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雑感録

これがぽ~ちゃんだ その19『CHAOS AND CREATION ~』(タイトルが長過ぎて入らん)

 
CHAOS AND CREATION IN THE BACK YARD(2005 Paul McCartney)

『DRIVING RAIN』リリースとワールドツアーの後、ポールはバンドとともに新作に着手。
プロデュースをジョージ・マーティンに依頼するが、すでにヨタってきていたマーティン先生はナイジェル・ゴドリッチとかいうオッサンを推薦したのだとか。
そこでオッサンの言うことには「あんさん、子どもみたいにいつまでもバンドバンド言うとかんと、一人でやりなはれ。その方がよっぽどええもんできまっせ」。
そういう訳で、おそらくポール史上初のプロデューサー付きソロプロジェクトとなったのが今作だ。
そのファーストインプレッションは既出の通り、とても違和感のあるものだったのだが、これが聴き込むにつれてなんとも心地いいものに変わってきて、今や最もお気に入りの一枚と言っても過言ではない。
最大の特徴は「作り込み過ぎなさ」。
いつもだったら曲ももうちょっとつめるだろ、アレンジももう少し作り込むだろ、というところで止めている、そのラフさみたいなものが、なんとも新鮮なのだ。
なかなかやるなあ、ナイジェルのオッサン。

ちなみにこのCD、日本盤はCCCDだったので、パソコンで聴くことが多い私は輸入盤を購入しました。

01 Fine Line
いや~、オープニングが陽気だと心が弾む。気持ちいいピアノのノリとブレイク気味の中間部、サビのシンプルなメロディに常套手段だが捻ったコード進行、そしてシンバルの乱れ打ち。まさにポールの独り舞台(ソロなんだから当たり前)。歌詞にはアルバムタイトルの一部「Chaos and Creation」が対比する言葉として登場するが、「Backyard」の方は出てこない。まったくの内輪話で恐縮だが、当時、弟が嫁さんに愛想を尽かして出て行ったなんてことがあって、「無茶と勇気は明らかに違うんだよ」「帰っておいでよ兄弟。すべて水に流したよ。君が出て行ったときはみんな泣いたんだよ」なんて歌詞があまりにぴったりな状況だったんで笑ってしまった(結局その後弟夫婦は離婚したのだが)。
http://www.youtube.com/watch?v=hudi955n2gs

02 How Kind of You
いつもだったら、もう一つ盛り上がりをつけるよなって曲。そうやって無理矢理感が出てしまうより、単純にメロディを生かそうということなんだろうな。

03 Jenny Wren
ポール自身が「『Blackbird』の娘」と語ったらしいが、ギターのフィンガリングで同じような奏法を使っただけ。美しくも物悲しい曲で、dudukとかいう人の声のような音を出す笛がまた効果的。最後のサビのところなど、まるで人がハモってるかのようだ。
http://www.youtube.com/watch?v=36dtjxUMWdM

04 At the Mercy
この曲も、いつもならCメロをつけるところかもしれないが、これはこれで十分成り立ってるのでいいか。ちなみにウチでは「あとまわしの歌」として子どもたちに親しまれている。

05 Friends to Go
2001年に亡くなったジョージへのオマージュ。と言うか、まるでイタコのポールにジョージの霊が乗り移ったかのごとき曲調、ギターやキーボード使い、コーラス。簡単に言うとパロディってことか。とにかく笑っちゃうくらい面白い。

06 English Tea
まさに、お茶の時間にサロンでやってくれたら楽しそうな、素敵な小品。『The Fool on the Hill』以来(?)のお茶目なリコーダーのかけあいも披露。

07 Too Much Rain
37年ぶりに幻のアルバム『SMiLE』を完成させたブライアン・ウィルソンに宛てた曲らしい。チャップリンの映画にちなんだ曲だとも。そんなことはどうでもいいが、シンプルなベースライン、さりげないピアノ、無理せず効果的にファルセットをつかったボーカルなどなど、とにかく美しくてカッコイイ。

08 A Certain Softness
ポールがなんとロマン歌謡に挑戦!? しかし、ここまできっちりに型にはまると、潔くてなんか気持ちいい。ピアノもスパニッシュギターもいかにも!って感じ。「ガミフー、ガミフー」の「フー(クト)の歌いまわしもゾクッとするくらいいい。

09 Riding to Vanity Fair
このアルバムではもっともゆるい感じ。こんなんで5分以上もやらせるなんて、ナイジェルのオッサンの好みか?

10 Follow Me
1番のギター1本とボーカルだけのところが、すごく生々しい。この曲に限ったことではないが、このアルバムはこういう生音をけっこう意識しているような気がする。関係ないけど、なぜかこの曲、前作の『Freedom』と頭ん中でかぶってんだよなあ。

11 Promise to You Girl
久しぶりのサンドイッチ形式は、Queenばりのコーラスも挟んだハム玉子仕様。無茶をしないギターソロが、らしいといえばらしいのだが、笑える。ちなみにアルバムタイトルの残りの一部『Backyard』はこっちに出てきました。

12 This Never Happened before
出ました、最後を飾るスケールの大きなバラード。とはいえそこまで大袈裟にしてある訳ではなく、特徴的なベースにピアノ、さりげないストリングスとさりげないギターだが、曲そのものにスケ-ル感があって、く~、たまらん状態。
http://www.youtube.com/watch?v=0qtSVqQAULI

13 Anyway
おや、まだバラードがあったか。こちらはコーラスなどで分厚く演出してあるような感じ。ベースはオクターブ奏法乱れ打ち。このあとクレジットにはないが2曲のインストロメンタルのオマケ付き!

***日本版CD(?)ボーナストラック***
14 She Is So Beautiful
管楽をフィーチャーした、ベタなバラード。本編に入れたら、そりゃ浮いてただろう。

つづく
CONTENTS

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