河村龍一の「月の癒し」~銀河鉄道の夜

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「真夜中の看守長」購読ありがとうございました!

2014-04-28 23:48:22 | 日記

今宵、銀河鉄道の夜に訪問していただき、ありがとうございます。
現実の世界に疲弊した皆さまを、夢とロマンの時空にご招待します!


私の処女作「真夜中の看守長」が今月をもちまして絶版となります。
拙著を購読された皆さまに改めて御礼申し上げます。

現職の刑務官時代、報告書もろくに書けなかった私でしたが、「光市母子殺人事件」「大阪府立池田小通り魔殺傷事件」「闇サイト殺人事件」などの相次ぐ報道に、「こいつら絶対許せない」という怒りが充満し、私の頭の中がすっかりイカレテしまい、「小説」などと大それたことに及んでしまったのでした。

刊行後、一番嬉しかったことは、某犯罪被害者の会の方から次のようなコメントを頂いたことでした。

「犯人側の人権ばかり取り上げている本はたくさんあるが、被害者側を取り上げてくれる本があまりなかったので、私たちの実状を社会に伝えてくれたこの本に感謝しています……ありがとうございました」

ちなみに、死刑廃止の思想を持っていた人権派の有識者たち数人に拙著を寄贈したところ、その方々全員から次のようなコメントを頂きました。

「死刑もありかな」

「テレビや新聞などの報道では決してしることのできない、被害者側の実状を知ることができました。犯人たちの裏側の実態もよくわかり、刑法の厳罰化は本当に必要だと思うようになりました」

私だって刑務官になる前までは、「死刑なんて野蛮な行為だ、絶対に廃止すべき」と思っていたのですよ。

しかし、塀の中で衣食住・医療費無料、読書や慰問演芸などの娯楽三昧、人権と安全、命まで保障されている凶悪殺人犯たちの実態を知り、彼らとは対照的に悲惨な実状におかれている被害者や遺族の心情を無視し、犯人たちを手厚く加護している法の不条理に次第に憤りを覚えました。

「こいつら出所したら絶対、やる(殺人の意味)」と、分かっていても刑期が終了すれば、どんな凶悪殺人犯でも釈放されていきました。

そして予想通り、新たな被害者(犠牲者)が出てしまった、という報道を知り、司法の無力に何とも遣りきれない思いを何度も経験するうちに、死刑制度存置・刑法厳罰化を実現させなくては、という「野蛮な思想」にいつしか変遷してしまったのです。

たとえ凶悪殺人犯の命でも軽視すべきではないと思っています。
しかし、今の日本、そんな甘い考えに偏重すると、何の落ち度もない人とか、幼い子どもたちが簡単に殺害されてしまう世の中なのです。

「これは小説なんかじゃあない。怖くて先が読めなくなってしまう」
「ここまで、残虐な場面を描かなくてもいいのに」――

このようなお叱りの書評も寄せられました。
でも、これが皆さまの決して知ることができない犯罪被害の実状なんです。
犯人たちの「裏の顔」です。

テレビドラマのような「綺麗ごと」の殺人事件なんてあり得ないのです。
そのことを伝えたくて、私は本の出版に踏み切ったのです。

それと、刑務官の不祥事問題についても拙著で糾弾しています。
軽すぎる刑罰に失念している被害者遺族の皆さんは、せめて極刑を免れた憎き犯人たちを刑務所で厳しく罰してほしい、と刑務官に強く負託しているのです。

現職の刑務官の皆さまにお願いしたいのは、上司や職場に対する不満のはけ口として受刑者たちに対して不適切な処遇(籠絡事犯)をしたり、くだらない職場の不祥事をマスコミ関係に暴露しないでほしいのです。

そんなことしても何の意味もないでしょう。
犯罪被害者や遺族の皆さんは、刑務官の皆さまに犯人が二度と同様な事件を犯さないよう、きちんと矯正してほしい、厳しく処遇してほしいと願っているのです。

一般社会の人々も同様に考えています。
「刑務官の職務は直接治安に関わる聖職」と、常に認識してください。

出版社からは「切実な問題を社会に提起する著書」と評価された拙著「真夜中の看守長」。

拙著を購読されていない方、よろしかたら絶版前に一読してみてください。
アマゾンや楽天などのネット通販でも購入できますし、書店からも購入できます。