岡山県笠岡市横島に鎮座される「道通(どうつう)神社」。御祭神は『猿田彦命・応神天皇』。標柱には「神威耀八絋(神の力は天下に輝き)」「皇化漲四海(その徳は四海に行渡る)」。
『猿田彦命』は天孫降臨の際、天の八衢(やちまた)より天孫を導いた「道開きの神」。商売繁盛・出世海運・交通安全の神として多くの人々の信仰を集めています。
由緒「起源は永禄年間に御神霊を笠岡道通谷に祀り、近郷住民の崇敬社として栄たるも世は戦国時代となり、国中が戦乱の巷と化し住民は生業に従事するを能わず塗炭の苦しみにあい、誰も神事を行う者もなく、神祠も極度に荒廃し形骸を留められぬ程であった。その上この近郷一帯に悪病が蔓延し、災害が続き、穀物も実らず住民は苦しみ疲れ切っていた。その頃人々に「これは道通様の祟りだ」という噂が広まり、信仰する人々が集って相談し、当時信仰の島であった横島の地に御神体を奉じ社殿を造り祭事を行い崇敬した。その後は災害悪疫も後を絶ち、総ての苦境から脱することができた。 これは道通様の御加護に依るものと崇敬敬慕する人達により元和年間に拝殿を造営し、天和年間に本殿を修復。明治42年本殿を改築。昭和5年拝殿及び社務所を大改築し、今日に至る。」岡山神社庁HPより
一の〆鳥居より神域を守護されるのは、文政11年(1823)建立の扁平頭の狛犬さん一対。体に巻かれた注連縄を見せつけるように自慢げにポーズをとっています。
南参道鳥居の内より神域を守護されるのは、昭和14年(1939)建立の狛犬さん一対。クシャっと押さえつけられたような平ったい顔ですが、口元から覗く牙は中々鋭く、迂闊に手を出すのは躊躇われます。
東参道一の〆鳥居前より神域を守護されるのは、嘉永3年(1850)建立の玉乗り狛犬さん一対。広島型とは全く違ったタイプの玉乗りさん。こういう素敵な狛犬さんに会えるから、神社参拝は楽しい😄
「三面大黒」 さわれば誰でも福の神になれるそうです。
東参道二の〆鳥居、その奥に拝殿。
拝殿の貫彫刻は玉眼を持つ獅子と像。
拝殿前の左右には、刀を持つ『猿田彦命』と、槍を握る『猿田彦命』が立たれています。「これは天狗じゃが」と又甥(またおい)が言うので、この姿が『猿田彦命』なんだと教えておきました😄 神社の祭礼などで高下駄を履いて歩く赤い天狗面の神様・・『猿田彦命』のお姿です。
拝殿前より神域を守護されるのは、昭和7年(1932)建立の狛犬さん一対。何か良い事があったのを思い出しているのか、つい顔が緩んでしまう吽形さん。一体どんな良いことがあったのでしょう?阿形さん、その辺りの事情をご存知ですか?
神社なのですが香炉台の下には、お坊様らしき人物が座っています。果たしてこの人物の正体は??と騒いでいたら、ご亭主殿が近寄ってきてあっさり一言「布袋さんだよ」
広い境内にはまだまだ沢山の摂社が鎮座されており、そして社殿の真後ろには、この神社の由来でもある「道通様」が祀られています。
続きは明日の道通神社~其の二で。
参拝日:2010年5月5日