てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

ストーカー ストルガツキー

2006年01月26日 | 読書
随分前から、ストルガツキーを読むぞ~と言っていたのですが、やっと読みました!
他にも、読むぞ~!と言いつつ、なかなか順番が回ってこない本たちがいますね。。。ま、ぼちぼち読みますよ。

さて、「ストーカー」ですが、職業名です。
突然、やってきた異星人たち。人類との直接的なコンタクトがないまま、痕跡だけを残して、再びどこかへ行ってしまいました。人類はその痕跡の研究を始めますが、困難を極めます。
ストーカーとは、そうした痕跡(ゾーンと呼ばれています)に違法に入り込み、異星人の遺物を盗んでくる人々のことを言います。
ゾーンは、とんでもないところで、無事出てこれただけで幸運というような場所です。

最後に全ての謎が解け、すっきり!
というカタルシスを期待して読む本ではありません。

ゾーンの秘密について書かれた本ではなく、そういった異常な状況における人間について書かれた本です。
そういう意味では、原題直訳の「路傍のピクニック」より、タルコフスキーが映画化したときのタイトルである「ストーカー」の方がピッタリかもしれません。
人間が人間であるとは、どういうことなのか、読み終わって考えさせられる本です。

再読ですが、何回読んでもいいですね。
次に読む予定はストルガツキーじゃないんだけど、また近いうちに読みたくなりました。

1972年初版かな。
ハヤカワ文庫1983年初版。深見弾 翻訳。
ロシア、東欧SFといえば、深見弾だったのですが、亡くなられて久しいですね。
今は誰が翻訳してるのかなあ。

A&B・ストルガツキー  ストーカー
原題は勘弁・・・

発狂した宇宙 ブラウン

2006年01月18日 | 読書
以前、本棚の紹介その2で、「読んだかどうかも不明」とまで書いたフレドリック・ブラウンの「発狂した宇宙」を読み直しました。

はい。
「読み直した」と書いたわけですから、以前読んだ記憶が蘇ってきたわけです。
読んでいると、「あ、これ知ってる。読んだことある。確か次はああなるはず。でも、結局どうなったっけ?」という状態が続きました。
濃霧がたちこめ、前方がうっすらとしか見えない道を歩いているような状態です。
あんまり嬉しい状況じゃないですね。

えっと、内容は、原題のとおり。
What mad universe です。
邦題だと深刻な状況のようですが、原題だと軽そうでしょ。

初の月着陸ロケットが地球に墜落したとき(古い本なもんで・・・)、たまたまその中心にいた主人公が別次元の世界に飛ばされてしまったという話です。
で、飛ばされた世界がWhat mad universeです。
今回の主人公は少年じゃないですよ。
30歳の独身男性。SF雑誌の編集長です。
時代は1954年。
えっと、この本が書かれた年からみれば、未来になります。

主人公が飛ばされたのは、自分のもといた世界と非常によく似ているけど、一部違う世界です。
この違っている部分が、とてつもなく違う。
そんなわけで、その世界についた早々、アルクトゥールス人スパイと間違えられ殺されそうになってしまうという・・・。
ま、そんな感じの奇想天外、多次元宇宙ものです。

いやはや、昔のSFって面白いですね。
今のとは随分違う。何と言ったらいいのか、勢いがあるとでも言うのでしょうか。
解説は筒井康隆ですよ。


初版1949年。スランよりは新しい。第二次世界大戦も終わってるしね。
ハヤカワ文庫初版が昭和52年。私が持ってるのは12刷目で360円。
新品でも買えますね。735円。
翻訳は稲葉昭雄。


おっと、フェミ的視点での感想を忘れそうになりました。
まったく問題ありません。というか、そういうのを云々するような話じゃないですから。

スラン ヴァン・ヴォクト

2006年01月17日 | 読書
もうすっかりストーリーを忘れていて、しかも、面白かったかどうかすら覚えていない「スラン」を読み直しました。

全然、覚えてない!
とはいうものの、インパクトがあった事柄は思い出すものですね。
これで、昔ちゃんと読んだことが判明しましたよ。

それに、この文庫本の間から、1枚の葉書を発見!
保険会社からの支払い通知書だったんですが、なんと昭和63年ですよ!
当時、流行だった養老保険満期通知書。
いやあ、どこの世界からきた葉書?異次元?と言いたくなるぐらいの利息がついておりましたー。
このお金、一体、どこへ消えてしまったんでしょうね。
ワームホールか、四次元ポケットか・・・。

それはさておき、内容についてですが、面白いです。
細かい部分を言い出したらきりがありませんが、全体には古さを感じさせません。
迫害されるミュータントというありきたりなテーマながら、追いつ追われつ、緊迫したストーリー展開になっています。
正直、読み始めた最初は、「また少年が主人公か。」とうんざりしたのですが。(って「宇宙の孤児」の主人公は少年じゃないって。)
肝心のオチを覚えていたから新鮮味が薄れてしまったのが残念です。

スランというのは、ミュータントに付けられた名称ですが、このスラン、超人です。
心臓が2つあって、人間離れした筋力と頭脳と5感、さらに読心力まで備えています。
外見は、一房の金髪以外、普通の人と見分けが付きません。

主人公は、スランだと、ばれないように、帽子を被ったり、かつらをつけたりしてます。
例の金髪は、触覚だそうで、抜いちゃうと読心できなくなるそうなんですよ。
短く切るのはOKみたいです。髪の毛を短く切って、かつらを被ってましたから。

でも、染めるのは駄目なのか?と思っちゃいましたね、どうしても。
あとは、根元さえあればいいならば、スキンヘッドにしてしまうとか。
どうせ筋力がすごいんだから、少林寺少年やバスケ少年のフリで誤魔かせないかな。
って、いつの時代だ・・・。
未来なんだから、スキンヘッドだって普通にあるかもしれないよねー、ねー。


それ以外は、やはり「女性」には、少しだけ引っかかりますが、だいぶマシ。
女性は男性に友情を感じることはないのでしょうか?と言いたいぐらいです。
あとは、うーん、お母さんが情けないとか、そんなもんかな。
でも、この古さでこの女性像なら、カッコいいかな。
これからも、この視点で再読を続けてみよっと。


ということで、ハヤカワ名作コレクションに、「スラン」どうでしょう。
品切れ中みたいですし。

なんでもよければ、中古で200円ぐらい、綺麗なのだと800円から売ってました。(Amazon調べ)
ちなみに私が持っている本の定価は380円。安~い。
しかも11版ですよ。昔は、結構、重版してたってことかな。

初版が1940年、ハヤカワ文庫初版が昭和52年。
翻訳は、浅倉久志です。

宇宙の孤児 ハインライン

2006年01月16日 | 読書
ハインラインの「宇宙の孤児」、昨日、読み直しました。
ラスト、勘違いしてました。
てっきり、あれがああなってたと思ってたのに、違った・・・。
じゃあ、私が思っていたラストの小説って何だろう?

すいません、意味不明ですね。

で、でも私が考えてたラストって、ものすごいどんでん返しなので、具体的には書けません。
書いちゃったら、恨みを買いそうですから。

というわけで、途中から、あれ?おかしいな?これじゃあ、私が思っていたラストシーンにつながらないぞと、首をかしげながら、読みすすめたわけです。

そうそう、主人公は少年だと思い込んでいたのも、勘違いでした。
確かに、最初に出てきたときは若かった。10代。
でも、その後、いろいろあって、メインストーリーでは、おそらく20代後半ぐらい。
白髪もあるしね。

そんな感じで誤解爆発だったんですが、読んでいたら少しずつ思い出してきました。それで、そのうち、だんだん読み進みたくなくなってきて・・・。
だって、一番のお気に入りキャラが、どうなるか思い出しちゃったもん。
しかも、主人公は、ストーリーの都合に応じて、素晴らしい能力を発揮できる鼻持ちならないやつだし。
そんな感じで、最後はちょっとしらけ気味。
この後、たぶん、絶滅だな・・・とか思ったり。
おかしいなぁ、昔読んだときは面白かったのになぁ。


この本の舞台となっているのは、ケンタウリへの移民船が途中で知識をなくし、宇宙=船と考える世代が何世代も続いていた世界。船は、科学者を頂点とする階層社会になっている通常重力のある下層部と、ミューティーと呼ばれる突然変異で奇形になった人々が無政府状態で暮らす低重力の上層部に分かれて、お互い、いがみ合っています。


えっと、偉い科学者が物理学やら天文学を理解する方法は、笑いました。


あと古いSF全般に言えることですが、女性の書き方がひどい。
それはわかってるから、SF読むときは、そういう部分には目をつぶって読むようにしてますが、この本は、こんなにひどかったっけ?とビックリしました。

下層部の女性は一段、劣った存在として書かれています。科学者になれないみたいだし。はっきりそうと書かれていないけど、女は科学者になれなくて当然、わざわざ書くまでもない的な雰囲気があります。
思いっきり好意的に考えてみれば、下層部は階級社会であることを強調したいからかもしれませんが、どうかなぁ。どうしても、作者の基本的な考え方が出ている気がしますね。
上層部では、女性は1人しか出てこなかったし、他に言及がないからよくわかりません。唯一の女性ミューティーは、凄腕(!)の職人だったので尊敬されていました。
でも、あえて、勘ぐってみると、ちょっと魔女っぽいですね。


それにしても古い。1963年に出版された本ですから。
ちなみに、ハヤカワ文庫初版は昭和53年。
翻訳は、矢野徹です。

Jane Eyre, Prince of Egypt-Brothers in Egypt

2006年01月15日 | 英語
多読本感想って、わりと大変なわりに読む人が限られるので、今日は記事2つまでにしようと思ってたんだけど、下の記事にJane Eyreをつけたのを、タイトル文字制限にひっかかって投稿できなかったから、おまけ。
ついでに、タイトル名が非常に長いエジプト兄弟の感想も書いとこう。

Jane Eyre
PGR3 7200語
★★★★

ブロンテ姉のRetold版。
いや、読んだことあるんですよ、子どもの頃。でも、内容をほとんど忘れてしまっていて、当時は、あまり感心しませんでした。ふーん、通俗恋愛小説だなーって、生意気な感想。それよりも、同じブロンテだったら妹の方の嵐が丘の方が、ドロドロヒューヒューしてて印象深かったですねぇ。

それが大人になってみると、こういうのも楽しめるようになったのかと感慨深いです。
Retold版で思いっきり省略されているんですけどね。

ところで、ここに出てくる寄宿制女学校についてですが、当時もそんな感じだったんですよね。
娘を学校に預けたら、病気なって戻ってきた、はては病気で死んでしまいましたーって親は文句言わないのかな。


Prince of Egypt-Brothers in Egypt
PGR3 8500語
★★★

挿絵がディズニー。
なので、主人公の名前を見てまさかと思ったけど、やっぱりモーゼの出エジプトでした。

奴隷であるヘブライ人の、男の赤ん坊はすべて殺せという王の命令から逃れるため、生まれたばかりのわが子をナイル川に託す母親。
ナイル川は宮殿にも通じていて、流された赤ん坊は后に拾われ、弟王子として何不自由なく育てられる。

とかいう話なんですが、ふと思ったんですが、宮殿って奴隷地区の川下にあるんですか?
うーん、私って細かいことが気になるタチだったんですね・・・。

SkyJack!, Secret Garden, David Copperfield

2006年01月15日 | 英語
Sky Jack!
OBW3 9300語
★★★

ハイジャック犯が要求した内容は、とても承諾できないようなものだった。
しかし、犯人達は要求を呑まないと乗客を一人ずつ順番に殺していくと宣言し、実際に1人、殺してしまう。
窮地にたたされた女首相が取った方法とは・・・

という話で、最初に登場してくる若い男性乗客があるものを食べるシーンがあるのですが、そこはビックリしたなぁ。いくらコーヒーをつけて食べやすくしたって、モサモサするよねぇ。

あと、ハイジャックって飛行機にしか使わないんですよね?
飛行機って高いところを飛ぶから、ハイジャックかと思ってたけど、違うのかな。バスだとバスジャックって言うよね。
それとも、バスもハイジャックって言ったっけ?電車だと、えっと?

あ、違った、違った。
ハイジャックの語源

ハーイ、ジャック!って・・・。


Secret Garden
OBW3 9600語
★★★

PRGで読んだのとは、また一味違った秘密の花園。
ヨークシャー訛りっていうのが出てきて、ああ、そうか、英語の本を読むってことはそういうのもわかる(推測できる)ってことなんだなーと、改めて外国語の本を読む難しさを認識しました。


David Copperfield
PGR3 2300語
★★★

ディッケンズのRetold版。
このレベルにしては、語数が多く、この本で随分助かりました。語数稼ぎにピッタリ。
予想通り、ボリュームがある分、英文が平易でしたし、原作が古典名作なだけにストーリーはしっかりしていて楽しめますからね。
原作を知らないので、少し不安はありましたが。

結局、男ってかわいくて馬鹿な女が好きなのね・・・。
少なくとも、当時は。

叔母さんが一番魅力的でした。
最初登場したときは、どういう人?と思いましたが。

Jojo's Story, Go Lovely Rose, On The Edge

2006年01月15日 | 英語
ずーっと英語多読の本の感想を書いてなかったんで、3冊ぐらいづつまとめてボチボチ書いていきます。読んだ順番は忘れてしまったので、手元の資料に並んでいる順番で。
ああ、他にも映画や普通の本(日本語の本ってこと)の感想も、溜まってますね。
そちらもボチボチ書きますよ。

Jojo's Story
CER2 8400語
★★★★★

しょっぱなから、この本か・・・。
問題作ですね。

戦争で村人が殺され、ただ一人生き残った10歳の少年の物語です。
村に隠れていたところを国連軍に救出され、戦災孤児院(かな?)に。
途中、国連軍に同行していたカメラマンや、孤児院の国境なき医師団の女医、
孤児院で知り合った同じような境遇の子どもとの交流を交え、
戦争の様子、戦争前の様子が少年の視点から、淡々と書かれています。

結局、少年は孤児院に立ち寄った自国軍隊に参加することになるのですが、
あんなに戦争を嫌い、平和を願っていた彼がどうして軍隊に参加することを
選んだのか、何か他に方法はないのか、読むものに重いテーマを投げかけてくる話です。

高校でも、こういうのを英語の教材にすればいいのに。


Go, Lovely Rose and Other Stories
OBW3 9500語
★★★★

3つの短編からなるお話です。
それぞれの短編タイトルは、わかりません。
借りた本なんですよ、もう返してしまってて。

1つ目はこの本のタイトル、Go, Lovely Rose。
Lovely Roseは娘のこと。庭の黄色いバラのように美しい娘なわけです。
男と出かけていって深夜になっても帰ってこない娘が心配で心配で眠ることもできない父親の様子を通して、年頃の一人娘が親元を巣立っていくときの、父親の不安感、寂しさ、そして巣立ちを見守る気持ちが描かれています。

2つ目は、嫉妬のあまり犯罪を犯してしまった男が、出所後、その恋人に会いにいくお話。
結局、最後どうなったのかは、読者の判断にまかされているのですが、読後感は悪くないです。
SSSサイトでは、この2つ目の評価が高いようです。

3つ目は、なんじゃこりゃこりゃというお話。
ひどい男だなーと。っていうか、女もひどいし。
この本の裏表紙に、普通の人の話ってありましたが、3作目はあんまり普通の人って感じじゃないですね。
恋のお話です。

全体に大人のちょっと洒落たお話って感じです。
GRでアクション推理ものばかり読んでいると、この本は毛色が変わっていて気分転換になります。


On The Edge
OBW3 1100語
★★★★

うーん、なんて書いて良いのかよくわからない本です。
1100語では多少、無理がある気がします。
Retold版なので、原作ならもっと深く味わえるのかも。

ジョギング後、家についた途端、気を失ってしまった少年。
目が覚めると、少年の両親だと自称する見知らぬ男女に監禁されていた。
頭が痛くなるほどの大音量の音楽が流れ続ける中、お父さん、お母さんと呼べと強要されるうちに、少年は自分が本当は誰なのかわからなくなりそうになる。
しかし、近所(といっても田舎なので、遠い)にすむ少女が、その様子の異常さに気付き、少年を助け出そうとするが・・・

家族って何でしょうね。

そういえば100万語

2006年01月08日 | 英語
すっかり書き忘れていたけど、去年英語多読100万語を達成したのでした!
12月31日に!!

思い起こせば、2年ぐらい前の2月に多読を開始し、
紆余曲折を経て、というか、まあ怠けながら、
去年10月15日ごろやっと50万語になったのを潮に
年内100万語を達成すべく、ねじを巻きなおしたのでした!

10月15日から12月31日までの、多読の軌跡が下のグラフだ!!


黄色いのは目標ライン。
赤いのは実績です。

時々、怠けながらも、頑張って挽回した様子がわかるでしょ。
特に12月24日からの挽回が我ながら凄い。
このとき、風邪ひいてて、仕事ができなかったから、
ずーっと英語読んでたんだよね~。

いやあ、グラフって楽しいですね。