みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

半月とちちろ虫

2017年08月30日 | 俳句日記

月が美しい時効に差し掛かっている。
昨日は、殊の外予定が順調に進み、薄暮
には横になった。
微かな虫の音に気付いて目を覚ます。

時刻は9時を僅かに過ぎたばかり。
それならばと起き上がり、玄関を出て
手摺から身を乗り出し、耳を澄ませた。
中空には半月が掛かり、夜風が誘う。

動機は、その月を撮りたかったのだ。
そそくさと寝間着を浴衣に着替え、外に
でると、坂道を登った。
見晴らし良く撮りたかったのである。

それが良くなかった。
坂の頂きに着いた時には、半月に雲がか
かって、隠れたり、また出たり。
暫くは、晴れそうもない。

仕方なく街灯の光の中を、トボトボと下
り行くと、辺りはすだく虫の声。
コロコロ、リリリ、チンチロリン。
誰が歌っているのか、とんと解らない。

帰り着くと調べ始めた。
歳時記にこうある。

閻魔蟋蟀〜コロコロ (えんまこおろぎ)
三角蟋蟀〜キチキチキチ(みつかど 同 )
綴刺蟋蟀〜リリリリ (つづれさせ 同 )
鈴虫 〜リーンリーン
松虫 〜チンチロリン
鉦叩き 〜チンチンチン
馬追い 〜スイツチヨ
轡虫 〜ガチャガチャ (くつわむし)
螻蛄 〜ジージー (おけら)

てな具合で、何処でも聴ける虫の音を上
げてみた。
詳しい向きは、ネットで。
秋の夜が楽しくなること請け合いだ。

〈半月や ちちろの声の 届きをり〉放浪子
季語・ちちろ虫(秋) ちちろ虫=蟋蟀

8月30日〔水〕晴れ
昨日が順調すぎた、今日はギクシャク。
と言って禍福では無い。
何方かと言うと、前向きに忙しかった。
ただ、ネットが開かないのは痛かった。