デジタルエンタメ天気予報 「マリオ時代」の黄昏 「いいソフトさえあれば勝てる」という常識が変わりはじめた(日経ビジネスオンライン) - goo ニュース
ただ、それはあくまで1980年代後半から90年代中盤にかけての「ゲームブーム時代に比べると」なんじゃないかな?
今が「異常」なんじゃなくて、当時が異常だったんだと思うけどね。
「続編でも売れない」と言ってもDQやFFは新作が出れば40~100万本は売れるわけだし、ビジネスとして決して「失敗している」わけじゃない。
恐らく「メタルギアソリッド4」がリリースされれば、PS3の販売台数はもっと増えるだろう。
ソニーの戦略によっては、同梱版の低価格販売で一気に巻きかえる可能性だってないとはいえない。
ただ、「もうあの時代はこない」という点ではまったく同感だね。
ひきあいに出された映画にしても、かつては「黄金期」といわれた時代があった。
立ち見なんて、話題作なら当たり前だったし、映画はレジャーの中心だった。
でも今、立ち見が出る映画なんてほとんどないよ。
宮崎映画くらい。
それだって、そろそろ限界が見え始めている。
ゲームも同じだと思うね。
黄金期は「終焉を迎えつつある」どころか、とっくに終わってると思うよ。
つまり、DQ3とかPS2の時みたいに「とりあえず人気商品だから買ってみたい」と思わせるものが「今のゲーム」にはない、ということだと思う。
「とりあえず~」とゲーム機を買う人は、そのほとんどが「ゲームファン」ではなかったと思う。
特にPS2に関して言えば、ただ流行りだから、とかDVDが見られるとか、「ゲーム」そのものの魅力とは関係ない理由で売れたように思う。
「Wii」本体が売れているのに、看板ソフトが思ったほど売れていないのも、「Wiiブーム」で、本体と、とりあえず楽しめる「はじめてのWii」や「Wii Sports」だけを買った人が多かったからで、ゲームファンが「スーパーマリオギャラクシー」よりも「Wii Sports」が面白いと思っているわけじゃないことはあきらかだよね。
個人的に、ゲームは「嗜好品」だと思っている。
「嗜好品」だから、必ずしも一般人が常に注目しているとは限らないし、浮き沈みも激しい。
どんなビジネスでも、その基礎を支えているのは「お得意様」。
ゲーム業界にとっては、販売台数が少ないXbox360を買ってでもゲームを楽しみたい、という人たちこそがお得意様なんだね。
お得意様以外の人たちにも買ってもらいたい、というソフトを開発するのは、開発する側にとってはかなりのリスクを伴う。
自分もコンシューマではないゲーム開発に携わっているけど、やはり大ヒットを狙うなら、予算も工数も使って目新しいことをやらなきゃならないことはわかっていても、実際そこまでの余裕は最大手の企業にもないし、やはり「少なめ」ではあっても「熱烈なファン」が楽しめることを視野に入れなければやっていけない、というのが現実。
「●×」というソフトに興味がないユーザーに、「興味を持ってもらうよう」に作ることは出来ても、「そもそもゲーム自体にそれほど興味がない」という人に興味を持ってもらう、というのは、こればかりは開発側の思惑だけではどうにもならない。
「ブーム」というのは、作ろうと思って作れるものじゃないからね。
でも、ライトユーザーと言われる人たちや、ほとんどゲームをやらない人たちに何万円もするゲーム機や数千円するソフトを買ってもらうには、この「ブーム」というのが起こらない限り至難の業。
「Wiiのブーム」や「DSのブーム」じゃなくて、ゲームそのもののブームが再来しない限り、”「マリオ時代」の黄昏”というヤツは続くんじゃないかな。
一ゲームファンの視点から見る限り、ソフトの内容は向上し続けているし、「スーパーマリオ」よりは「HALO3」の方が格段に面白い。
でも、それは一般の人にはわからないことだし、「わからせよう」としても無理だということ。
ただ、「一部の熱狂的なゲームファン」しかついてこれないようになっていくとすれば、それはゲームというメディアにとって最悪の事態だと思う。
それは「一部の邦画マニアしか見なくなった日本映画」と同じ道を歩むということだからね
まあ、がんばりまっす