みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

日曜日の天神地下街(福岡市)

2017年08月27日 | 俳句日記

いよいよ秋めく気候に、部屋を開け放ち
ゆっくりと時を過ごしたかったのだが、
どうしても、天神に出かけなければなら
ない用事ができた。

普段は、甚平か、浴衣に兵児帯で、町内
をうろつく私なのだが、さすがに九州一
の繁華街天神まで出かける勇気は無い。
仕方なく、半袖の柄シャツにスラックス
といういでたちでバスに乗った。

朝夕は確かに秋となったが、日なかはそ
うもいかない、早々に地下街へ降りた。
賑やかなことこの上ない。
さすがに九州一の人の寄りである。

何処の地下街もそうであるが、これだけ
の地下空間が出来上がるのも、建築工学
の発展の賜物である。
何人がその事に気付いているのだろう⁈

そう思っている矢先に、待ち合い広場の
フレスコが目にとまった。
パリの街並みが描いてある。
地下街は、まさにパリのパサージュだ。

パリのガイドブックには、必ずパサージ
ュが紹介されている。
冬場は零下になるパリでは、ここが人々
の集いの場であり、憩いの場であった。

パサージュの女王と言われるギャルリー
・ヴィヴィエンヌは1826年に完成され
ているし、パサージュ・デ・パノラマは
1800年の完成である。

以来、200年間パサージュはパリの誇り
として愛されて来た。
天神の地下街は、贔屓目ではなく良く出
来た地下空間だと思う。

この子たちは当然のように、生まれた時
から、ここを往来する。
これから世紀を超えて、ここを守って行
くのが、この子たちの努めなのだろう。

〈愉しやな 地下の街でも 秋めいて〉
放浪子 季語・秋めく(秋)

8月27日〔日〕晴れ
今日も、愉しかった。
不本意ながら、街に出たのも良かった。
郡山からも、素敵な夕暮れのが届いた。
いずれ読者に届けたいものだ。