@PAYASO

少しだけ更新再開してます(愚痴オンリー)

「アイアムアヒーロー」第2巻、一転、平凡からパニックへ・・・

2010年02月25日 | I am a hero
 本屋さんで本を買うときって、よっぽどでない限り発売日にわざわざ行かない。


 これは僕の昔からの習性・・・っていうか、そんなもんじゃないですか?

 週刊誌や月刊誌ならともかく、小説や漫画などは売り切れになることなんて滅多にない。発売から数日たってもちゃんと売っているもの・・・そう思っていた僕は古いのでしょうかねwそういえば、ハリポタなんかドラクエなみの発売日イベントやってたわけだし、村上春樹氏の小説は売り切れ続出だったらしいし。

 「アイアムアヒーロー」第2巻も今まで同様に発売日から数日経過してからいつも行っている本屋さんに買いにいったのです。しかし売り切れでした。他の本屋さんでも売り切れてました・・・もちろん、大人気コミックと比べれば、コンビニ販売もないし発行部数も少ない。なくなっていても不思議なことではないわけで。でも確実にこの漫画の人気はきていると思いますよ。



 第1巻では第10話「臨界」と第11話にて一気に世界観が変貌してしまったわけなんだけど、第2巻はまさにパンデミック・・・もう、ぐっちゃぐちゃです。朝起きて世界がいきなりこうなっていたら、人間、受け入れることなんかできるわけがない。そして漫画の中と同様にわけもわからないままに、「様子が変わってしまった」隣人に噛まれてしまうわけです。
 先日放送された「アメトーク」にて、なんともタイムリーなことに城田優さんが、

 「僕は世界がゾンビ映画のようになってしまったら、自分の身を守れる自信があります」

 的な話をしていたけど、僕は無理だなぁ~。
 なんでも城田さんはホラー映画好きらしく、そういった妄想をして楽しむのだそうです。ちょっと考えなければなんないのかな~、ゾンビ対策・・・いや、まじでw


 第2巻の序盤は第1巻ラストにて変貌してしまった徹子とのやりとりから・・・

 果たしてこれがやりとりと言えるのかどうかわからないのだけど、完全にゾンビに変貌してしまった徹子をまだまだ受け入れられない英雄の描写がなんともいえない。やがて英雄は徹子がもう死んでしまっているのと同じであると認めて、自ら首を切断する。
 
 次に仕事場での三谷とのゾンビ退治のシーン。
 松尾先生と、先生と不倫関係にあったみーちゃんがともにゾンビ化しており、英雄が到着すると果敢にゾンビと戦う三谷の姿が。三谷の妄想なのか、ストーキングの結果に得た本当のことなのか、みーちゃんの裏の顔になんとも人間のいやらしさを感じながらも、さもそれが当たり前のことのように現実として受け入れている三谷が人間らしく感じる。
 なんとか松尾とみーちゃんを撃退した2人だったが、逃亡中に三谷がゾンビに指をくちぎられる。その後、墜落する飛行機にひっかけられ首がとび、ゾンビ化する前に死亡してしまう。


 この2つのシーンにて、世界の変化にともなって、英雄自身も変わらなければならないということが示唆されている。


 まず徹子の部屋にて、徹子をベッドに運んだ英雄だったが、ゾンビ化して理性や知能のほとんどを失っている徹子の口から元彼の名前がでる。ゾンビ化してまで元彼である中田のことを忘れていない徹子に対して包丁を振り上げる英雄だったが、結局振り下ろすことができない。その時、英雄に声をかけてきたのが、いつもの「矢島」だった。でも、矢島はいつもの姿をしていない。


 「・・・大丈夫ですよ。これは全部先輩の妄想ですからざっくりやっちゃいましょう。」


 と、矢島は徹子が死んでいること、徹子を殺してしまってもこれは妄想だから大丈夫だと言ってくるのだが、英雄は、


 「こんなに・・・なってもてっこの匂いがするんだ。やっぱり現実だ。」


 と、妄想=矢島を否定する。
 矢島はいつもの姿ではなく、崩れかけた影のような形で登場し。「役にたてなくてすいません」と消えてしまう。見えないもの、霊的なものに対して異常に恐怖心を感じ、なんともいまいちな自分の人生の逃げ場として英雄は妄想の世界にいりびたっていたのではないかと思う。そして、その妄想の世界の象徴だったのが後輩・矢島だったわけだ。しかし矢島は消えてしまう。
 現実は妄想よりも妄想らしくなってしまい、たとえ妄想の世界に逃げ込んだとしても現実はどこまでも追いかけてきそうだ。現実は非現実的になってしまうことによって、より現実としてリアルになってしまった。もはや英雄には逃げ場としての妄想の世界は意味がなくなり消失してしまった・・・ということなんだろうと。
 つまり、英雄は現実ととことん向き合っていかなければならなくなり、それに伴う矢島(=妄想の世界)の消失なんでしょう。


 んでもって次に三谷とのシーン。
 三谷と仕事部屋から逃げ出したが、その途中で三谷は指をくいちぎられてしまう。そしてその後に飛行機にひっかけられ命を落とすのだけど、指をくいちぎられた後に三谷らしくもなく、英雄に対して心情を吐露している。

 「・・・しょ、正直さ 今まで、ずっと・・・生きづらかったんだ。・・・生まれて初めて ・・・その 生きてる感じがした。 ・・・君も同じだろ?」

 いつも自分勝手に偉そうなことしか言わなかった三谷が、なんとも素直に自分の心情を吐露している。三谷は常々、英雄に自分と同じものを感じていたのだろう。英雄はもちろんそんなことはなく、「ゾンビ退治」を共にしたことと、周囲は全てゾンビだらけの中、唯一ゾンビじゃなかった三谷に対してわずかながら通じ合った感があったのだと思う。
 三谷と自分は違う・・・多分、英雄はそう思っているに違いない(つーか、私だったらそう思うw)。

 三谷がいう生きづらさと、初めて感じた生きている感じ。今のままではなんにもなれない、でも、世界がグッチャグチャになってしまった今なら自分にも何かが出来る、今とは違う場所にいける・・・と、三谷は感じたのだろう。以前僕がこのブログで書いた記事でも書いているけど、人間どこかに「世界滅亡願望」的なものがあるよね。ノストラダムスの大予言しかり、2012年滅亡説しかり。世界がぐちゃっと変わってしまえば、現在の価値観なんてほとんどがクソみたいなものになるわけで・・・

 三谷は自分が「ヒーロー」になれると感じたのだろう。

 そして、三谷が死の間際に発した、「君もだろ?」この言葉が示唆するものとして、やはり英雄は変わらなければならないということを意識させられるわけである。脇役から主役へと。そう、妄想や独り言ではない、「アイアムアヒーロー」へと・・・


 第2巻ではなんとか生き残った英雄だったけど、逃げ込んだ電車でも不穏な動きが・・・果たして英雄はしっかりと現実と向きあい、そして「ヒーロー」へと変貌することができるのだろうか・・・



 ここからはおまけ。


 この漫画を読んでて、当初からひっかかってたんだけど、登場人物の多くが有名人にそっくりじゃない?いまさら気が付くなんて、もしかして遅いっすか?


 三谷・・・三谷幸喜(ちょっと顔が微妙だけど・・・)

 松尾先生・・・松尾スズキ

 カズ(超学館の編集者)・・・えなりかずき

 中田コロリ・・・片桐仁(ラーメンズ)



 って感じでw
 んでもって英雄はどうやら作者の花沢氏のようです。写真をちらっと見たのですが、似てます。

 他にもいるのだろうけど、僕にはこのくらいが限界です。あ、そうそうそれから2巻の表紙の謎のJKは蒼井優かな~って思ったのだけど、最近、スピリッツに登場した女子高生らしき人物は表紙の彼女で間違いないとおもうのだけど、ちょっと蒼井優には似てないかな~とか。