Teddy+tのソルトスプリング島便り

バンクーバーからソルトスプリング島に引っ越しました。
島の風景を主にUPしていきます。

久しぶりの。。。。

2007年01月26日 | Weblog
久しぶりに、ガトー オ ショコラを焼いてみた。
今回は、甘さ0の100%カカオ
(これがそのまま食べたら目眩する程まずい!)を使って
みました。まあお砂糖は入れるので、程よく甘くなるんですが
生地が、いつもと違ってなぜかしっとりして、良い具合に仕上がりました。
アーモンドスライスをたっぷりとのっけてみたら
上の方がすこし焦げて、またこれが香ばしく美味しくなりました。(って自画自賛!)
ケーキの隣のダックスちゃん達も、大満足!(って、ただの置物だから。分かってないから。)
と寂しくひとり突っ込みするわたくし。

さて、昨日は、ドロップインのボランテイアのおつとめが終わってから
シニアの人達と一緒に、”明日の記憶”という映画を見ました。
渡辺謙、樋口可南子が主演の映画で、若年性アルツハイマーに罹った主人公と
その家族との葛藤が描かれていくんですが、これが、すごくリアルで
久々にすごく良い映画を見たと思いました。
私が思う良い映画とは、構成がしっかりしていて、
俳優さんたちの演技がとてもリアルということなんですが
渡辺謙と樋口可南子はほんとの夫婦みたいだったし
とくに樋口可南子はこの人ってこんなに上手な女優さんだったんだと目から鱗でした。
映画を見ていてあんまり感情移入するということはないんだけど
この人には、とっても感情移入してしまって、画面に出ている時には
ずっと目で追っていました。(なんだか、ストーカーのようなわたくし)
アルツハイマーと言う病気は、はじめは本人ももちろん苦しいけれど、ある程度進行してしまったら
自分ではもう分からなくなるので、痛みや苦しみの自覚がないのだけれど
まわりの家族にとったら、それはもう、たいへんな苦しみなわけで
その辺が、この映画ではとっても上手に描かれていたと思うのです。
その苦しみ、家族の、夫婦の苦しみを樋口可南子という女優さんは
自分が今その生活の中にいるかのように演じていて、
なんだかリアルな家族のドキュメンタリーをみてるみたいな所が
多々ありました。
もちろん、現実のものは、この映画よりも100倍もたいへんなのですけれど。

ここからはネタバレになるので、今から見る人は読まないでくださいませ。


最後に、主人公が、自分の妻も分からなくなる場面があって
(そこも、また樋口可南子の演技がすばらしい!)
もう、そこはすごい身につまされたというか
もし、Gがそうなったらと思うと(ならない可能性がないとはいえないし、また自分もそう)
とても悲しく、泣きたくなりました。
映画はそこで終わるのですが、これからこの夫婦が、どうやって生きて行くのか
それが、最初のシーンで出て来ているので、最終的には穏やかに暮らして行くんだというのが
分かります。
映画だから、そのシーンは美しく描かれているけど
実際には、それはほんの一時であり、ほとんどの日々は戦いであるんだよな~と思いました。

私の好きな遠藤周作氏が、”愛とは捨てないこと”と言っていて、
(この言葉に出会ったのはもうずいぶん前ですが、これは私の一生のテーマになってます。)
どんなに、愛する人が年老いてボロ雑巾のようになっても捨てないこと
この映画は、この言葉をリマインドさせてくれました。