家元に出会う

昨日、ユニクロから出た時、信号が青だったので、目の前のスクランブル交差点を走って渡っていたら、大金持ちのヤスオちゃんが歩いていた。

「ヤスオちゃ～ん！」
声をかけるとヤスオちゃんは振り返った。私はヤスオちゃんに走って駆け寄り、今 買い物してきた袋を掲げて「ユニクロよ～。」と笑って ご挨拶。

このヤスオちゃん。多分もう還暦ぐらいの年齢だけど、めちゃくちゃ若いし お洒落。大金持ち で、生涯独身。ストレートだと自分では言い張っているけれど、私は絶対ゲイだと思っている。ヤスオちゃんに面と向かって「ゲイだろ」と言えるのは私ぐらい。みんな思っているのに言えないらしい。

ヤスオちゃんは、「ボクだって負けてないわよ～。」と、着ている鮮やかな赤いタートルのセーターを、ちょっとつまんで言った。 「え～？ユニクロ～？しまむら～？」「ううん、それより下かも。」まさか、ヤスオちゃんが？！


紺のピーコート（これは有名ブランドの高級品）の袖口に、綺麗な赤いパイピングが施されている。その細い部分の鮮やかな赤と同じ色の赤いセーターを、アルマーニ、フェラガモ、グッチなど、あらゆる店で探したのだが、ピッタリの色のが見つからず、半分あきらめていたら、六甲道の『えぇ～っ？！あんなところを歩くのぉ～？ ヤスオちゃん？！』という場所にある お安い服屋さんで、とうとう見つけたんだとか。
アルマーニやフェラガモで買う１枚の値段で、このセーターだったら箱買いできると、スーパーバリュープライスに、ヤスオちゃんもビックリしたとか。

「ユニクロも最近行くわよ。」とヤスオちゃん。

チノパンを買いに、いつもの高級ブランドの店に行ったけど、ちっとも良くない。高いばっかりで、デザインも生地もイマイチ。そこでユニクロに入ってみたら、気に入ったのが すぐに見つかって…と話してくれた。

大金持ちも、今やユニクロで お買い物の時代なんだー。


でも、ヤスオちゃんが言うには「一番いいのは『買わない』こと！」


う～ん、確かに…。今年は捨てる年にするんだった！(´□`)


余計な お肉も、捨てる年にしたいものです。
(=_=;)


ちなみにヤスオちゃんは、「全然 鍛えてない。」と いつも嘘をついています。鍛えてもいないのに、あんな究極の太もも と究極の足首の人がいたら、サイボーグです。 ヤスオちゃんは日に焼けた肌で、夏には白いショートパンツを はいて、姿勢良く歩いています。セーターも自分で編むし、家のガーデンではオールドローズを育てています。私はヤスオちゃんを「家元」と呼んで、生活の お手本にしています。