発行人日記

図書出版 のぶ工房の発行人の日々です。
本をつくる話、映画や博物館、美術館やコンサートの話など。

祭囃子は聞こえない

2020年08月09日 | 日記

◆NAI NAI TWENTY²  (←この文字列にすぐメロディがついたあなたは私と同様に古い ) 

 久しぶりに博多に出る。筑紫野市と太宰府市に用があったが、大宰府の目的地がJR駅に近い場所だったので、博多経由で帰宅することになったのだ。

 「夏休み」の雰囲気ではなかった。駅コンコースを歩いていても、夏休みにつきものの、ちいさなお子様の阿鼻叫喚が聞こえてこない。中高生の私服グループも見当たらない。券売機の上にある行先案内を見てあーだこーだ言っている団体がいない。夏休み感の薄い博多駅である。夏につきものの「目いっぱい生きてる感」が欠乏している。

 観光案内所のわきにある印刷物の棚に、JR九州の月刊PR誌がない。よく見ると4月で休刊ですと。駅のショッピングセンターに行くが、やはり人が多くない。夏休み的でない。採算とか損益分岐点といった文字列が頭を掠める。

 駅前広場は通常ならばイベント花盛りなのだが、静かである。鉢のひまわりが持ち込まれて夏らしさを出している。

 ほとんどのイベントがなくなった。夏になれば博物館の野外コンサートに行ってたのだがそれも中止。 

 どんたくも山笠もなく、大牟田大蛇山(何年か前の様子→)https://blog.goo.ne.jp/thinkingfishing/e/7efcd2ec5e1f41b20d6df421c538f4adもなく、9月になっても放生会(筥崎宮の秋まつり)もない。唐津くんち巡行も中止が決まった。露天商は相当ヤオイカンことになっているのではないのか。小笹総研の雇用指標であるTW指数(無料配布されているタウンワークの重量、天神博多版で計測している)はほぼ53gをキープしている。合併号でも60g台で、劇薄の危険水域である。さぞ募集に人が殺到しているかと思うのだが、ある短期バイトの説明会に行った知人は「時給いいのに過疎ってた」と言ってた。たまたまならいいのだが、不採用に倦んでやる気なくした結果とか、家を出たくないとかだったら深刻だ。

◆憂鬱が都市を支配して

 家のマスクの備蓄が少なくなったので、町で買うが、二箱2000円、一枚20円ってところである。普通のマスクでウイルスは防げないが、人に飛沫を飛ばさないですむ。これは昔からいってたことだ。手は、手荒れが完治してからはよく洗ってるほうだ。

 人生も後半な私はともかくとして、子どもや若者はどうなんだろう、この夏は。彼らの「目いっぱい生きてる感」が奪われている。毎年違う夏を楽しむ使命が彼らにはあるのに、人生が損なわれている。新型コロナのせいにしていいのか。なにかできることはないのか。

 

 

 

 


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