寺さんの【伝えたい話・残したい話】

新聞記事、出来事などから伝えたい話、残したい話を綴っていきます。
(過去掲載分は「付録」の「話・話」を開いて下さい)

(第3300話) 叔父

2022年04月07日 | 行動

 “私には十六歳上の叔父がいる。叔父は、お小遣いをくれる時に、いつもメッセージを添える。その言葉一つ一つが毎回、私を後押ししてくれる。例えば、私が大学受験を控えていた頃のことだ。封筒の中には次のようなことが書いてあった。
 「最善を尽くして、結果を目指してね。でも、結果だけでなく、身につけた知識や経験も結果と同じくらい大切です。大学も部活も、今のをももさんにとって大切かもしれませんが、ももさんの長い人生からしたら一通過点にすぎません」私はこの言葉のおかげで、以前は睡眠をたくさん削ってまで勉強していたが、気持ちが少し楽になった。そして体を大切にすることの方を優先しようと思った。
 実際、叔父も公務員試験の時に寝不足でアトピーがひどくなったそうだ。体調管理に気をつけることができたので、最後まで体を壊すことなく、受験勉強に取り組めた。その他にも大学進学後のアドバイスをもらった。今後も初めての一人暮らしや社会人になった時など、たくさん不安なことが出てくるだろう。そのような時には、人生の先輩であり、経験豊富な叔父に相談し、有意義な生活を送れるようにしたい。”(3月9日付け中日新聞)

 浜松市の高校3年生・赤堀さん(女・18)の投稿文です。小遣いを渡す時に、メッセージを添える。こういう知恵があったのか・・・。小遣いをもらう時なのだから素直に聞けるか、逆に恩着せがましいと鬱陶しがれらるか、これはもう通常の両者の気持ちであろう。ただ小遣いを渡すだけでなく、何か一言を添えるのは非常に好ましいことである。そして赤堀さんは18歳と若い。これからいろいろな出来事に出合うであろう。悩むであろう。この叔父さんはそんなとき大きな助けになろう。今年1月から沖縄で一人暮らしを始めた孫が、会う機会は減ったが、何か身近になった気がしている。先日来た時、ボクの己書を見せたら非常に気に入り、「父母があり先祖ありて自分がある」という己書を持っていった。何か感じる気がしてきたのだろうか。
 ボクの家では小遣いを渡すのは多くの場合孫である。妻は何かに付け小銭を渡し、何かの記念になるような時はボクから渡している。一言言葉は添えるが、これが文字であったら更に心に残ったであろう。もう大きくなり渡す機会が減ったので、惜しいことをした。


コメントを投稿