「ふるさと発 人間ドキュメント」は、パーキンソン病をやんだTVデュレクター木村栄文氏。取材中に死にたいと言う 生涯TVドキュメンタリスト。
ON と OFF のからだの調子の差がいちじるしく激しいそうだ。OFF のときは、顔の表情はなくなり仮面状態と、本人が言う。その言葉もうまく出ない。そんな状況なのに、何としてもあと1本ドキュメンタリーを作って終わりたいと必死。 「I love 優ちゃん=続編」を作るのが夢。
優ちゃんは、脳性マヒの彼の長女ですでに亡くなってる。優ちゃんに対しての父親としての愛情面で、彼自身が満足できずに心残りのようだ。妻の献身ぶりに比べ、自分は仕事が逃げ場だったと責める。
あと1本作り上げるために、たいへんな手術にのぞんだ。その間に、付き添ってくれる妻を「天使のような女だ」と声を出せずに泣く。手術は成功し、作品をつくる準備が始まった。でも言葉はふつうでない。リポートに行く時妻に、「一緒に行こう」と言う。「行ってくれ」でなくて「一緒に行こう」と言ってたのが、私はたまらなく夫がかわいいと思った。奥さんは何て答えたと思いますか? 「いえ、ひとりで行くのよ」でした。
(monkeyさんの"つるし雛")
そして私は外出した街で、熟年紳士がとぼとぼ一人で歩いてるのをみると、この方にはどんな奥様がいらっしゃるかとイメージをふくらませた。いやそれよりも、わが夫に対して私はどう映るかと、チト心配もする。