吐露と旅する

きっと明日はいい天気♪

思い出の場所へ

2013-11-15 22:23:11 | インポート
私たちが、お蕎麦やぜんざいを堪能している間に
「ちらちらと降っていた」はずの雪が、「ばかすか降っている」に変わり
しかも、風まで吹きはじめました。

雪が更にひどくなる前に、このまま元来た道を戻って
駐車場へ停めた車を取りに行き、大人しく札幌へ帰るか
それとも…

決定権は、ヘルパーさんのKちゃんでもなく
利用者のさっちゃんでもなく
さっちゃんの保護者の私に委ねられました。

よし。

「行きましょう」
「はい」
返事をしたのは、Kちゃんです。
さっちゃんは、私が目指す目的地もわからず
不信感丸出しの表情で、私を見つめています。

ばかすかふる雪が、次々と休みなく顔に当たります。
コートのわずかな隙間から、冷たい風が入り込んできます。
寒くて、みんな無口。
無口なまま、先頭に立った私の後ろに、さっちゃんとKちゃんが続きます。

実は、私は20年以上前に、ほんの少しの間、小樽に住んだことがあって
そのときに、大好きだった場所があるのです。
今日、小樽へやってきた目的のひとつでもある、その場所へ。
20年以上前とはいえ、何度も通った道です。
周りの建物がいくつ変わっても、道順はしっかり覚えています。
坂道を上って、交差点を左に曲がって、また坂道を上って。
急な坂、緩やかな坂、どこも雪で真っ白。
さっちゃんとKちゃんの頭や肩にも、雪が積もって真っ白。
坂道を上らされて、はあはあと口から吐く息も真っ白。

そうして暫く歩くと、前方に鳥居が見えてきました。
「あそこです」
私たちは、鳥居をくぐり抜け、古びた急な階段を上りました。
もちろん、階段も真っ白。

「ここです」
階段を上りきった私たちの目に前に現れたのは
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水天宮。

小高い丘の上に建てられた、この水天宮は
お天気が良ければ、眼下に小樽の海の風景を眺めることが出来るのですが
今日のお天気では、白い雪の壁に遮られ、何も見えません。
でも、これはこれで、なかなか味わい深い、良い景色です。
けれど、あまりの寒さに、のんびりと景色を楽しむ余裕はなく
私たちは、また古くて急な階段を下りて、下界へと戻っていきました。
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手摺のない、古くて急な階段を下りるさっちゃん。

その後、私たちは、再び歩いて小樽運河へと向かい
揚げたてのコロッケを買い食いして暖を取ったり
かまぼこ屋さんでかまぼこを買い食いして、お腹を満たしたり
小樽を存分に味わって、札幌へと帰ってきました。

時間に少し余裕があったので、3人で温泉に寄り
雪を眺めながら、露天風呂でじっくり温まって
楽しい休日は、無事終了したのでした。