発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

で、今年も春が来た

2017年03月11日 | 日記

◆メリケン粉投げ

 ここ30年ほどの沖縄の卒業式の風習らしい。食べ物を祖末にする、というのもあるが、粉塵爆発も心配するなあ。危険だ。いちど通りかかったことがある博多駅の中学生卒業記念特攻服集会は今年もあったのだろうか。

◆今年も来てしまった3月11日

 単なる損得勘定の話をする。原発再稼働はあちこちで進んでいるが、稼働する原発を存在させることは、原発を廃炉にするよりも覚悟がいることだとわかっているのだろうか。

 原発は安全ではない。原発のメルトダウン事故は起こりうる。原発がメルトダウンしてから廃炉すると、いつ作業が終わるかわからない。すでに莫大な費用がかかっていて、これから幾らかかるかわからない。原発事故の後始末は、とてつもなく費用を食う。原発事故は周辺の環境と産業を台無しにする。原子力発電は安くつくと言われているが、「普通」の廃炉費用と「使用済み燃料」の処理費用を計算に入れてのことだろうか。

 考えるのもいやになるが、今度2011年と同じようなメルトダウン事故が起きたら、損害を受けた人は損しっ放しとなるのではないかと恐れている。福島の人々が原発事故による損害を十分担保されているかどうかは今ここでは語らないが、今後事故が起きても、福島後の「想定の範囲内」すなわち「事故のリスクやデメリットも承知の上での選択の結果」なので、それだけ補償から相殺、つまり「想定外」だった福島ほど損害が担保されないのではないか。そもそも日本経済が次の事故の後始末を支えられるのか疑問である。財源はどうする。危険な廃炉の人員はどうする。福島ではロボットすら入れず廃炉が進まないのだ。あらたに別の場所でそのリスクを引き受けるということは、よほどの覚悟がいると思う。それでも原発はお得なのだろうか。

 これまで人類に恩恵を与えてきた文明が、戦争以外で、ここまで強烈なオウンゴールを人類に食らわす。そんなことがこれまでの歴史であっただろうか。規模も影響も公害問題の比にならない大きさに思える。人類の勝率はどのくらいか。危険な賭けか。私の心配が後日「放射脳の杞憂」と嗤われるならば最良の結果だと思う。

 とりあえず、廃炉はメルトダウンの前に、さよならはダンスの後に(わかる人は古い)ということで。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ひなまつりにまつわるエトセトラ | トップ | ひるね姫 〜知らないワタシ... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (発行人)
2017-04-01 13:40:43
おおっ、お元気ですか?
こちらは、なんとかやってます。
近所にも万柳さんがお住まいのようですが、どなたかはわかりません。(福岡の鴻巣山というのは、私の住んでる裏の山です)
返信する
Unknown (巴里の雀)
2017-03-27 09:47:02
遠藤さんどうされたかなと来てみたらホームページの更新が止まってましたが、こっちが動いててほっとしました。アタック25の白です。お久しぶりです。

もう日本で130年も続いてるパン屋さんさえあんなに言われて私らどうしようかと思っています。
そういえばメリケン粉とも言わなくなりましたね。
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事