てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

川の深さは

2005年08月29日 | 読書
やっと、昨日読み終わった本になりました。
『川の深さは』、福井晴敏です。

『亡国のイージス』の人ですねー。
って、『亡国…』途中読みなんですよ。
図書館で借りて、半分ぐらいしか読んでないのに
返しちゃった。

どうやらデビュー作のようです。
「必涙の処女作」ってありますから。

・・・
涙もろい私ですが、この作品では泣けませんでした。
さらにどこが泣きポイントかもわかりませんでした。

読みやすいことは確かですが、後半はちょっとしんどかったなぁ。
キャラが、変なんですよ。

主人公は元警官で今は警備員のくたびれた中年の男。
それが、人間兵器の少年と出会い、少年の熱い思いに
昔の自分を呼び覚まされ、その少年をめぐる事件にのめりこんでいく
という話。

少年がランボーばりの無敵ぶりで嘘っぽい。
少年が命をかけて守る少女は、いかにも守られ役の少女。
他にいかにも悪役の佐久間と、29歳のうぶなキャリア女性。

なんだかなー、
少女を守るために命がけってあまり萌えないなぁ。
結末も、もうひとつ納得できないし。
地下鉄テロ事件の真相っていうのも、もう一つひねりがほしい。

読み途中の『亡国のイージス』の方が、面白そうな予感。

『川の深さは』というタイトルは秀逸だと思います。


でもまあ、世の中好き好きがありますから。

って「夢みる…」と同じ〆で。。。



慟哭

2005年08月29日 | 読書
貫井徳郎の『慟哭』

本屋で「お勧め」の旗(?)を見て、買いました。
同じ頃か、その暫く後、ブレイクしましたね。

評判のオチについては、まあ最初からうすうす気付いていたので、
(だって、いかにもって書き方だったもん)
北村薫の台詞として紹介されていたから、
実はもっと深いオチがあるのかもとも思わなかったです、
多分、コレだろうと。

っていうかさぁ~、
もうちょっと考えてくれないかなぁ~
帯の文句。


不満を言ってる私が書いちゃうけど、
一般的に、映画でもそうだけど、
「ラストは誰にも言わないでください」とか
「驚愕のラスト」とかって
ネタバレの一種だよ~。
頼むよ~。


それに引き換え、裏表紙説明の淡々としていること…。
旗(?)に書いてあった内容と裏表紙説明の内容がちょっと違ってて、
どうしてこの設定で、この旗の話になるんだろう?と思って買いました。

表紙の写真もいいですね。
あ、今、Amazonで見たのですが、
帯、変わりましたね。
うん。この帯文句だったらOKですよ♪

ついでに他の皆さんのレビューを読んでみました。
やっぱ、帯に文句、来てますね~。

私は、「慟哭」というタイトルがピッタリの作品だと思ったのですが、
こういうの(子に対する愛)に弱いのかも。
カスタマーレビューで「無理がある」とかかれてた部分も、
常識では考えられない行動というのは、
それだけ、その人の苦悩が深い証拠と考えてしまうので。


あ、旗って、POPだ。
ポップ、ポップ。


これから読む予定の人は、カスタマーレビューは読まない方がいいですよ~
Amazon


えっと、内容について書いてないね。
Amazonに行くのが面倒な人もいるだろうしね。
うんと、連続幼女殺人事件と新興宗教の話。
主人公が捜査一課長ってところが、普通の推理小説と
少し違うんではないかと。
普通、主人公ってノンキャリアか、私立探偵じゃない?
いや、あまり推理小説、詳しくないんだけど。。。

夢みる宝石

2005年08月29日 | 読書
シオドア・スタージョンざます。

タイトルが綺麗ですね。
『夢みる宝石』

原題も同じですよ。
THE DREAMING JEWELS


スタージョンといえば『人間以上』と『夢みる宝石』
しばらく前までハヤカワ文庫で出てたのはこの2つ。
で、この2つがごっちゃになっていました。
今回、ぱらっと読み返して、判明しました。

私、『人間以上』、覚えていません。
私が覚えていたのは、みんな『夢みる宝石』でした。

今度は、『人間以上』を実家から持ってこようっと。



どんな話かというと、ですね、

養父母の元を飛び出した8歳の少年がサーカスの一座に
拾われて、そこで生活するようになるんだけど、
サーカスの座長というのが、くせのある人物で、
以前偶然発見したコピー能力のある水晶を探している…

あれ?
サーカスじゃないのかな?
カーニヴァルの一座って書いてありますね。


というわけで、夢みる宝石って感じの作品です。

読み始めてすぐ、スタージョン世界に入れます。
これを読めば、本屋でスタージョン新作を見かけたら
「きゃあ、スタージョンよー!!」という気分になれます。
多分。

ま、人には好みってものがあるから、一概には言えないけど。

あ、すいません。
この作品も絶版だ。
しかも、中古で買うと定価の3倍以上しますね。
復刊ドット・コムで8票っていうのは、寂しいなぁ。
「人間以上」はまだ重版されているのに。

空洞地球

2005年08月29日 | 読書
ルーディ・ラッカーの「空洞地球」
既読本、再読無しです。

1830年代の少年が、エドガー・アラン・ポウと出会い、
地球内部の世界で冒険するというSF。

なんですが、ポウに関する知識がないので、
おそらく面白みを充分堪能できなかったのではないかと
思われます。


地球の内部が空洞になっているというと、
高校時代の友人を思い出します。
彼女、図書館で『地球空洞説』という本を借りていたっけ。
なんじゃそりゃ?!と思った記憶があります。
Amazonで検索してみたら、そのものずばりのタイトルの本が
ありましたが、その本だったのかどうかは、今となっては不明。
友達も15年ぐらい前から行方不明だし。
あ、それって、もしかして…



…本カテゴリがやっと100を超えました。

火車

2005年08月29日 | 読書
宮部みゆきの「火車」です。

私が今まで読んだ宮部みゆきの本の中では
一番良い印象を持った本です。

パラパラと読み直しました。


怪我で休職中の刑事(中年男)が、
親戚の男性から失踪した婚約者を探してほしいと
頼まれたことから、話が始まります。
婚約者を探していくうちに、徐々に現れてくる事件の影。

クレジットカード、自己破産などといった問題を扱った作品です。
おまけに、戸籍閲覧の問題もちらっとありました。


さて、読み直してみると、
刑事の推理に無理があるなという気がしました。
それと、これさえなければ絶対わからなかったのに…という物件。
そんな危険なもの、ずっと持ってるわけないって。

というぐあいに、推理小説の推理の部分では不満を感じましたが、
人間模様の点では、とても面白いです。


私は、クレジットカードは持っていますが、お金を借りたことって
家のローンぐらい。
あ、そういえば、ソファーカバーをローンで買ったっけ。
無利息キャンペーン中だったので。
月々500円ぐらいを3年ぐらいかな?
ま、どうしてローンにするんだ?という程度。
もちろん、手数料もゼロです。
カード買いするときも、一括払いしかしたことないし、
今のところ、カード地獄とかとは無縁の生活を送っていますが、
先のことは何があるか、わからない。。。

作品中に、学校でちゃんとローンについて教育しろという意見が
書かれています。
せめて、家庭内で教育することにしますか。
多分、うちの子は大丈夫だと思うけど。

って、それが危ないのかも。

OUT

2005年08月29日 | 読書
桐野夏生の「OUT」。
既読本です。
「反逆の星」でちらっと書いたように、
実家から持ってきていた本があったことを
思い出して記事にしています。


桐野夏生って全然知らなかったんですが、
本の裏表紙にある説明を読んで買いました。

というか、私、知っている人しか知らないんで、
って当たり前だけど、
読んでいる範囲、狭いんですよ。
たまに、新しい人のも読んでみようという気持ちが
膨らんでくるときがあります。
バイオリズムだろうか。
そんなときに、手に取った本です。



午前0時から5時半まで弁当工場でパート勤めをしている
主婦達が起こしたバラバラ殺人。
なぜ彼女たちは、そんなことをしたのかが、書かれているわけですが、
突飛な設定のわりに、読んでいるととても納得できてしまいます。

なるほどね。
そうか、仕方が無いよね。と。


弁当工場の様子も細かく描かれていて、興味深いです。

男性作家には書けない女性像ですね。
って、男性差別発言か。。。


今回、読み直していないのですよ。
前に読んだ記憶だけを頼りに書こうとすると、
ここぐらいまでしか書けないですね。

ブログ記事にするには、読み直したほうが良さそうです。


反逆の星

2005年08月25日 | 読書
にゅきみさんが「エンダーのゲーム」「エンダーズ・シャドウ」を読んでるよーというので、
そういえば、もう閉鎖してしまった既読本専用ブログのネタにするつもりで、
実家から持ってきてたっけ。。。と思い出しました。

カード特集でもやろうかと思って、エンダーシリーズ全部とその他にも。

その中にあったのが、この『反逆の星』
ハヤカワ文庫ですが、ちなみに絶版です。
カードで絶版って、わりと珍しいんですけどねー。
ちらっと復刊ドットコムを見たら、12票入ってました。
先は長いぞ。


『反逆の星』は、カードの中では評判が悪いです。
でも、以前私が読んだときには、面白かった記憶が。
というか、カードの中でも一番好きな部類に入る、
けど、人にはお勧めできないという作品です。
個人的に好きなシーンがあるから。
それが何とは言えませんけど、いくら絶版でも。

反逆を企てた人々が流刑された惑星での話です。
流刑されてから3000年が過ぎ、当時の人ごとに王国となっています。
Aさん、Bさんファミリーではなく、それぞれA王国、B王国になっているという。

それぞれの国では、祖先の職業を発展させた技術が盛んになっています。
たとえば主人公の国民は祖先が遺伝子学者だったので、
自分たちのDNAをいじって、無敵の身体を持っています。
再生作用が非常に強く、怪我してもすぐに治ってしまいます。
まあ、それがうまくいかない人もいて、主人公もそうなのですが、
たまに再生作用が異常をきたし、いらないものまで再生してしまう。
たとえば、腕が3本とか。

ところで、流刑の星として選ばれたのは、この星には鉱物資源が少ない
あるいは、地表近くにはないという理由があります。
中央政府と連絡が取れるのは、物質転送器のみ。
そこに、中央政府が気に入りそうなものを入れると、代わりに鉄がもらえます。

この鉄をめぐる争いが、各国間で重要なものになっています。


そんな舞台で、世継ぎの王子という座を追われた王子が繰り広げる冒険談が
『反逆の星』です。



というわけで、読み直してみましたー。

私が気に入っていた箇所は、前半部分でした。
どうも、記憶がぼやけています。

全体に、ほらふき男爵の冒険か、ガリバー旅行記か、
シンドバッドの冒険って感じです。
神話っぽいとも言えるかな。

そして、最後の敵の正体。。。
なんだか、なんだか、今の時流にピッタリとしか、言えません。


絶版とはいっても、古本なら手に入ります。
そして、図書館になら、あるんじゃないかな?

あー、例によって、Amazonの説明を読んだほうが簡潔でわかりやすい。。。




流星ワゴン

2005年08月21日 | 読書
重松清さんの本。講談社文庫で読みました。

帯に「本の雑誌」年間1位とあったので、買いました。

仕事も家庭も崩壊して、生きる気力を失った38歳(かな?)の男(主人公)の前に、
一台の車が近づいた。
その車は数年前に事故を起こした車で、そのときに死んだ男と小学校2年の息子が乗っていた。
主人公は、その車に乗り、過去の重大な岐路となった日に戻る。
と、そこへ、なぜか主人公の父も現れる。しかも、主人公と同い年。


という話です。

父親と息子の物語ですね。

あとがきにもあるように、確かに女性(母)の記述は弱い。
っていうか、弱いという以前に、ありません。
主人公の妻は、母親っぽく描けそうなのに、それが全く無い。
この人は、母親じゃないです。

まあ、わからないものを下手に書くよりマシかな。

ただ、父親と息子として書かれたものは、親と子の物語として受け取ることも可能だと思いました。



それにしても、「本の雑誌」ってこういう話が好きですねぇ。。。
たしか、以前「消えた息子たち」(カード)も海外部門だかで1位だったような。
もう少し毛色の違った話が読みたいなぁ。
親子の話は、どうにも重すぎ。。。
自分が親ですからね、身につまされます。



さて、この本ですが、本当は旅行に持っていくつもりだったのが、
ついつい前日に読みきってしまいました。

さくさく読めて、面白いことは確かです。

おっと、電車の中とかじゃなくて、一人でゆっくり読んだほうがいいですよ。
ハンカチも用意してね。

エレファント

2005年08月21日 | 映画、TV
DVDです。
Yahoo!ムービーではこのページ

アメリカで起きた高校銃乱射事件を元に作られた映画です。

高校生の日常生活が淡々と、数人(グループ)の視点で交互に描かれるだけ。
ただそれだけなのが、逆にリアリティを感じました。

本当にまだ若い、高校生なんだなと。

それにしても、高校、広いですねー。
それにカラフル。
日本の高校とは、随分違います。
授業風景も違うし、カリキュラムも自由なのかな、
なんだか、大学のような風景です。


背景に流れるベートーベンの曲の美しさが、危うさ、脆さを強調しているように感じました。

この人たち、多分、全員死ぬんだよね…と思うと、切なかったですね。


視点切り替えについていけなかった場所があったので、
もう一度観るといいかなぁ。。。
時間あるかなぁ。。。
もう、返却日なんだけど。


万物理論

2005年08月17日 | 読書
イーガンの『万物理論』です。

表紙を見ると、原題は、DISTRESS。
あれ?万物理論じゃないじゃん?と思いました。

万物理論って、英語だと、セオリー・オブ・エブリシング。

日本語で、『万物理論』ってすごくカッコいい響きがあるけど、
英語だと散文的で冴えないなぁ、DISTRESSはいいけど。
私の勝手な思い込みですけどね。


と、そんなわけで、読み始めて。。。。

もう、1行目から最後まで、びゅんびゅん飛ばしますよー、イーガン先生。

すごいです。
アイディアの奔流です。

最初は、生物工学のアイディアを思いっきり広げた未来社会の描写。

ひえぇ~、ひえぇ~と、もう感嘆するしかありません。
もう、ここだけでも満足って思いました。

そうこうするうちに、『宇宙消失』と似たノリで、ちょっとミステリータッチで話が進んでいきます。

で、登場するのが、ひょっこりひょうたん島。

ここからは、生物工学から、物理学も話に加わります。

やっと万物理論の登場です。


万物理論って、普通にある理論なんですね。
なんか、統一場理論の先にある理論だそうで。

って、何がなんだか。
説明読んでも、ちんぷんかんぷん。

でも、なんだか『宇宙消失』でもなじみのある考え方とか出てきたりして、ついていけそうな気分。

っていうか、いつもだって、SFの説明を完全に理解しているわけじゃないし。
まあだいたいのところがわかれば、大丈夫。

2つのHというくだりも、なかなか興味深い。。。

『宇宙消失』より、面白かったです、私には。
アイディアてんこ盛りのバリバリハードSFなのに、
ふんわりとしたやさしい読後感は、主人公がぶきっちょだからかなぁ?
それとも謎の人物がかもし出す雰囲気だろうか?


あ、そうそう。

最初のところで、『汎性』っていうのが出てきたとき、ま、両性か無性だろうとわかったのですが、
『汎』っていう代名詞、名前だと誤解しちゃいました。
中国の人なんだーと。

汎性の汎って、駄洒落かい?!って思ってしまって。

はあ。。。。






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 サラリーマンの気になったサイト:万物理論