てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

エンディミオン

2007年02月28日 | 読書
ダン・シモンズの「エンディミオン」を読みました。
これは、たしか半分ぐらいまで読んで、そのままになっていたものです。
ハイペリオンたちと比べると、淡々としていて、もうひとつだったんですよね。
それで途中読みで、放置。
と思って読み直していると、私が考えていた箇所(読んだ箇所)までで、6割ぐらいでした。
けっこう、読んでたな・・・
と思いつつ、さらに読み進めると、なんだか記憶にある。
あれ?
まだ、ここも読んでたっけ?
という繰り返しで、最後の1ページまで終了しました。

結局、全部読んだことあったわけで・・・
実は、「エンディミオンの覚醒」の数ページも読んだことがあったわけで・・・


さて、エンディミオンは読みにくい、もうひとつだったという記憶があったため、今回は読み方をちょっと工夫してみました。
それは、音読。
家族に、いまから音読してもいい?と一応断ってから読み始めます。
最初のうちは、呆れられながらも、いいよーと言ってもらえたのですが、だんだん、断られるようになってしまいました。
悲しいです。そんなにうるさいかな、小さめの声で読んでるのに。

音読してわかったのですが、黙読だと、いいかげんに飛ばして読んでいました。
とくに数字が出てくる箇所。
艦隊の数がいくつとか、あそこまで何光年とか、そんな数字がずらずらと並んでいる段落を丸ごと。
音読だと、しっかり読めますよー。
「ハイペリオン」や「ハイペリオンの没落」は音読しにくい箇所もありますが(カッサード大佐のところとか、カッサード大佐のところなど)、「エンディミオン」はそういう箇所が見事にありません。文部科学省推薦ですよ、これは。よく考えてみると、女性の登場人物は12歳の少女一人だけに近いしね。
その点、ハイペリオンたちは妙齢の女性が出てくるし。
他に音読で恥ずかしいのは、オーマイゴットみたいな言葉だけど、エンディミオンでは、それも少なかったです。
全部、音読したわけじゃないけどね。


さて、エンディミオンの内容についてですが、一言、言いたい。
あの寒い惑星の生態系について。
寒すぎて、生物がいなくて、人類はAという生物しか食べるものがない。
そして、Aは人間しか食べるものがない。
って、成り立たないって・・・、滅亡ですね。
それに、「ハイペリオンの没落」前、Aは何を食べてたんだろう?
給餌してたのかな?
土着の生物なのにー。

ハイペリオンの没落

2007年02月21日 | 読書
何故今頃、「ハイペリオンの没落」(ダン・シモンズ)かというと、読み直したからです。
ちなみに現在読んでいる本は、その続きである「エンディミオン」と、全く関係ない「順列都市」です。
「エンディミオン」は単行本なので持ち歩かず、家で読みます。
「順列都市」は文庫本なので持ち歩いて、外出先あるいは会社で読みます。
とは言うものの、なかなか外で本は読めません。
そんなわけで、「順列都市」1ヶ月以上かかって、まだ上巻の半分も読んでいないという有様です。

関係ない前置きが長くなりました。

さて、再読の「ハイペリオンの没落」ですが、いやあ、よかったですよ。
すっかり忘れているので、楽しめました。
おお、こんな展開か・・・って、情けないけど、嬉しいです。

「ハイペリオンの没落」は、しっかり「ハイペリオン」の続きです。
突然、「没落」から読むのは、マズいですので、よろしく。
そもそも、「ハイペリオン」は、あと50ページというところぐらいまで読み進むと、不安になります。
おいおい、こんな調子で話が終わるのかい?って。
はい、終わりません。
っていうか、これからじゃん?というところで、ページが尽きます。

なんだかよくわかんない巡礼の個人的な話とか、旅行記が延々と続く「ハイペリオン」ですが、「ハイペリオンの没落」は打って変わって、話がほぼ一直線に進みます。
うすうすわかってきたかな~という世界情勢も、きっちり書かれているので、そういう意味では「没落」の方がとっつきやすいという人もいるかもしれません。
なんというかドラマチックだしね。

少し残念なのは、キリスト教色が強いこと。
それ以外は、ほんと、よくできています。
基本的な筋立ては、ありきたりといえばありきたり(SFでは)ですが、大胆にして緻密な世界設定と、魅力的な人物描写で、ありきたり~と感じさせないパワーがあります。

そもそも、ソル老人が出てくるだけで、目頭が熱くなっちゃうんだもん、私の場合。
この辺りは、思いっきり作者に足元見られてる的な感じなんですが、仕方が無い。
・・・どうでもいいことですが、赤ちゃんにゲップをさせるときって、背中をさすったよね?トントンって叩いたっけ?
あー、いかんです。赤ちゃん育てなんて、忘却のかなたです。


ストーリーにあまり関係ない小道具の部分では、何と言ってもウェブがすごいです。
ウェブといっても、インターネットじゃないですよ。どこでもドアみたいな技術で作り上げられた(というか編み上げられたか?)世界のことです。
どこでもドアをこんな風に使いこなすのか~と感心しました。


フロスト、フロスト、フロスト

2007年02月02日 | 読書
映画の感想記事は在庫一掃したけど、本は溜まってます。
しかも、人に貸してて、手元にないのもあるという状況。

とりあえず、この記事で3冊消化。
『クリスマスのフロスト』
『フロスト日和』
『夜のフロスト』

すべて分厚い文庫本(700ページぐらい)で読みました。
創元推理文庫で、出てます。古いわりに、売れ筋みたいで、普通に本屋で売ってました。やっぱミステリは、外国物でも、SFと違って読者層が厚いのかな。
うらやましい・・・

さて、フロストって主人公の警部の名前です。
よれよれのトレンチコートに身を包んだ中年男。
って、あれ?
「あ~、奥さん、ちょっとひとつ、いいですか~?」の人(名前忘れた)じゃないですよ。
もっと下品です。
推理小説の主人公が行くところには、死体がある。っていうのは常識ですが、それが、てんでんバラバラな事件なんです。もちろん、中には連続殺人もあるんですけどね。
そんな状態だから、推理も一筋縄ではいきません。2筋縄だったり、3筋縄だったりです。
その上、いつもトラブル続きで、人手が圧倒的に足りず、てんやわんやです。
事件の謎さえ追っていればいいというわけでもなく、皆の残業時間届けを〆日までに出すなどといった事務処理にも苦しめられています。まあ、幸せにもというますか、不幸せにもというますか、家庭に時間を裂く必要がないだけ、フロスト警部はマシですかね。

フロスト警部の推理が、よくはずれるのも、可愛いです。
どれかのあとがきに、「あれは、わかってはずしたかのようにみせているだけ」
という感想が書いてありましたが、本気ではずす方が好感が持てるじゃないですか。わざとなんて、嫌味じゃないですか、できすぎ君より、できすぎですよ。

面白くて、2巻と3巻は続けて、一気に読みました。
結果、ただでさえ、複数事件が並行して進んでいくごちゃごちゃ状態を楽しむ話なのに、さらにごちゃごちゃとなり、混乱しました、私の頭が。
3巻を読んでて、お、これは、例のあっちの事件に関係あるなーなんて思って、
でも、よく思い出してみると、そのあっちの事件は2巻で発生したすでに解決済みの事件だったりとか。

そのため、あまり連続して読むことはオススメできません・・・



これらの本を読んで、
イギリス人って、暇さえあれば紅茶飲んでるのか?
いやいや、積極的に無理やりにでも、紅茶を飲む暇を作るのか?
と疑問に感じました。
そうなの?
誰か、イギリス人でこのブログ読んでる人、いないかな。
いないよね・・・