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虫よけに窒素充填 一面では正しいけど・・・

2013-10-16 10:14:33 | お米

情報があふれかえっています。

簡単にネットで検索出来ます。

先日も、お米の虫よけの話がありました。

 

曰く、

「窒素充てんしてもらえれば、虫が出ない」

 

そうです。

酸素があるから酸化する(品質劣化)、

酸素があるから、虫が生きられる。

酸素を抜く真空パックか、酸素の代わりに窒素や二酸化炭素を充填すれば、

酸化も防げて、虫も防げる。

 

と、いいことずくめなんですが、

 

世の中、そう甘くはない (^_^)

 

そんなに良いことなら、

既に「そうなっているはず」なんです。

 

まず、どの段階で、どういう重量でこのような作業をするかです。

生産者は、一般的に30kg袋で検査を受けます。

検査は、袋に「刺し」をいれて、つまり、穴をあけて中の米を少しだけ出して

目視で行います。

そして、紙袋ですから、これでは、検査以前も以後も処理できません。

1トン単位のフレコン(フレキシブル・コンテナ)でも、処理できません。

 

さて、米屋や精米工場に届いてから、処理をしましょうか?

玄米の状態で処理しても、精米時には、開けてしまいます。

精米後にあらためて処理しても、何キロで処理するか?

買う人の重量は様々です。

全部、5kgで処理してしまえば、

5kgより少ない重量か、

5kgより多くても、倍数以外では、

結局、袋を開けることになります。

 

全部、2kgで処理すれば、大丈夫かな?

資材費ばかりかかります。

それでなくても、こういう処理用の袋は高いんです。

 

でも、別の理由があるんです。

真空処理されたお米は、独特のにおいがでます。

また、真空処理されたお米は、開封後の鮮度の落ちが早い。

充填処理のお米も多分、同様かと。

 

お米に虫はいやですよね。

慣れているはずの米屋だっていやです。

でも、それも自然の一部です。

 

全てを人間様の都合のよいようにとすれば、

どれだけの環境負荷をかけるか、

これまでに十分証明されていると思うんですが。

 

 

そして、ネット情報の多くは、

一面的な取り上げ方が多く、

総合的な情報が漏れている場合が多い、

もしくは、否定的な情報が載っていても、

人は皆、自分が見たい情報だけ見る癖がついているので

見落としてしまう。

 

情報検索は、常に、

賛成反対両方の意見を探して、

その根拠をまた確認していくことが

なにより大事なんですね。