DRIVING RAIN(2001 Paul McCartney)
前作『FLAMING PIE』をほとんどジェフ・リンやスティーブ・ミラーとのコンビ、あるいはソロで作ったポールは、またバンドの虫が疼き出したらしく、アメリカの若手ミュージシャンを集めてレコーディングを開始。
デビット・カーンをプロデューサーに起用し、スタジオライヴをベースに作り上げたんだそうな。
しかし、久々のバンドでまたまた調子に乗っちゃったかな?
いくらなんでも16曲はやりすぎやろ。
曲数が多い分、カス含有率((c)中山康樹)も高いし、冗長で散漫。
16曲分も集中力が続かないので、なかなか最後まで通して聴くことができないんだよなあ。
当然のことながらいい曲はあるのだが、前半に偏ってるのでますます後半を聴き続けるのが辛いのだ。
カーンちゃんとやら、プロデューサーなんだから、ちゃんと言ってやれよな。
ちなみにジャケの粗い写真はカシオの腕時計デジカメかなんかで撮った写真らしい。
そして、バンドとくればツアー。
このアルバムリリース後、3度目の日本公演が実現。
その初日に行ったのだが、すでに何度も自慢している通り、ファミマの会員先行でとったチケットは何と2列目!
いや~、初めてポールの表情がナマで見て取れたよ。
『Live and Let Die』の爆音もタイムラグなしで聞こえたし。
もう、これで来日公演は本当に最後だろうな。
でも思い残すことはなし!
なお、このワールドツアーの模様は『BACK IN THE WORLD』『BACK IN THE U.S.』に収録されているが、例によって割愛させていただきます。
また、この年の映画「バニラ・スカイ」のテーマ曲を手がけてますが、映画の中で聴いた限りではいまいちピンときませんでした。
01 Lonely Road
なんか暗くてどよ~んとしたオープニング。曲はまあまあいいんだけどね、ロックしてるし。ちょっと嫌な予感が…。
http://youtu.be/g4pUAArttFk
02 From a Lover to a Friend
なんか暗くて儚そうな2曲目。曲はけっこういいんだけどね、美しくて。終盤ハイトーンを使いまくるベースも特徴的。でも暗雲たちこめてきたって感じが…、
03 She's Given up Talking
なんか暗くていたたまれないような3曲目。曲はいろいろ面白いことやってんだけどね、ちょっとヘヴィだし。こりゃいよいよ降り出すかも…。
04 Driving Rain
という訳でどしゃぶりのハリケーンになったが、これがなんと爽快な嵐! 「ワン、トゥー、トゥリー、フォー、ファアイブ。レッゴーフォアラ、ドゥラアイブ」なんと明快な歌! いやあ、一時はどうなることかと思ったよ。
05 I Do
そしてすかさず必殺オクターブ唱法の珠玉の小品! 「ライフィズネ~バ、イージー。イーヴンイーン、ダッサ~アン」天気になったのかと思ったら、そればかりでもなさそうだけど、ちょっと仰々しめのアレンジもはまっててよろしい。
06 Tiny Bubble
おや、ちょっと暖かくなって緩んじまったか? ぶくぶくぶく…。
07 Magic
どこが盛り上がりなのかよく分からない曲をマジックでごまかそうってか? ベースが不思議な音を弾いてるのにはハッとさせられるが。
08 Your Way
よし、挽回はまたも必殺オクターブ唱法の小品。こちらの方がより小品らしく、可愛いギターは『One More Kiss』っぽい?
09 Spinning on an Axis
なんと息子ジェームスとの共作。ちなみにマッカートニー家はお父さんもジェームス、本人もジェームス(ポールはミドルネーム)、息子もジェームス。そんなネタでお茶を濁しておかんと、ちょっと眠たくなって…。
10 About You
と来たところで、目が覚めるようなハードなロック。頭のカウントからイントロ抜きでシャウト気味のボーカル&コーラス、カッコええ。
11 Heather
ピアノメインのほぼインストロメンタル。ノリはいいけどね。どうでもいいけど、あれだけリンダとのおしどり夫婦ぶりを発揮していたポールなのに、死んじゃったら意外とあっさり次に乗り換えたんで少々びっくりした。まあ、いつも誰か側にいないといけない、誰かいる間はそれで十分満足しちゃうってタイプなのかな。まったくの余談だけど。
12 Back in the Sunshine Again
またもジェームスとの共作。細かく聴くとギターもピアノも不思議な音を弾いてビミョーに絡んで遊んでるみたいだけど、まあジャムの域かな。
13 Your Loving Flame
そして、ちょっとゆるいけど、エンディングを飾るスケールの大きなバラード、と思いきや…。
14 Riding into Jaipur
あらら、インドが始まっちゃったよ。まるで、『Being For The Benefit Of Mr. Kite!』を聴き終わった後に『Within You Without You』が始まっちゃったような衝撃だ。
15 Rinse the Raindrops
そしてまたほぼジャム。途中、2回ほど終わったかと思う箇所があるが、結局10分13秒もやりやがった。それにしても『雨粒を洗い流して』なんて邦題がつけられていたとは知らなかった。
16 Freedom
例の911事件のプロテクトもといプロテストソング。流れ的に明らかに違和感があるので、てっきりボーナストラックかと思ったら違ってた。でも、一旦完成していたラインナップに、事件後急遽つけたしたことは間違いないらしい。
http://www.youtube.com/watch?v=HpOwePJdzO0
(つづく)
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