青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夏、始めました。

2014年06月05日 00時16分41秒 | 小田急電鉄

(涼を求めて川遊び…@四十八瀬川)

とりあえず日曜日の早朝、イセツルの串橋田んぼで今年の初水鏡をまがりなりにも決めてホクホクと家に戻って来たのだが、家に着くやいなや起きて来た息子に「どこいってたの!」と若干怒気を含んだ口調でたしなめられるおとーさん。男は家には7人の敵がいる(じゃなかったっけ?)と申しますが、我が家も例外ではないらしい。伊勢原まで小田急を見に行って来たことを正直告白すると、ずるいずるいとゴネた上で「見に行きた~い」とねだる。外は何だか真夏を思わせる天気になって、ヨメと下の子は早々に外出パス宣言。小さい子をあまり暑い中で連れ回すのも何だか気が引けるのだが、魔法瓶に氷水を一杯に詰めて再出発。

もう一回伊勢原ってのも芸がないので、やって来たのは渋沢7号踏切(国土地理院地図参照)。隣の渋沢6号と同様、小田急線の中でも指折りの秘境感の高い踏切です。なんせ246から行こうとすると6号は四十八瀬川の流れを渡渉せにゃならんし、地図上で破線になっている事からも分かるように7号に至る道にもマトモな橋はなく、アルミのハシゴに板を打ち付けただけの粗末なグラグラ橋があるのみ。この7号踏切に至るグラグラ橋は、橋を渡ると川の向こうの一軒の農家さんに続いており、あくまで自分の家用にかけているように見えなくもない。ええ、渡りましたよ。コドモを抱きかかえてw

 

橋を渡り、農家さんの脇のケモノ道を抜けて踏切にたどり着く。踏切の小道はおそらく農家さんの畑の脇を抜けて、頭高(ずっこう)山に続く山道になるのだが、その踏切脇からは小田原方に向かってアウトカーブでトンネルを抜けて来る上り列車を撮る事が出来ます。小田急線内ではそこそこメジャーな撮影地かと思うのだが、絵面は見たことあっても行き方があまり分からないせいか実際に来たことある人って少ないんじゃないのかなあ。


頭の上からジリジリと真夏の光線。子供と一緒に炎天下で電車を見続けるのも子供がへばってしまうので、少し離れた木陰で踏切が鳴るのを待つヒット&アウェイ方式(笑)。LSEが「スーパーはこね」幕で上って行った。へえ~、今日はVSEの代走でも入ってるのかなと思ったのだが、時刻的にはどう見てもはこね14号。どうも下りは確かにスパはこの代走で走ったようなのだが、返しの際に幕を回すのを忘れてしまったようだwいずれにしても珍しいもんが見れたので良しとしよう。

 

朝のイセツルの清々しい空気とは違って、盛夏を思わせるムッとした緑の草いきれの中を駆け抜けて行く列車たち。新宿から小田原までの間、ここまで人工物のない自然の中を走る姿と言うものも珍しいかもしれないですね。小さいころからロマンスカーで遠出をする際は、渋沢から新松田までの四十八瀬川沿いの風景と言うのが楽しみでねえ。森永のアイスクリームとともに車窓の景色が思い出されます。

 

森を抜けて、列車は行く。長タマで抜く遠景の揺らめく陽炎もすっかり夏の如し。トップライトで光線状態は良くはないですが、まあ夏らしくていいんじゃないですかって事で。子供と電車を眺め、木陰で水筒の水を飲み、冷たい水が尽きてちょうど頃合い。


四十八瀬川の河原から、木漏れ日の中で初夏を駆ける列車たち。線路に綾なして流れる川と森の自然の調和と言いましょうか、まことに小田急沿線の車窓風景の白眉である事は今も昔も変わらないですね。
コメント
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