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ヘタレ創作ヤログ~人生これでいいのだ!!

原点に立ち返った、創作ヤロウのブログ!
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アメリカテレビドラマに学ぶ、キャラクター創造テクニック

2006年12月27日 21時14分02秒 | シナリオライティング
アメリカのテレビドラマは「24」がヒットして以来、日本のマーケットが最も注視しているコンテンツのひとつ。
アメリカのテレビドラマは、日本の連ドラとはちょっと違って、ほとんどのドラマはシーズン制をとっており、日本の連ドラのように一発で終わりというタイプのものは少ない。
アメリカで1シーズン、もしくはその途中で終わってしまうドラマは、つまり視聴率が低い等の理由で、作り続けることに意味がない、と判断されたドラマのみ。
「24」をはじめ、「ダークエンジェル」、「CSI」、「プリズン・ブレイク」、「LOST」など、日本で知られているドラマのほとんどは何シーズンか制作されている。
ちなみに1シーズンは、大体が22話構成。
日本のドラマのほとんどが10~12話で終了するのに対して、アメリカのドラマは期間がかなり長い。
そのためもあってか、一人の脚本家が1シーズン通して書くことはまずない。

さて、今回取り上げたいのは「24」など先の展開が見えないようなたたみかけるように進行していく、「ストーリー先行型」のドラマではなく、「キャラクター先行型」のドラマ。
この系統に属するドラマで、日本でもよく知られているのが「ER」や「ザ・ホワイトハウス」など。
これらのドラマの特徴は、主人公といえる人物が存在しないこと。
これが日本のドラマと大きく違う点。
例えば「ER」は、ERで働く人々を描いているドラマで、「誰が主人公で、誰が悪役で、誰がサポート役で」といった設定は全くない。
その代り、ERに勤務する医師や研修医、看護師達それぞれのドラマが各話で語られていく。
1話で何人ものドラマが語られるので、当然特定の主人公は存在しない。
いわば、ER自体が主人公なのだ。
完全な1話完結でもなければ、連続ドラマでもない。
キャラクターの持つ性格はもちろん、生い立ちや取り巻く環境、そしてそれを背景にしたキャラの行動や言動がストーリーを推し進めていく、英語脚本用語でよく使われる「Character Driven」ドラマである。
それが、ERレギュラーメンバー全員分描かれる、どちらかといえば舞台に近い構成で、シーズンが変わるたびにキャラクターも環境の変化によって成長、あるいは堕落していく。
ワンシチュエーションではないので、一人のキャラクター性が良くも悪くも変わっていく。
これも「ER」の例を挙げれば、イギリスから一研修医としてカウンティーホスピタルに来たドクター・コーディは、はじめは外科の一研修医であり、外科部長がビザスポンサー(身元保証人。他国で働く場合は、現地の同僚や上司となる人物が保証人にならなければならない)の立場を利用してセクハラをしたり、突然保証人を降り、コーディは研修医から医学生の立場に身を落とさなければならなくなったりなど、環境が彼女をいったんは追い詰めるわけだが、外科部長が診療部長に昇進する過程の陰謀(?)で、一気に外科副部長に抜擢されるや、突如官僚的な人物になってしまう。
これは、10話程度の短い単発ドラマなら、明らかにキャラの描き方のミスだが、何シーズンにもわたって登場人物の人生が描かれるアメリカのヒューマンドラマにおいては、キャラの変節は当たり前。
現実を見ても、環境が人物を変質させることはよくあることで、皆さんの知り合いの中でも「昔はあんなやつじゃなかったんだけど」みたいな人がいると思うが、アメリカのヒューマンドラマは、そういった人の変節を巧みに物語にとりいれることで、ドラマを盛り上げていく。
別段衝撃的な場面をいれまくる必要はないわけだ。

「時を経て人は変わっていく」
アメリカのほとんどのドラマで採用されているキャラクターの描き方のスタイル。
ひとつのストーリーを十数話にかけて描く日本のドラマでは、まず採り入れられない方法なので直接役立つストーリーテリング法ではないが、「キャラクター設定をどうすべきか」で苦悩している人にとって、こういったドラマを何シーズンか見てみることはかなり勉強になると思う。

特にゲームの場合は、絵にかいたようなドラマティックな話を考えるのではなく、重厚で面白みのあるキャラクター設定をするのが、ユーザーをゲームに惹きこむ十分なシナリオ術だということだと自分は理解している。

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4 コメント

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古くは (dream_brain)
2006-12-28 11:32:00
ツインピークス、V、X-FILE等々。この頃はまだ一般的に普及していなかったが、最近のリリースラッシュはすごいね。4400とかプリズンブレイク、LOST、24等見たい作品が山ほどある。

ちなみに今一番見たいのは「ファミリータイズ」かな。DVDにもなってないけど、次世代DVDでいいから是非出してもらいたい。
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ツインピークス (むらちょ)
2006-12-28 14:59:22
懐かしいな。
そういえば、元映画部のK氏と一緒にツインピークスもどきの企画考えたっけね。
コーヒーじゃなくて、ラーメンってやつ(知ってる人にしかわからない話だ・・・)。
あの頃は大ブームだったと思ったけど。
確か、ツインピークスファンのことを「ピーカー」って呼んでたと思った。

まあ、あれは観てもあまりキャラ作りの参考にはならないかもしれんけど

「ファミリー・タイズ」は、アメリカではドラマではなくてコメディーショウ。
ビデオ撮りのドラマは基本的にコメディーショウなんだよね。
シナリオのフォーマットが、ドラマとコメディショウでは若干違ったりするんだが、物語作りのノウハウは同じ。
あれも、キャラあってのシリーズだったね。
主人公はマイケル・J・フォックスだったけど、他のキャラも同じくらい引き立ててたから。
あと、80年代なら「マイアミ・バイス」。
あのフロリダ特有のファッションにあこがれたもんだった。。。これはすでにDVD化が始まってるね。
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ラーメン (dream_brain)
2006-12-29 17:48:15
ネタは本気でやろうとしてたよね。いい思い出だが。
ファミリータイズがコメディーショーに分類されるのは知らなんだ。

マイアミバイス、ナイトライダー等、今から思えば懐かしい。DVDでも発売してるけど、こういう連続ものほど次世代ディスクで出して欲しい。ドラマは1枚~2枚のディスクにまとめてくれた方がいいなと思う。

ちなみにツインピークスだが、DVDでは前半のローラ事件までしかDVDになっていない。後半のぶっ飛んだ方が見たいのだが…。

ERもむらちょがよく話題にしているから見てみたいけど、シーズンいくつまで出てたっけ。どんどん新作が入ってくるから中々見るのが大変そう。
先日、久々にレンタル店行ったけど、一回りするのに40分位かかった。アメリカドラマの取り扱いは充実してるので、ちょぼちょぼ借りてくかな?
お勧めあったら教えて。
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ERは (むらちょ)
2006-12-30 13:55:28
現在はシーズン11まで出ていたと思う。
アメリカではシーズン12が放映中(終わったかな?)。

お勧めは、やっぱり「24」かな。
シーズン5が最新だから、今からならまだフォローできるでしょう。
「ER」は、フォローするのはちょっとタフですわ

後は、恒例の打ち切り物なら「トゥルー・コーリング」あたりがいいかもね。
まあ、構成は難ありだけど、ヒロイン役がお気に入りなので。。。
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