単行本の刊行まで内容を知りたくない方は後日お読みくださいね。




 

 
 休載前の回は久しぶりの衝撃でした。
 比呂美にゾンビ化の兆候が現れての5週休載…ほんと、再開が待ち遠しかったです。

 そして、再開した回には英雄と比呂美、おっちゃん(名前忘れた)は登場せず、大阪でのパニックの様子と某大型掲示板(2chですね)を模した名無しさんたちによる会話。おもいっきり肩透かしを食らった気分でした。翌週も同様の展開。さらにその翌週(今週分)も同じ…と思っていたところに最後の方でようやく英雄の登場となりました。

 この展開には賛否両論があると思います。
 
 引き伸ばしのため、次の展開を考えるため・・・マイナスなものを考えると尽きません。しかし、こういったパニック物につきものの展開でパニックの範囲がどこまでかわからないもの、封鎖などによって範囲が限られているもの、といったものです。しかし、アイアムアヒーローの場合は第1巻の「臨界」に達する以前に、英雄達の後ろで流れるニュースなどで地方でも噛み付き事件が起こっていることが示唆されています。また、石神井周辺で起こっていた事件が英雄の逃亡によって、東京全域、富士樹海周辺、さらには富士山5合目からの様子で関東全域まで広がっていることが予想された。


 この一連の事件の発端は何か、どのような経緯で感染が広がっていったのか…まで、物語の中で語られることはないのかもしれないけど、日本全土で事件が起こっているということは物語の厚みを増すことができるような気がする。もちろん、閉鎖空間で展開していく物語も面白いのだけど(ちなみに、来年発売されると思われる、龍が如くの新作は神室町の一部が閉鎖されるらしいです)。

 今後の展開として、英雄達の逃避行はどこを目的とするのか、そして、全国的にパニック状態なら八方塞なわけで、どうしようもないのではないか・・・など、様々なことが考えられる。


 そして、ネットによる情報の広がりが、これまでの映画などではなかった展開といえるかもしれない。
 三谷が言っていたyou tubeの動画の詳細が分かったわけだけど、ひきこもりをカリスマ的存在にするあたりが花沢氏らしくておもしろい。この引きこもり・ニートが来栖というわけだけど、こいつがこのパニックの預言者となり、こいつの発言があちらこちらで影響を与えている。それは三谷であったり、富士の登山口で呼びかけていた奴だったりする。そして、今週号では掲示板の書き込みに、

 「クルスの下に集まれ」

 という書き込みが挿入されている。
 「クルス=来栖」なわけなんだろうけど、果たして、来栖は何者なのか、来栖はどこにいるのか、来栖はまだ生きているのか・・・?何かしら今後の展開で重要になってくることが予想される。


 大阪での感染拡大、パニックの様子も救いがたいもので、さらには英雄達が登場しない中で物語が進行しないイライラを抱えながらも、ザブングル加藤らしき人物が「カッチ、カチ」をやりながらゾンビとなっている描写があったり、井の頭公演の池でボートにのって避難しているカップルのもとにバタフライをしながら近づいてきて襲うゾンビ(これも誰かモデルがいるっぽいねw)が登場したりして、笑わせてくれる。



 以前、どのたかのコメントに返答したさい、WOWOWでみたゾンビものの映画の話をしたことがあったと思うけど(コメントじゃなかったかもしれないです)、その映画の名称は「デイ・オブ・ザ・デッド」でした。この映画は、ジョージ・A・ロメロの『死霊のえじき』のリメイクらしいのですが、先日、またWOWOWで放送されていました。この映画での人間がゾンビ化していく様子がアイアムアヒーローのそれと似ていました。目が充血して(映画は白濁かな)、血管が浮き出てくるかんじがまさに一緒かなと。

 んで、以前のコメントの返答でも触れた、この映画に登場する仲間を襲ってこずに、少々言葉が理解できるゾンビがいるんだけど、もしかすると比呂美はこいつのような扱いされるのかな~とか、思っています。


 今週号の後半過ぎでようやく英雄達が登場するんだけど、英雄とおっちゃんは首にスカーフっぽいものを巻いている。んで、

 「すでに一人やったのだから」

 的なセリフがあって、比呂美を撃ったことが示唆されるとともに、おっちゃんの車の後部座席に寝袋らしきものにくるまれた物体が最後のカットで描かれている。
 これまでの展開からすると、多分、これが比呂美の死体で、まだゾンビとして襲ってくることを懸念して、うなじあたりを噛まれないようにスカーフっぽいもので首をガードしているのかな~と。



 あまり内容がない投稿となってしまいましたが、今後の展開がとても楽しみになってきました。この漫画が名作になるかどうか、最終回を迎えるまで分かりませんが、このようなうがった見方をせずに純粋に楽しみたいと思ったりもしますねw


 
デイ・オブ・ザ・デッド DTSスペシャル・エディション [DVD]
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アイアムアヒーロー 5 (ビッグ コミックス)
花沢 健吾
小学館


 ↑第5巻の予約がありましたね。どうやら、12月25日発売予定のようです。

同時代の人@創魂Vol.33 花沢健吾 

2010年10月20日 | I am a hero
 いつも私の拙いブログ、とりわけ、「アイアムアヒーロー」の記事を読んでいただきありがとうございます。そして、たくさんのコメントをいただき、本当にありがとうございます。それなのに私ときたら随分とブログの更新をさぼってしまって・・・


 ここ最近、ずっとバタバタと気忙しかったというのもあるのですが、グッとブログの更新を我慢する時もあったりします。

 な~んか、余計なことをたくさん書いてしまいそうな時はグッと我慢。心のぐちゃぐちゃや愚痴や弱音を書くのもブログの大切な部分と思っているのですが、最近はそれを我慢してこそ楽しく有意義な場所になるとも思っていて。気が付けば随分と長いこと生きてきましたが(まだまだ若輩でもあるわけですがw)、世の価値観は百万通りどころか人の数だけあるのだなぁ~と、ようやく理解し始めたところです。それなのに、自分の我を通そうとしたり、自分の正義や理屈を通そうとしたり。日々、反省なわけです。そんな中でも、私の拙い論評などに共感してくれる方もたくさんいることに嬉しくも安心感を抱くしだいです。
 
 こんな楽しい場所を自ら荒らすことの愚かさを理解した上で、グッとこらえて・・・と、またしても余計なことをたくさん書きそうなので、本題にうつることにします。


10月に入って、スピリッツでは創刊30周年記念月間として、さまざまな企画が催されている。記念月間突入号となる44号では、高橋留美子さんの読み切り漫画が掲載されており、翌45号ではウシジマ君のドラマ化を特集したDVDがついていたり松本大洋氏の読み切り掲載と、ちょっとしたお祭りとなっている。最新の46号では「美味しんぼ」の久々の連載再開に吉田聡氏の読み切り掲載と、それはそれは豪華になっているわけです。
 記念月間とは別に、今年に入ったころから30周年記念の企画がいくつか連載されていて、その1つが表題の「創魂」と題された、創刊30周年記念インタビューである。漫画家さんだけではなく、例えば今田耕司さんなどの各界の著名人もインタビューを受けているのである。


 そんな中、44号では「アイアムアヒーロー」の作者である花沢健吾氏がインタビューを受けていた。

 
 実は、私と花沢氏の年齢はとても近く(私の方が年下w)、インタビューでも同じ時代を生きてきた人・・・であることを実感させられましたw


 僕が一番最初に自分で希望して買ったコミック本は「キン肉マン」でした。
 やがて、一番最初に買ったコミックは一番最初に全巻揃える漫画となった。花沢氏の場合、小さい頃にキン肉マンのパロディ漫画「バカマン」を小さな冊子を作って書いて友達に見せていたそうです。自分の人生を振り返って、一番最初になりたいと思った職業は漫画家でした。もちろん、絵の才能があまりにもなかったので小学生の段階でそんな夢を語ることはなくなりましたが、小学校低学年~中学年のどこかで、将来の夢は漫画家です・・・的なことを文集みたいなものに書いている。そして、誰かに見せるということこそなかったけど、藁半紙を10cm四方に切って10枚ほど重ねたものをホッチキスでとめて、背表紙をつけて小さな冊子を作って遊んでいたこともあった。小学校2年生くらいのことだったかな。僕が自分から考えたということはありえないので、なんかの切欠で流行っていたのだと思う。花沢氏のそれとの共通点はないのかもしれないけど、どこか同時代性を感じずにはいられないわけです。

 そして、キン肉マンも連載していた週刊少年ジャンプも黄金時代に突入するころだったと記憶している。

 花沢氏もジャンプっ子だったそうで、「ハイスクール奇面組」を愛読していたそうだ。
 僕的には、キン肉マンももちろんだけど、「北斗の拳」、「キャプテン翼」、「きまぐれオレンジロード」、「流れ星銀」、「聖闘士星矢」、「シティハンター」、「魁!男塾」なんかにどっぷりとはまっていたのを覚えている。どれも長期連載だったので、時代がぐちゃぐちゃだけど。そんな中でも、思春期に入っていない時期にであった「きまぐれオレンジロード」にはどっぷりとはまりすぎて、「鮎川まどか」に完全に惚れてしまうという、なんとも痛い時期を過ごしたりもしている。今住んでいる所から引っ越して、転校して、そこが高台のある町だったら鮎川まどかに会えるかもしれない・・・などと、信じられない妄想っぷりだったのである。ま、実際には僕の父は地方公務員で職場の特性上、転勤が無いわけでw

 やがて、「ドラゴンボール」の存在がやたらとでかくなり(これも長期連載なんだよね)、ジャンプの長い、長い黄金期がはじまる。ドラゴンボールが下火になっても、「SLUM DUNK」やらなにやらと、兎に角凄い勢いだった。僕は現在隆盛を誇っている「ワンピース」が始まった頃にジャンプを読むのをやめている。同時期に、週刊少年マガジンも読むのをやめた。


 花沢氏は僕より少しだけ年上ってことで、「ハイスクール奇面組」の頃にすでに「スピリッツ」や「ヤンマガ」等の「週刊少年○○」の次の世代むけの雑誌を読み始めている。そこで、「めぞん一刻」に出会っているそうだ。僕の友人にも漫画好きでちょっとませていた奴がいて、そいつに「めぞん一刻」を紹介してもらったことがあるけど、アニメ先行だった機がする。花沢氏の場合も、漫画に詳しい同級生の家で「スピリッツ」と「めぞん一刻」に出会ったそうだ。
 僕も「めぞん一刻」にどっぷりとはまった時期があったけど(現在でもはまっていると言えばはまっているのだが)、それは連載もアニメもとっくの昔に終わった、中学生を卒業した後にまとめ買いをした単行本が切欠だった。ま~、鮎川まどか以来に恋をしたよね、管理人さんにw高校生になったというのにね~w

 
 花沢氏のインタビューでは、95年のスピリッツを編集者が花沢氏に見せてインタビューを進めている。

 花沢氏は、当時のスピリッツは4コマ漫画が充実しているといい、ほりのぶゆき氏、中川いさみ氏、吉田戦車氏の名前をあげている。そして、「愛しのアイリーン」「14歳」「奈緒子」など、当時連載してた漫画の名前が並ぶ。

 僕も1990年代に入った頃からスピリッツを読み始めている。同時に、「ヤンマガ」「ヤンジャン」「ヤンサン」のどれかを2,3冊、読んでいた。でも、何故か読み続けているのはスピリッツだけ。普通は、ヤンマガやヤンジャンなんだろうけど。漫画にこだわりはあまりなかったりするが、この点がほかの人(特に同年代)と僕が違う点かもしれない。ほんの些細なことだけどねw



 花沢氏のインタビューで出てきた「中川いさみ」は「アイアムアヒーロー」でも出てくる。第1話で夜の恐怖に打ち勝つために作った魔法陣の一角を担うのが「くまのプー太郎」だったりする。確かに、中川いさみの漫画は恐怖からは対極の位置にあるものw

 そして、このシーンの少し前でも同年代であり、同時代を生きたんだというひとコマがあったりする。


 単行本第1巻の27ページ。
 恐怖に取り付かれ始めた英雄は、三谷の似顔絵を貼ったサンドバックを叩いて憂さ晴らしをしているのだけど、スイッチを入れていたラジオから流れるパーソナリティの声は、

 「えー、次の曲は……
  山崎ハコの『呪い』です。

  ……コーン コーン コーン 釘をうつぅ」

 と、山崎ハコの「呪い」を紹介し、曲がながれる。冗談のような曲名と歌詞。この曲は近年、様々なバラエティ番組で紹介されたり、ちびまる子でも取り上げられたりと、山崎ハコの代名詞的な曲として有名になったけど、多分、僕らの世代の人が初めてこの曲に出会ったのは、「大槻ケンヂのオールナイトニッポン」だったと思う。番組で何度となく取り上げられて、毎週のようにかけられた時期があったのだけど、僕が最初に聞いたのは大槻ケンヂのオールナイトニッポンを聞きながらそのまま眠ってしまい、ふと目を覚ますとこの曲がかかっていた・・・という、なんとも怖いシチュエーションだったりします。もちろん、その夜はその後、英雄のごとく恐怖に取り付かれて眠れなかったわけですが。

 

 とまあ、あまりにも自分よりな視点で花沢氏のインタビューを読んでしまいました。
 ほんの少しでも昔の楽しいことなどを思い出せて、ほんの2ページのインタビューながら楽しませてもらいました。花沢氏の漫画「ルサンチマン」の主人公は印刷工場で働いているわけですが、それも花沢氏の前職が印刷工場だったからなんだ・・・などと、ちょっとした豆知識もはいったりしましたよ。


 さてさて、ようやく来週の月曜日に「アイアムアヒーロー」の連載が再開します。
 果たして、どんな展開が待っているのでしょうか。比呂美の運命やいかに・・・


ルサンチマン 1 (ビッグコミックス)
花沢 健吾
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「アイアムアヒーロー」 世界の終わりに思うこと。

2010年09月13日 | I am a hero
 ブログの更新を完全に怠っておりますが、僕のブログのアクセス数はこの1年間すごいのです。

 それも花沢健吾氏の漫画、「アイアムアヒーロー」のおかげです。
 人気のほどはどうなんでしょうか?
 コミックの売り上げなどはワンピースなんかが圧倒的でしょうし、日本漫画大賞2010では、おしくも4位でしたが話題性やインパクトでは群を抜いている気もします。僕がいつも行く本屋さんでも最新刊の第4巻の発売に合わせてコーナーが設置されました。


 第3巻のレビューをと・・・と、ずっと思っていたのですが、いつの間にやら第4巻が発売されてしまいましたw

 単に僕が更新を怠っていただけで、アイアムアヒーローの連載ペースが上がったわけではありません。きちんと定期的に休載がありますし、物語の進行具合も加速度はついていません。あまりにもドラマチックな展開なのに、どこかゆったりとしたマイペース感が漂うのは、花沢氏の漫画のよいところかもしれませんね。ゾンビの増殖は確実に加速度がついているのに、主人公・鈴木英雄の情けなさからなのか、危機感や恐怖感は感じるものの、完全にピンと張った緊張感とはちょっと乖離しているかな~と感じます。ところどころに笑いの要素が程よく入っているのも、主人公のキャラ設定のたまものでしょう。そして、そんな英雄の情けなさもパートナーとして登場した、女子高生・早狩比呂美の登場で浮き彫りになっていく。

 この早狩さんは、第3巻中盤からの登場ながら、なぜか第2巻の表紙に登場します。そんなところからも物語のキーパーソンになっていくのは予想できます。早狩さんは英雄とは対照的で、情けなさではなく、芯の強さと凛々しさで物語の緊迫感を薄めているのが特徴的。本来ならば女子高生キャラの登場はパニックになって場を荒らしてしまい、早々に死亡フラグがたってもおかしくないのだけど、そうじゃなく、常に落ち着いていて、英雄の情けなさ、優柔不断さなんかを強めてしまうところが面白い。


 そして、この早狩さんのバックグラウンドを知るにつれて、この漫画のもう1つのメッセージみたいなものが見えてくる。


 それは、人間関係の希薄さ、危うさ、気持ち悪さ。
 
 早狩さんは学校ではいじめられていて、でも、そんないじめの主犯たる紗衣ちゃんとはどこか深いところでつながっていて。

 「私たち…誰も仲良くないから…」

 このセリフが最も顕著に表しているように、友達、仲良し、親友…現代の世の中でこれほど危うい言葉はないくらいに、他人の気持ちが分かりえず、不安を抱えているのがリアルなのではないだろうか。そんな中でも、早狩さんと紗衣ちゃんの関係はヤマアラシのジレンマを感じずにはいられない。多分、友達、親友という関係に一番近いところにいるはずなのに、それ以上近づくと紗衣ちゃんは自分自身を維持することができなかったのだろう。

 
 英雄と徹子の関係も危うさをもっていた。
 英雄は徹子のことを信頼しているつもりなのに、徹子の元彼で才能のある漫画家であり、しかも金持ちの中田の存在が不安でしょうがない。徹子は英雄の漫画家としての才能を信じ、ステップアップのために中田の漫画と引き合わせており、そのことを英雄も理解しているのに、どうしても徹子を信じきれない。その原因が自分自身への自信のなさであることが他へ知られることが怖すぎるので、理論武装をして強がって見せる。誰にも情けないところは見せられない(ダダ漏れなのだけどw)から、妄想の住人である後輩・矢島を相手に強い自分を創りだし、バランスを保っていた。でも、矢島はもう消えてしまった。
 単行本4巻から先の話になるけど、英雄は何故か早狩さん相手に自分の弱さを堂々と露呈しはじめている。そして、こんな緊急時なのにどこか楽そうなのもたしか。

 英雄の職場の人間関係ももっとぐっちゃぐちゃだったよね、そういえば。
 ちょっと地味目でおとなしそうな、アシスタントのみーちゃんを取り巻く男関係はどぶ川の底のように淀みきって、気持ち悪いものだった。英雄と似たようなパーソナリティーを持つ三谷のみーちゃんに対する思いの方が、よっぽど清潔であったくらいに。


 三谷が死ぬ直前に示唆した、生き難さと閉塞感と、それからの開放。
 生き難さを感じる人たちが行き着くさきは、リセットである。それはつまり、世界の終わりだ。
 世の中のシステムが崩壊して、つまり、リセットされてもう一度構築されていく中で、自分の居場所を作り出すことこそが、行き難さからの解放なんだよね。なので、ゾンビだらけになっても待ち望んだ世の中であるという人種は確実に存在するのだ。多分、何も変わらないはずなんだけどね。

 
 ゾンビを目の当たりにしての人々の対応にも人間関係がにじみでている。
 果敢にゾンビに向かっていくもの、襲われている人を守るもの。自分が逃げることしか考えない人・・・近しい人がゾンビになった時の対応もそうだろう。英雄が徹子に対してしたこともそう。ゾンビ化してしまった人達だって、自分が一番強く思っていたことを口にだしている様子が伺える。また、英雄と早狩さんの前に現れた首吊り状態のゾンビは、自らが他人に危害を及ぼさないように、手紙を残し、首を吊っていた。ゾンビ化しても、早狩さんから家族写真を受け渡されることによって、自らゾンビとしての命を絶った(ここにもしかしたらゾンビの攻撃性をおさえるヒントがあるのかも・・・漫画的だけどw)。





 さてさて、物語は進んでなさそうでじわりじわりと進行しています。

 第4巻から先の話はがっかりさせてしまいそうだけど、劇的な展開はないです。でも、確実に進行しています。政府の記者会見は要領をえず、安全であろうと向かった先はやばい状態だったり。そして、本日発売のスピリッツの「アイアムアヒーロー」の最後のページの欄外コメントは、



 「……………そして、世界は終わってゆく。」


 
 劇的な展開はなく、予想していた状態であったのだけど、やたらとひびくこの言葉は第1巻最終話につぐ衝撃を覚えました。多分、ここから先、少し物語りが展開していくでしょう。僕が編集者ならばそうしますw


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「アイアムアヒーロー」第2巻、一転、平凡からパニックへ・・・

2010年02月25日 | I am a hero
 本屋さんで本を買うときって、よっぽどでない限り発売日にわざわざ行かない。


 これは僕の昔からの習性・・・っていうか、そんなもんじゃないですか?

 週刊誌や月刊誌ならともかく、小説や漫画などは売り切れになることなんて滅多にない。発売から数日たってもちゃんと売っているもの・・・そう思っていた僕は古いのでしょうかねwそういえば、ハリポタなんかドラクエなみの発売日イベントやってたわけだし、村上春樹氏の小説は売り切れ続出だったらしいし。

 「アイアムアヒーロー」第2巻も今まで同様に発売日から数日経過してからいつも行っている本屋さんに買いにいったのです。しかし売り切れでした。他の本屋さんでも売り切れてました・・・もちろん、大人気コミックと比べれば、コンビニ販売もないし発行部数も少ない。なくなっていても不思議なことではないわけで。でも確実にこの漫画の人気はきていると思いますよ。



 第1巻では第10話「臨界」と第11話にて一気に世界観が変貌してしまったわけなんだけど、第2巻はまさにパンデミック・・・もう、ぐっちゃぐちゃです。朝起きて世界がいきなりこうなっていたら、人間、受け入れることなんかできるわけがない。そして漫画の中と同様にわけもわからないままに、「様子が変わってしまった」隣人に噛まれてしまうわけです。
 先日放送された「アメトーク」にて、なんともタイムリーなことに城田優さんが、

 「僕は世界がゾンビ映画のようになってしまったら、自分の身を守れる自信があります」

 的な話をしていたけど、僕は無理だなぁ~。
 なんでも城田さんはホラー映画好きらしく、そういった妄想をして楽しむのだそうです。ちょっと考えなければなんないのかな~、ゾンビ対策・・・いや、まじでw


 第2巻の序盤は第1巻ラストにて変貌してしまった徹子とのやりとりから・・・

 果たしてこれがやりとりと言えるのかどうかわからないのだけど、完全にゾンビに変貌してしまった徹子をまだまだ受け入れられない英雄の描写がなんともいえない。やがて英雄は徹子がもう死んでしまっているのと同じであると認めて、自ら首を切断する。
 
 次に仕事場での三谷とのゾンビ退治のシーン。
 松尾先生と、先生と不倫関係にあったみーちゃんがともにゾンビ化しており、英雄が到着すると果敢にゾンビと戦う三谷の姿が。三谷の妄想なのか、ストーキングの結果に得た本当のことなのか、みーちゃんの裏の顔になんとも人間のいやらしさを感じながらも、さもそれが当たり前のことのように現実として受け入れている三谷が人間らしく感じる。
 なんとか松尾とみーちゃんを撃退した2人だったが、逃亡中に三谷がゾンビに指をくちぎられる。その後、墜落する飛行機にひっかけられ首がとび、ゾンビ化する前に死亡してしまう。


 この2つのシーンにて、世界の変化にともなって、英雄自身も変わらなければならないということが示唆されている。


 まず徹子の部屋にて、徹子をベッドに運んだ英雄だったが、ゾンビ化して理性や知能のほとんどを失っている徹子の口から元彼の名前がでる。ゾンビ化してまで元彼である中田のことを忘れていない徹子に対して包丁を振り上げる英雄だったが、結局振り下ろすことができない。その時、英雄に声をかけてきたのが、いつもの「矢島」だった。でも、矢島はいつもの姿をしていない。


 「・・・大丈夫ですよ。これは全部先輩の妄想ですからざっくりやっちゃいましょう。」


 と、矢島は徹子が死んでいること、徹子を殺してしまってもこれは妄想だから大丈夫だと言ってくるのだが、英雄は、


 「こんなに・・・なってもてっこの匂いがするんだ。やっぱり現実だ。」


 と、妄想=矢島を否定する。
 矢島はいつもの姿ではなく、崩れかけた影のような形で登場し。「役にたてなくてすいません」と消えてしまう。見えないもの、霊的なものに対して異常に恐怖心を感じ、なんともいまいちな自分の人生の逃げ場として英雄は妄想の世界にいりびたっていたのではないかと思う。そして、その妄想の世界の象徴だったのが後輩・矢島だったわけだ。しかし矢島は消えてしまう。
 現実は妄想よりも妄想らしくなってしまい、たとえ妄想の世界に逃げ込んだとしても現実はどこまでも追いかけてきそうだ。現実は非現実的になってしまうことによって、より現実としてリアルになってしまった。もはや英雄には逃げ場としての妄想の世界は意味がなくなり消失してしまった・・・ということなんだろうと。
 つまり、英雄は現実ととことん向き合っていかなければならなくなり、それに伴う矢島(=妄想の世界)の消失なんでしょう。


 んでもって次に三谷とのシーン。
 三谷と仕事部屋から逃げ出したが、その途中で三谷は指をくいちぎられてしまう。そしてその後に飛行機にひっかけられ命を落とすのだけど、指をくいちぎられた後に三谷らしくもなく、英雄に対して心情を吐露している。

 「・・・しょ、正直さ 今まで、ずっと・・・生きづらかったんだ。・・・生まれて初めて ・・・その 生きてる感じがした。 ・・・君も同じだろ?」

 いつも自分勝手に偉そうなことしか言わなかった三谷が、なんとも素直に自分の心情を吐露している。三谷は常々、英雄に自分と同じものを感じていたのだろう。英雄はもちろんそんなことはなく、「ゾンビ退治」を共にしたことと、周囲は全てゾンビだらけの中、唯一ゾンビじゃなかった三谷に対してわずかながら通じ合った感があったのだと思う。
 三谷と自分は違う・・・多分、英雄はそう思っているに違いない(つーか、私だったらそう思うw)。

 三谷がいう生きづらさと、初めて感じた生きている感じ。今のままではなんにもなれない、でも、世界がグッチャグチャになってしまった今なら自分にも何かが出来る、今とは違う場所にいける・・・と、三谷は感じたのだろう。以前僕がこのブログで書いた記事でも書いているけど、人間どこかに「世界滅亡願望」的なものがあるよね。ノストラダムスの大予言しかり、2012年滅亡説しかり。世界がぐちゃっと変わってしまえば、現在の価値観なんてほとんどがクソみたいなものになるわけで・・・

 三谷は自分が「ヒーロー」になれると感じたのだろう。

 そして、三谷が死の間際に発した、「君もだろ?」この言葉が示唆するものとして、やはり英雄は変わらなければならないということを意識させられるわけである。脇役から主役へと。そう、妄想や独り言ではない、「アイアムアヒーロー」へと・・・


 第2巻ではなんとか生き残った英雄だったけど、逃げ込んだ電車でも不穏な動きが・・・果たして英雄はしっかりと現実と向きあい、そして「ヒーロー」へと変貌することができるのだろうか・・・



 ここからはおまけ。


 この漫画を読んでて、当初からひっかかってたんだけど、登場人物の多くが有名人にそっくりじゃない?いまさら気が付くなんて、もしかして遅いっすか?


 三谷・・・三谷幸喜(ちょっと顔が微妙だけど・・・)

 松尾先生・・・松尾スズキ

 カズ(超学館の編集者)・・・えなりかずき

 中田コロリ・・・片桐仁(ラーメンズ)



 って感じでw
 んでもって英雄はどうやら作者の花沢氏のようです。写真をちらっと見たのですが、似てます。

 他にもいるのだろうけど、僕にはこのくらいが限界です。あ、そうそうそれから2巻の表紙の謎のJKは蒼井優かな~って思ったのだけど、最近、スピリッツに登場した女子高生らしき人物は表紙の彼女で間違いないとおもうのだけど、ちょっと蒼井優には似てないかな~とか。




少し考えてしまった、前回の「アイアムアヒーロー」

2009年10月25日 | I am a hero
 アイアムアヒーローってやはり話題になっているみたいです。

 もちろん、花沢健吾さんの漫画です。
 一部なのか、それとも違うのかわからないけど。


 
 少しずつではあるけど、物語が進んでいます。もちろん、スピリッツ誌上です。でも、多分、年内に単行本の第2巻がでるんじゃないでしょうか。ただ、このままだと「事件」の全容がある程度分かる程度にも届かない第2巻となりそうです。もちろん、事件の全容がわかってしまうと物語は終わりに近いのかもしれないですが。いやいや、どういう展開でこの物語を進めていくのか未だに想像できてないので、事件の全容程度ではクライマックスとはならないかもしれないですね。


 さてさて先週の回ですが、ちょっとばかりぐっときてしまうセリフがありました。それは三谷氏の言葉。


 「…しょ、正直さ今まで ずっと…生きづらかったんだ。

  …生まれて初めて…その
  生きてる感じがした。


  …君も同じだろ?」



 多分、現代の多くの人が感じている、或いは、感じたことがある感覚ではないだろうか。やりたいことがある、僕は夢に向かっている、僕は今これをしている・・・色々な言葉があるけど、ふとした時に感じる漠然とした感覚。でも、漠然としていて言葉にすることができない。あえて名づけるならば、「生きづらい」。

 夢がある人ない人、夢をかなえた人諦めた人、仕事がある人ない人、結婚している人していない人、そういうことに関わらずに漠然とふとしたときに感じるものかもしれない。もちろん、三谷氏のようにずっと感じ続けている人もいるよね。
 

 じゃ、その逆はどうなのか。

 「今、自分は生きている」


 こういう風に感じる瞬間はどうなのか。
 30を過ぎて僕が周囲を見てそう感じたのは、自分の子どもが生まれた時とかなのかな~って。もちろん、自分のことじゃないよw

 三谷氏の場合、「事件」が起きて世の中がぐっちゃぐちゃになり、そんな中で自分にできることがわかったことと、行動に起こせたこと、生き残れば何かが変わると思えたことで自分が生きている、自分の生きる道を見出せたんだろうね。


 世の中ってのはほんと嫌になるくらい事件が起こっているけど、世界が変わり果ててしまうような事件は起きない。戦争はあるけど。でも、人間って嫌だと思ってしまうのは、自分も含めて多くの人が三谷氏のように何かしら世の中がぐっちゃぐちゃになるような「事件」が起きないかと、「生きづらさ」を感じたときに思ってしまうことだ。
 もちろん、そんなことを口にすることはできないわけで、漫画の中で三谷氏のような人物がありきたりながらも、図星な発言をするとぐっときてしまうんだよね。やるせないよ・・・



 さてさて、スピリッツは明日発売ですが、英雄は次にどのような行動にでるのかほんとうに楽しみです。もしかするとその行動、選択いかんで物語が少し見えてくるかもしれません。


花沢健吾の「アイアムアヒーロー」、単行本を買ったよ。

2009年09月01日 | I am a hero
 本日、ようや「アイアムアヒーロー」(花沢健吾)の単行本1巻を購入しました。


 週刊誌で連載を毎週読んでいながら、こんなに単行本1巻の発売が楽しみだったのは久しぶり。最近はどうしても、後々に評判を聞いてのまとめ買い(大人買い)とかになってしまう。「PLUTO」のように連載では読まずに単行本で読むというパターンは他にもあったけど、こうやって連載を読みながら単行本を1巻から購入するのは何年ぶりだろうか。これほど連載中に翌週が楽しみになり、そして後に単行本でまとめて読むのを期待してしまう漫画ってのはそうそう出会えない。まして、アラフォー一歩手前のおっさんなのである、わたしはw



 さて、単行本を読んでみてなのだけど、またのめりこんで読んでしまった。そして、以前の記事でふれた以上に、細かい所に事件の予兆が書き込まれているではないか・・・
 もちろん、当初のプロットから「事件」が起こることが想定されているわけで、読者が見逃してしまいそうな部分にその予兆を描くという手法は可能なことだろう。でも、メインの部分、つまり、読者が注目するであろうこの物語の主題の部分が面白く、完成度が高いためにどうしても「事件の予兆」を見逃してしまう。そして、あの「世界の変化」に度肝を抜かれるのだろう。単行本では予想通り、例の徹子の化け物化の回で終わっている。これまた当初から予定されたことであろうけど、なんて見事な作りなんだと関心してしまう。連載を読まずに単行本が初見という読者にとっては第2巻が待ち遠しくてしょうがないことだろう。


 さてさて、僕が単行本を読んで改めて驚いたという事件の予兆を箇条書きでまとめておきたいと思う。



 ・第1話:帰宅し食事をする英雄の部屋で流れるテレビにて、「特養老人ホームで火災、12(13?)人死亡」の見出し。

 ・第1話:同じくテレビにて、「土佐犬が(に)噛まれて重体」の見出し。

 ・第1話:テレビ放送が終了し、英雄がラジオをつけると特養老人ホームの火災のニュース。入居中の84歳の男性が放火か。

 ・第2話:英雄が目覚め直前(英雄、10時50分頃起床)のテレビにて、老人ホーム火災のニュース。放火したと見られる老人の遺体にはヤケド以外の・・・

 ・第2話:松尾先生(英雄がアシスタントについている漫画家)の家のテレビにて、18時のニュースで広島県で35歳の男性が小学校3年生の女の子の頭や腕に噛み付いき怪我をさせて逮捕されるというニュース。

 ・第3話:徹子の部屋で英雄が語っている後ろで流れるテレビのニュースにて、「大衆浴場(?)で乱闘、5人怪我」の見出し。

 ・第3話:同じくテレビにて、「逃走中の男に警官が発砲」の見出し。

 ・第5話:御茶ノ水駅周辺にてマスクをする人を多数描写(インフルエンザ流行中の模様。多分、それ以外もという意味がありそう)。

 ・第5話:超学館オフィスにて、超学館週刊ストリップ編集部にてインフルエンザが流行。5人が感染。

 ・第5話:英雄、超学館からの帰り道、横断歩道を渡っているとき、インフルエンザらしき話題を通行人がしている。「マスク多くね?」「強毒性のウィルスは宿主が死ぬから、あんまり広がんないんだって。」「でも、そのウィルスは違うらしい。」

 第5話:同じく帰り道、小学生が、「3組の山ちゃん来ないねー。」「ケガ?」「なんかぁ知らないおばさんにかまれたんだって。」

 ・第6話:松雄先生の仕事場にて、三谷がみーちゃんに、「夜道あぶないから家まで送ってあげるよ。」そして、断られると、「かまれちゃうぞぉ。」と発言。

 ・第6話:英雄、松雄先生の仕事場からの帰り道、タクシーの人身事故を目撃。被害者、運転手に危害を加え、後に首を後ろに曲げてその場から去る。(すんません、以前のブログの記事では、徹子の部屋に向かう道中と書いてしまいました)

 ・第7話:松尾先生の仕事場にて、超学館の担当者と連絡が取れなくなる。カズさんという担当は英雄の担当でもある。

 ・第7話:同じく仕事場にて、松雄先生が英雄に「英雄くんさぁ最近、こう・・・何かへんじゃない?」と発言。

 ・第7話:同じく松雄先生の仕事場にて、テレビのニュースで英雄が目撃した人身事故のニュース。被害者女性は行方不明。

 ・第7話:同じく松雄先生の仕事場にて、松雄先生が、「なんかさぁもう締め切り来ない気がするわ……」と発言。

 ・第8話:英雄、合コンからの帰宅途中(徹子の部屋に向かう途中)の石神井公園駅にて警察官多数。

 ・第8話:徹子の部屋にて、徹子が人身事故が起きた大木の近くで小学生くらいの女の子に飛びつかれた話をする。腕に絆創膏3つ。

 ・第8話:徹子の家の外にパトカー。

 ・第8話:徹子の部屋のテレビで、厚労大臣が緊急入院というニュース。

 ・第8話:徹子の部屋から帰る英雄。パトカーがまだいる。

 ・第10話:松雄先生の仕事場に向かう英雄。救急車が通る。

 ・第10話:松雄先生の仕事場にて、松雄先生の左目が充血。毛細血管ぽいもの浮かんでいる。

 ・第10話:同じく松雄先生の仕事場にて、松雄先生、どこからか出血。手についた血を見て笑う。松雄先生は、初登場の第2話からずっと体調が悪そうな描写。仕事疲れだけではなさそう。

 ・第10話:同じく松雄先生の仕事場にて、夜食を買いに行って帰ってきた仕事仲間が、「なんか警察がやけに多いですね。何か事件とかありました?」

 ・第10話:同じく松雄先生の仕事場にて、テレビのニュースで「厚労大臣安否不明」という見出しと、「…臣の病棟で銃撃戦」という見出し。

 ・第10話:同じく松雄先生の仕事場にて、三谷がみーちゃんからメールが来ない。返信があっても「了解です。」の4文字だけという話をする。

 ・第10話:同じく松雄先生の仕事場にて、バスルームにみーちゃんの死体らしきもの。目が充血、死体らしきものの上にはダンベル、足に包丁がささっている。また、連載時には充血したみーちゃんの目の描写のコマに、「ぎょろり」という擬音があったが、単行本ではカットされている。

 ・第11話:徹子、化け物化。

 ・おまけ:各話のサブタイトルが少し変わっています。第10話のみ「臨界」というタイトルがついているのに対して、他の回にはタイトルがついていません。第11話もないんだよね・・・

 ※テレビやラジオの描写は一部文字を補っています。



 いや~、こんなにも「予兆」が描かれていたとはw

 改めて分かったことなんだけど、英雄は新聞をとってないし、テレビやラジオもBGM的に流しているだけで(自室、職場ともに)、ニュースを目にしてないんだよね。多分、予想するには、世の中的にはどうにもきな臭い事件が起こっていることを少しずつ感じていると思われる。ニュースに触れることがない英雄や仕事仲間、徹子にとっては気にならない程度のニュースなんだろうね。
 読者がメインストリームを追いかける中で、ノイズ的に入ってくるこれらの「予兆」って、やっぱしそのまま流してしまう情報ばかり。もちろんそうじゃないものもあるけど、単発で記憶に残っても大事件へとはつながりにくい。つまり、読者はまんま、劇中の英雄と同じ体験をしたことになるんじゃないかと思う。
 単行本となると、立ち読みじゃなく購入して読むことになる。そうすると、読み返すことによってこの「予兆」を拾うことが出来る。でも、それが週刊誌の連載となると立ち読みですませるという方もいるだろうし、僕のようにちゃんと買っていても数週分を残して捨ててしまうわけで、第11話で事件が起こってもせいぜい数週分しか遡ることができないんだよね。

 そうなると、いったいこの漫画に何が起こったんだ!って感じが強くなるわけだ。単行本で初見の方も連載で読んだ方も、ある期間はそう思い、感じるわけだよね。


 でも、第11話で英雄と同じ体験をし、時間を共有するものの、その後は単行本などで情報を入れられるので、その後は同じ体験をするというのは難しい。そこで必要になるのは、「もし自分が英雄だったら?」という想像力になると思う。もし自分が英雄で、変貌した徹子が自分へと向かってきて、そして、襲われたら・・・?
 

 スピリッツでは単行本以後の事が少しずつ描かれ始めている。しかし、まだ事件の全貌は見えてこない。連載を読んでいない方もいらっしゃると思われるので、あまり詳細はかかないが、花沢氏は事件が勃発した後も丁寧にリアルに描いていらっしゃっている。
 怒涛の展開が続きすぎるのではなく、よりリアルに・・・というところが好感がもてるし、ますます今後の展開に期待してしまう。もし、そんな展開にイライラしたら、先ほどの僕の言葉、「もし、自分が英雄だったら?」を思い出して欲しい。その視点で、想像力をもって読んでみると、いかに花沢氏がうまく英雄の心情を描いているか分かると思う。もちろん、これは僕の感想だし、今後どうなるかはわからないわけだけど。


 いや~、やっぱし面白いです、この漫画。


世界が変わる・・・変わった? 花沢健吾 「アイアムアヒーロー」

2009年07月19日 | I am a hero
 とにかく、今後の展開に期待しまくりな、花沢健吾の新作なわけである。



 と、書き出しましたが、ドラクエ漬けにて現在様々なことが手につかない。悪いくせと習慣ながらも、ほんのりと心地よかったりもする。20年以上前から定期的にそんな気分にさせてくれるドラクエは素晴らしい。


 そんな日々でも習慣は他にもあるわけで、その1つが月曜発売のビックコミックスピリッツを読むことである。ヤングサンデーの休刊(廃刊?)の流れで優良なコンテンツがいくつか増えてますますホクホクなわけだけど、それ以前のスピリッツからここ数年最も注目し続けてる作家さんが、この花沢健吾氏である。


 「ルサンチマン」でがっつりともって行かれたかと思ったら、次は「ボーイズオンザラン」である。くいつかないわけがない。そして、現在連載中の新作が表題の「アイアムアヒーロー」なのである。



 ドラクエな日々の中、自宅のトイレで何気なく読んだ今週の「アイアムアヒーロー」。読み終わって、ドキドキしてしまった・・・


 何が起こったんだ?

 何が始まったんだ?

 何が変わったんだ・・・?


 度肝を抜かれた。主人公、鈴木英雄の彼女、黒川徹子が化け物になったのである。いやいや、漫画なんだからそんな荒唐無稽な話もあるよね、そんなのざらじゃん・・・などと思う方がいるのも当然だと思うし、僕自身もそう思う。でも、この漫画は少し違うとも思うし、事実、ビックリしたのである。
 思い出してみれば、その兆候はその前の週にもあった。んで、その時も驚いたわけなんだけど、次の展開でまた驚いたわけだ。世の中には様々な手法があるし、出尽くした感もある。多分、この漫画と同じような手法も他にもあったことだろう。そして、世の中には数多くの優秀で非凡なストーリーテラーがいて、この花沢健吾氏もそんな中の一人なんだと思う。
 でも、でもだ。かなり、僕は氏と氏の漫画に引き付けられるものがあり、新作の「アイアムアヒーロー」に期待するものを感じるのだ。



 花沢氏の新連載開始。このトピックを表紙に見たのは何月のことだっただろうか。「おっ」この程度の反応で読んだ新作だったのだけど(もちろん、花沢氏の新作であるという期待は相当に抱きながら)、連載第1回目を読み終えての感想は、

 「う~ん??」


 って感じ。期待を抱ける内容でありながらも、よく分からないというか、なんというか・・・


 深夜に一人暮らしの部屋に帰ってきた主人公と思われる青年(鈴木英雄)が、幽霊とかそういったものに怯えているという描写と妄想の中の人物達と会話をするという描写、そして、鈴木英雄が自身が怯えている対象に対する最後の切り札として猟銃を持っているということが描かれている。妄想と戯れ、何かに怯えながら朝になるのを待って眠る。そして、「切り札」の猟銃を構えて、「アイアムアヒーロー」と言う・・・・


 「アイアムアヒーロー」の第1話目で描かれていたのはこれだけのことだった。登場する人物は鈴木英雄以外は妄想の存在だけで、鈴木英雄が何者であり、どうして妄想と会話するのか、どうして何かに怯えているのか・・・などといったことは当然描かれていなかった。
 しかし、第2話目からは一転して、鈴木英雄が一度はデビューしたもののその後はなかずとばずで現在はアシスタントをしている漫画家(の卵)であるということと、過去2作の花沢漫画の主人公像と共通してさえない男ではあるのだけど、黒川徹子という彼女がいることなどが描かれる。
 あ、さえない漫画家が主人公の漫画なんだ・・・と、思って第9話まで読み進めたわけです。実際、仕事場でのへんてこなアシスタント仲間とのやりとりが描かれたり、徹子の元彼の売れっ子漫画家が出てきたり、そんな元彼にやきもちをやいたり・・・なんて内容だったわけでる。もちろん、その途中、途中でも鈴木英雄は妄想の人物と会話したりしているわけである。


 ただ、途中でへんてこなことが一度起きる。それは徹子の家に行く途中で交通事故を目撃するのだが、その被害者の女性が血を流し、首をおかしな形で曲げながらその現場を去っていくのである。
 でも、妄想ぐせのある英雄の見間違えだろう・・・程度で流してしまうんだよね。ニュースか何かで被害者がその場からいなくなってしまったみたいな報道がされていて、見間違いではないということがわかるんだけど、それでも流してしまうくらいに物語の中では些細なことと僕は受け取ってしまった。

 んで、第10話のラストで状況が少し変わる。締め切り間際で徹夜で仕事をこなす仕事場の模様が描かれた話だったのだけど、最後にその仕事場のバスルームにその日は体調がすぐれずに休んだということになっていたアシスタント仲間の女の子が、浴槽の中に沈められているという描写がある。足には包丁がささっていて、身体の上には錘と思われるダンベルがのっていて、浴槽の水には血が流れて、目は血走っていて、そのコマの擬音にはなぜか「ギョロリ」という表現が・・・


 「え?何が起こったの?」

 漫画家先生が手をつけていたアシスタントの女の子を痴情のもつれかなんかで殺しちゃったのかな?

 ここからこの漫画の物語が急転すんのかな?

 それにしてもちょっと気持ち悪い描写だな・・・


 って感じの違和感をもったまま、いよいよ次の第11話を迎えるのである。もちろん、第11話を読み始める前はその死体がどうなったのかとか、誰かその仕事場にいる連中がきがついたか・・・なんて展開を期待して読み始めたわけなんだけど、またしても肩透かしをくらってしまう。


 第10話の冒頭で英雄の元に猟銃サークルらしきところから射撃練習会の案内が届いていたのだけど、徹夜明けで帰宅した英雄が猟銃をだして射撃練習会へ行く準備をしているところから、第11話は始まる。
 1、2、3、4、5ページ・・・英雄は準備を終え、ようやく家をでる。このへんで前話の死体のことが少し飛ぶ。6ページ、7ページ・・・どうやら英雄は射撃練習会へ行く前に暴言を吐いてしまった彼女、徹子の家に謝罪に行くようだ。この当たりから違和感を感じる。7ページ目で徹子の住むアパートに着いた英雄は鼻を押さえて、

 「んん?」
 「なんだこの、におい?」


 と。そして、徹子の部屋の玄関ドアに着いている郵便受けから部屋をのぞき、寝ている徹子に声をかけ、徹子が起きる。


 「あっゴメン起こしちゃった?」
 「あっ。いいよっ寝てて!」

 と徹子に英雄は声をかけるのだけど、そっからが震撼の見開き4ページ(計8ページ)で描かれる、「化け物」と化した徹子が玄関ドアへと近づいてくるページとなる。そして、最終ページは「化け物」がドアチェーンを打ち切る勢いでドアを開け、それにぶつかって腰をつく英雄。来週の予告っていうか、欄外コメントには、


 「英 雄 譚 が――― 始まる!!」


 
 これで第11話が終わる。月曜日が海の日で休日のため、ちょっと早めの土曜日に発売されたスピリッツの最新号では「アイアムアヒーロー」は休載。7月27日発売の36・37合併号まで続きはお預け・・・んでもって、連載再開が合併号ってことはこの号で肩透かしをくらったり(例えば過去の話をもってくるとかw)したら、さらに8月10日発売の38号までおあずけ・・・・



 僕の下手くそ文章ではこの驚きは伝わらないかもしれない。残念ながら。
 なんていうのか、世界が変わるというか、次元がぶれるっていうか、突然の物語の変容ぶりが凄いのだ。多分、これまでの10話がプロローグだったのだろう。「なんてことはない日常」が描かれていたのだろう。過去には単行本にして16巻分だったかな、数年に渡ってプロローグを描いたという「ベルセルク」って漫画があったけど(現在も連載中です)、この「アイアムアヒーロー」での10話分のプロローグとはもちろん少し違う。ベルセルクの場合はプロローグが1つの物語でその後続くのが第2章的な捉え方もできる。でも、「アイアムアヒーロー」の場合は2,3話で済ませることもできる内容なんだよね。なかずとばずの落ちぶれた漫画家で、元彼が売れっ子漫画家っていう彼女がいて・・・とか。
 
 多分、そのまま世界が変容しなくても面白い漫画になったであろうことが想像できる。でも、それはプロローグであって、これから「英雄譚が始まる」ってわけである。


 こういう描き方ってないなーって思うわけである。ますます先が気になるし、プロローグの中にも続きが知りたい的なエピソードがあったりして、どういう風にこの「変わってしまった世界」とそれまでの世界をクロスさせて展開していくのだろう・・・とか、いろいろ期待してしまうんだよね。


 んで、思い返すと軽く流されているけど、少し前の話で徹子が、英雄が交通事故を目撃した現場の近くで小さな女の子に遭遇して、何かがあって腕に絆創膏3枚分の怪我を受けていることがわかる。そして、第10話のラストのアシスタント仲間の女の子の死体には、「化け物」になった徹子との共通点が見受けられ、擬音の「ギョロリ」ってのは、死体の気持ち悪さを強調したものかと思っていたけど、多分、あれは死体らしきものが動いたことを示しているわけだ。
 んでもって、第11話で射撃練習会へ行く準備をしている英雄の後ろでテレビのニュースキャスターが言っていた言葉、

 「都内にお住まいの方は、鍵をかけ戸外には出ないよう・・・」

 テレビの画面には、「緊急情報」「各所で暴徒発生外出を控えるよう・・・」って文字。家を出て徹子の家に向かう途中では、通常では考えられない数の自衛隊の車両が。朝の6時とはいえ、車は通れど人の気配がしない街・・・


 つまりは、徹子だけじゃなく都内でなんかしらの事件が起こったわけだよね。そして、もし、徹子が体調を崩す前(徹子は風邪かなんかで体調をくずしていた)に受けた絆創膏3枚分の怪我が原因で「化け物」と化したのなら、なんかしらのバイオハザードが起こった可能性があるわけだよね。アシスタントの女の子(みーちゃんだったかな?)が「化け物」となっていて、それをダンベルで動けないようにして浴槽に沈めていたのだとしたら、漫画家先生はすでになんかしらを知っている可能性もあるわけだよね。


 ・・・まー、いろいろと期待してしまうわけです。んで、バイオハザードが起こって人間が化け物になってしまうという状況から、2007年に公開されたウィル・スミス主演の映画「アイ・アム・レジェンド」を思い出して、漫画の題名である、「アイアムアヒーロー」との共通点を見出してしまうわけですよ。もちろん、鈴木英雄はうだつのあがらない漫画家なわけで、ウィルスに対するワクチンを発明できるわけもないわけだけどw



 いや~、目が離せない漫画があるって幸せですw