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ヘタレ創作ヤログ~人生これでいいのだ!!

原点に立ち返った、創作ヤロウのブログ!
「負け組プータログ!!」からタイトル再変更。でも、今まで通り幅広くいきます~

タミフルに気をつけろ

2007年03月04日 00時53分08秒 | 医療関連
先日、ようやく厚生労働省から注意喚起が医療機関に出された、インフルエンザ治療薬「タミフル」。
このタミフル(オセルタミビル)は、インフルエンザA型、B型両方に効果があり、鳥インフルエンザにも効果があることから、日本では繁用されている抗ウィルス剤であるが、アメリカFDAの資料によると、2005~2006年7月までに報告されている重大な副作用「精神異常行動」は103例あり、そのうち小児(17歳以下)への投与によるものはおよそ67%となっている。
更に、この103の事例の95%は日本からの報告である。
この、2006年夏にアメリカ小児科委員会によって作成されたオセルタミビルの報告書は2回目の調査によるもので、引き続き監視を続けていくという。
これを受けて、FDAでは2006年11月に「医療機関ならびにインフルエンザ患者および保護者」に対して公式に注意喚起を促している。
さらに、タミフルの公式Webサイト
TAMIFLU: Flu Prevention and Flu Treatment
にも、この注意喚起で述べられている「タミフル服用中の患者は、治療が終わるまで厳重に監視されなければならない」という一節を「TAMIFLU Side Effects and Safety」のページに載せている。
日本には、タミフルの公式サイトは現在のところ存在せず、輸入元の中外製薬のWebサイトでは、厚労省から注意喚起がなされてから、はじめてタミフルの副作用情報を載せている。
タミフル服用小児患者の転落死が相次いだ先週の段階ではタミフルのタの字も掲載されていなかった。
医療関係者向けページには掲載されていたのかもしれないが、そのページを一般人が見ることは出来ない。
今回の厚労省による注意喚起も、あくまでも主な対象は医療従事者で、患者向けのものでは必ずしもない。

現時点で、精神錯乱、異常行動とタミフルの因果関係は解明されていない。
それでもアメリカの対応は去年の段階で、しかも日本の事例を根拠に、注意喚起としてとられているのに対して、そのリソースとなった日本での注意喚起が何故ここまで遅れたのだろうか?
厚労省が、個々の報告を十分精査していなかったことが考えられる。
前述アメリカ小児科委員会の報告書では、日本での処方の詳細はわからないとしながらも、ほとんどのケースで自傷行為や自殺はタミフル服用後すぐに発生していること、タミフル服用中止後、異常行動も消失していること等も詳細に述べられており、「インフルエンザによるものかもしれない」という厚労省による注意喚起の補足についても、「インフルエンザが原因で自殺行動が発生した例は見当たらない」とこの報告書は断言している。
ただ、「証拠が無い」ということをこの報告書は示しているのであり、素人目にみても、ほぼタミフルの副作用であることに間違いは無いだろう。

この件で重要なのは、「タミフルは危険な薬」ということではない。
薬というものは、そもそも危険な副作用を多かれ少なかれはらんでいるので、危険な副作用が稀に起こることもあるからといって、服用をしない、というのは必ずしも賢明ではない。
タミフルのインフルエンザに対する効果は、絶大なものがあり、現段階で販売禁止にする根拠は何もない。
問題なのは、厚労省や製薬会社の隠蔽体質である。
不都合なことは徹底して隠蔽する。
省庁の常套手段だが、命に関わる医療行政でやられてはたまらない。
製薬会社も、薬害になる恐れがあるならば、積極的に研究し、速やかに情報を公開すべきである。
大きな薬害問題に発展してからでは、企業にとっても大ダメージになることは目にみえている。

アメリカの注意喚起を、ここでもう一度整理しておくので、インフルエンザ治療中の患者とその保護者には是非参考にしていただきたい。

「タミフルと精神神経異常行動(自傷、自殺等)の因果関係は不明であるが、インフルエンザにかかり、タミフルを使用する場合は、治療が終了するまでの間、医師や保護者による徹底した監視が必要でり、少しでもその前兆が見られた場合はただちに医師に連絡すること」

1秒たりとも目を離さないことが、少なくともインフルエンザ治療中の患者(特に17歳以下)の事故死を食い止める事が出来る唯一にして最良の手段だろう。

子供に使用してはいけない薬

2006年12月08日 01時04分00秒 | 医療関連
新しいカテゴリ「医療関連」を始めることにしました。
単純に医療ライティングもしたいので、受注する際にサンプルとして利用できる、というのがこのカテゴリの目的なので、読者を意識してません。
悪しからずご了承のほどを…。

さて、第一回目は「子供に使用してはいけない薬」

「テオフィリン」
 今晩、報道ステーションにて報じられた「テオフィリンを小児の気管支喘息予防に投与した後、当該小児が脳障害を発症した事例」について。
 テオフィリンはキサンチン系気管支拡張剤の一つで、気管支筋の痙攣を弱めて咳を止める効果がある製剤。
 製品名はテオロング、テオドール、テルバンスDS、アーディフィリン、テオフルマート、ユニコン、テオスロー、スロービット、テルダン、フレムフィリン、セキロイド、チルミンで、錠剤だけでなくドライシロップや持効性のものがある。
 大人の気管支炎や気管支喘息に使用されることが多いが、小児喘息や小児気管支炎の治療及び咳止めとしても日本では頻繁に使用されている。
 テオフィリンは特に小児に対して「気管支喘息の予防」として処方されるケースが日本では多いが、重篤な副作用も出ることを認識していない専門医も多い。
 特に5歳以下の小児においては、痙攣発作を起こすことがままあり、痙攣発作を抑える処置により、逆に脳障害を起こす例が報告されている。
 厚生労働省の指導を受けて、小児アレルギー学会では「慎重に投与する」との提言がなされたが、実際には医師のさじ加減で、現在も繁用されている。
 アメリカにおいては、テオフィリンの小児に対する危険性が早くから指摘されており、FDAは「他剤では効果が無い場合の最終手段として医師の厳重な管理の下」という条件でのみ使用を許可しており、小児科医がこの製剤を小児気管支炎や喘息の第一選択薬として使用することはない。
 現在アメリカで主に使用されている製剤はベータ2刺激薬やステロイド(吸引)である。ちなみにベータ2刺激剤は、日本では鎮咳剤として分類されている。
 テオフィリンは使い方の難しい薬剤であり、安易に用いられるべきではない、とされている。
 特に小児医療においては、発熱などがある場合は使用してはならない、となっているが、実際に使用され、脳障害を起こしたケースが存在している。
 欧米での研究を踏まえ、日本においても小児に対しては第一選択薬からはずすことが好ましい。

「非ステロイド系抗炎症(解熱鎮痛)剤」
 毎年冬場には、インフルエンザや水疱瘡などの感染症が流行っており、小児においては熱を伴うため、頻繁にサリチル酸系解熱剤(バイエルアスピリン、バファリン等)やジクロフェナクナトリウム系(ボルタレン等)、メフェナム酸(ポンタール等)が使用されているが、これは先進国では日本だけである。
 欧米においては、小児に対してこれらの解熱鎮痛剤を用いることは原則としてない。アセトアミノフェン(タイレノール等)等が使われることもあるが、基本的に15歳未満の小児には解熱剤は使用していない。
 何故かと言うと、インフルエンザや他のウィルス感染症、風邪などで小児にこれらの解熱剤を使用すると、脳障害を引き起こす可能性が高く、死亡率も高い副作用を引き起こす可能性がかなり高いためである。
 そもそも熱が出る、というのは免疫機能がウィルスを攻撃している状態を示しており、熱を下げてしまうと、かえってウィルスの生存を許してしまい、症状が長引くこともあるとの報告がある。
 欧米ではほとんどない「インフルエンザ脳症」は、日本では毎年多数報告されており、死亡者もでている。
 この「インフルエンザ脳症」は、解熱剤の使用が原因という報告がアメリカでなされており、アメリカにおいては、小児のインフルエンザ等の感染症には坑ウィルス剤のみの使用で治療を行っているのが現状である。
 日本においては、特に注意が必要とされているサリチル酸剤、ジクロフェナクナトリウム剤や、メフェナム酸剤が多く使用されており、それが日本における「インフルエンザ脳症」多発の原因ではないか、と推測できる。
 現在、これらの非ステロイド系解熱鎮痛剤を小児に投与する傾向が止まる気配はなく、医師の研究不足の感が否めない状況である。
 医療先進国であるアメリカなど欧米諸国での症例を、より研究する必要があるのではないか、と考える。
 小児医療においては、むやみに熱を下げようとしないよう医師と保護者には注意を喚起したい。
                  終


 ということで、子供には薬の使用はあまりオススメできない、というのが率直な感想。
 もちろん、使用が避けられないケースも多々あるので(特に救急の場合)、一概には言えないが、少なくとも風邪程度でバファリンや市販の風邪薬を飲ませる、というのは止めたほうがよさそうだ。
 風邪やインフルエンザは、早期の予防(うがい、手洗い等)が一番効果的だし、発症しても、薬を飲むよりは暖かくしてビタミンCや水分を大量にとることで発汗を促し、普段より栄養価の高い食事をさせたほうがいい、というのがアメリカでは一般的。
 抗生剤も、アメリカではあまり出されない。
 日本では、例えば「なんか鼻水が出て、喉が痛いんですけど」と症状を訴えれば、多くのお医者さんは抗生剤を処方してくれるが、アメリカの場合は自分の経験では喉に綿棒を当てられ、ウィルス検査をしてウィルスが無ければ抗生剤はだしてくれない。
 それが一般的で、風邪はオレンジジュースとチキンスープで治すのがアメリカ式。
 薬信者が多い日本だけど、避けられない場合を除いては不必要な薬は飲まない方がいいのではないか、と最近つくづく考えさせられる。


追記 12/9
 訂正:アメリカにおいては、アセトアミノフェンとイブプロフェンのみ、小児の解熱に使用されています。アスピリンは15歳以下の子供には禁忌薬です。また、日本では「よく温めて」と言われますが、正確には子供の場合は当人が不快でない限りは室温を下げ、薄着にさせて熱を下げるのが一般的とのことです。