政治というものは、それ自身が横暴と不正と悪徳を伴うものであって、
どんなに清高無私の人間がやってもいつかは必ず汚濁してしまう。
自分の妻や、子や、親や兄弟たち、暮らし慣れた住居や仕合せな生活は、
どんな人間にも大切だ、それを毀したり失ったりすることは誰にだって辛い、
然しそういうものが大切であればあるほど、その秩序が紊(みだ)れたり
破壊されたりすることは防がなければならない、どんなに小さく見積もっても
それは人間ぜんたいの義務だ。
人間は生きている限り、飲んだり食ったり、愛したり憎んだりすることから
離れるわけにはいかないものだ、どんなに大きな悲しみも、いつか忘れて
しまうものだし、だからこそ生きてゆかれるんだ。
人間は「絶望」し絶望から抜け出るたびに高められる。
どんな過でも、この世で取り返しのつかぬことはない。人間はみな弱点を
もっている。誰にも過失はある、幾度も過を犯し、幾十度も愚かな失敗をして、
そのたびに少しずつ、本当に生きることを知るのだ。それが人間の、持って
生れた運命なのだ。
山本周五郎先生
「泣き言はいわない」より一部抜粋
今宵も乙類を呑み、乙に生きたい。
TB店主著「泣き言ばかりいいたい」より一恥部抜粋
どんなに清高無私の人間がやってもいつかは必ず汚濁してしまう。
自分の妻や、子や、親や兄弟たち、暮らし慣れた住居や仕合せな生活は、
どんな人間にも大切だ、それを毀したり失ったりすることは誰にだって辛い、
然しそういうものが大切であればあるほど、その秩序が紊(みだ)れたり
破壊されたりすることは防がなければならない、どんなに小さく見積もっても
それは人間ぜんたいの義務だ。
人間は生きている限り、飲んだり食ったり、愛したり憎んだりすることから
離れるわけにはいかないものだ、どんなに大きな悲しみも、いつか忘れて
しまうものだし、だからこそ生きてゆかれるんだ。
人間は「絶望」し絶望から抜け出るたびに高められる。
どんな過でも、この世で取り返しのつかぬことはない。人間はみな弱点を
もっている。誰にも過失はある、幾度も過を犯し、幾十度も愚かな失敗をして、
そのたびに少しずつ、本当に生きることを知るのだ。それが人間の、持って
生れた運命なのだ。
山本周五郎先生
「泣き言はいわない」より一部抜粋
今宵も乙類を呑み、乙に生きたい。
TB店主著「泣き言ばかりいいたい」より一恥部抜粋