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「日本の死刑制度全面廃止」~江戸川高3女子強盗殺人犯、青木正裕(31歳)被告に無期懲役判決

2017-05-23 22:39:32 | 日記

今宵、河村龍一の銀河鉄道の夜に訪問して頂き、ありがとうございます。

現実の世界に疲弊した皆さまを、夢とロマンの時空にご招待しましょう!

 

(またか……これで決まりだ。「死刑制度全面廃止」になる日も近い)

 

2015年、東京都江戸川区のアパートで都立小岩高3年、岩瀬加奈さん(当時17歳)が殺害された事件で、強盗殺人、強姦未遂などの容疑で青木正裕容疑者(当時29歳)が逮捕されました。

そして今日(5月23日)、強盗殺人・強姦未遂罪などに問われた青木正裕被告の裁判員裁判で、東京地裁(島田一裁判長)は求刑通り無期懲役とする判決を言い渡したのです。

 

犯行の概要は次のとおり。

【2015年11月12日、青木被告は自宅のアパートで加奈さんを絞殺し、性的暴行(死姦)をしようとしたが目的を遂げず、加奈さんの所持金約7500円などを奪ったとして逮捕された。犯行の動機は「首絞めに興味あった」、「やりたいことやって人生終わらせたかった」という理不尽極まりない身勝手な理由からであった。

事件は14日午後5時半ごろ、青木正裕容疑者(当時29歳)が千葉県我孫子市内で「2日前に人を殺した」などと110番通報、千葉県警我孫子署に出頭し発覚した。

その後、警視庁小岩署員が、同容疑者の自宅アパート内で高校3年、岩瀬加奈さん(当時17歳)の遺体を発見した。岩瀬さんは浴槽内で倒れ、制服が脱がされて、下着は切り刻まれた状態だった。

青木正裕容疑者は「首を絞めて失神させた後、心臓の音が止まるのを確認するまで、制服を使ってさらに絞めて殺害した」と供述したが、同署によると、殺害後2日間も現場にとどまってゲームをするなど、容疑者の行動には不可解な点も多かったという】

 

 

同裁判における、被害者遺族側の経緯と、裁判員に託した願いなどに少し触れてみる。

5月16日、同事件の裁判員裁判が東京地裁で始まったが、加奈さんの父正史(まさし)さん(48歳)と母裕見子さん(49歳)は「娘は真面目な性格で、自分より他人を気遣う子だった。なぜ事件に巻き込まれたのか、本当のことが知りたい」と語った。

 

起訴罪名に強姦(ごうかん)未遂が含まれるため、今回の法廷では加奈さんの名前を匿名にする措置も可能だが、両親は「法廷で加奈の名前が出なければ、事件がなかったことのようになってしまう」と実名の公表を選択しました。

 

青木被告は、加奈さんと同じコンビニエンスストアでアルバイトをしていたことがあった。両親は「逮捕後、一部で『2人は交際していた』と報じられたが、事実ではない」と憤る。また加奈さんは「化粧品のサンプルがあるので家に来ないか」と誘われたと報じられたが、両親は「化粧をしない子だった。加奈の人のいい性格につけ込んで、もっと巧妙なうそで誘われたのではないか」と感じているという。

 

加奈さんは高校1年の夏からコンビニでのアルバイトを始め、毎年夏にはバイト代で家族のために東京ディズニーランドのチケットを購入していた。高校では卓球部に所属し、試合の際に後輩にジュースやお菓子を差し入れるなどこまやかな心遣いをみせていたという。

 

手先の器用さを生かせる職につきたいと、卒業後は歯科技工士専門学校への入学が決まっていた。事件の11日後の加奈さんの誕生日は、家族とディズニーシーで楽しく迎えるはずだった。裕見子さんは「加奈の未来には夢しかなかった。それを守ってあげられなかったのが悔しい」と言葉を詰まらせた。

 

事件後、家族は周囲の何気ない言葉に傷つき「いろいろな人に負の感情を抱くようになってしまった」という。それでも前を向いてきたのは「加奈は事件で家族がおかしくなることを望んでいない」と思ったからだ。

 

「公判で真実を明らかにし、加奈に『大丈夫、あなたは悪くない』と言ってあげたい」。両親は、被害者参加制度を利用し法廷で意見陳述をした。

 

「良識と市民感覚に基づき判決を下してほしい」。遺族が20日までに取材に応じ、裁判員制度に対する思いを語った。

 

加奈さんの両親は被害者参加制度による意見陳述で、生前の娘の姿を語った。マイペースだが他人思いで優しい性格だった加奈さん。コンビニのアルバイトでためたお金で毎年家族をディズニーシーに招待し、歯科技工士になる夢に向け進学先も決まっていた。


父正史さん(48)が「休まず出席していた高校を卒業させてやりたかった」と涙ながらに語ると、傍聴席からすすり泣きが聞こえた。

 今日の判決後、

裁判員制度では、裁判員の負担を軽減するため事前に争点が整理され、今回の公判も4日間で結審した。正史さんは「時間が短く、真実が明らかにならなかったと感じる」と話す。

「裁判員には過去の判例にとらわれず、市民の目線で踏み込んだ判断を期待する。そうでないと時代に合った司法に変わっていかない」と訴えていた。 

 以上であるが、

同事件の残虐性、犯行動機からしてみても到底納得できるような判決ではありませんでしたが、そもそも求刑からして「無期懲役刑」ということ自体が鬼畜には軽すぎる刑罰であり(被害者遺族は死刑を求めていました)、明らかに加害者の人権擁護に偏重したこの国の司法は、もはや正常に機能せず歪みきっている。

 

昨今、この国の司法制度は『凶悪犯罪の抑止』という重要な役割を放棄したようです。また、司法関係者らは『犯罪被害者や遺族の心状』よりも、『自身の出世』に関心があるように見受けられます。

とりわけ、凶悪殺人事件などの判決は、『刑罰の均衡』に絡めて『過去の判例』を重視し、『被害者遺族の感情』、『事件の態様』及び『犯行の残虐性』などは一切考慮せず、あくまでも『被害者数』にこだわる傾向にあります。

 

この悪しき風潮は職業裁判官ばかりでなく、市井を反映した裁判であってほしい、と一般庶民から負託された『裁判員』にも徐々に浸透してきたようです。

 

それらも含めまして、いよいよ日弁連が発足した『死刑廃止検討委員会』の思惑通りの展開になってきました。今では「被害者数が2名」の殺人事件でも、犯人に死刑判決が下ることはありません。『一部限定した死刑制度廃止』が既に実現しているのです。

 

 

もう、こうなったら何の意味もない裁判員裁判制度など廃止すればいい。さらに、職業裁判官なども大幅な人員削減を実施した方がいい。何も高い税金で不要な裁判官など雇わなくても「計算機とパソコン一台あれば『過去の判例』どおりの判決が下せる」のだから、パートで雇った事務員でも十分裁判できるだろう。

 

おそらく、今回の判決で類推したのですが、私が思った時期よりも早い段階で、『日本の死刑制度全面廃止』が実現されるかも知れません。

 

いよいよ、拙著『闇サイト殺人事件の遺言』で警鐘してきたとおり、『日本の安全神話崩壊』といった最悪な治安状況になってしまうようです。

 

いっそ、日弁連の策略どおり死刑制度は全面廃止してしまい、裁判員参加の代わりに、犯罪被害者遺族を裁判官とともに判決に参加させるべきだ。そして死刑制度の代わりに『仇討ち制度』を復活させたらどうか。

 

被害者遺族が犯人の仇討ちを辞退したら『無期懲役刑』に減刑してやる。どうしても仇討ちしたい遺族が絞首刑ボタンを押して仇討ちするといったら、希望どおりに仇討ちさせてやるような新たな制度を導入したほうがいい。

 

たとえ、凶悪殺人犯の死刑であっても、事件に何ら関係ない人々が死刑判決及び執行に関与したら、「殺人行為」になってしまうと悩む人も多く散見されるのも事実だ。『たとえ凶悪殺人犯のいのちでも、人のいのちには代わりない。それを殺害してしまうような野蛮な行為は嫌だ』という理由が大半を占めている。

 

その点、「被害者遺族は『肉親を理不尽に殺害されてしまった』という、特別な事情がある人々である」。それだからこそ『仇討ち制度』を復活させてもいいと思う。

被害者遺族以外の人々が、声高に「死刑制度存置だ、死刑執行してしまえ」と、凶悪犯人を糾弾するような時代は終焉したとも言える。