5回のツアーに皆勤で参加しているという「アニキ」というあだ名を冠せられた人がいた。
この方は、身長148cm私より一つ年上の、何と女性である。
女性に「アニキ」とは何と失礼な、とバスの中で聞いた時には、正直に思った。
しかしその後、その思いは間違いで、私の女性に対する固定観念だったことが分かった。
今回「アニキ」は、前回のツアー(第4回)を終え、そのまま東松島に残留し、平日にも
ボランティアに参加しているグループに合流していた。
その後帰ってきたのが木曜日。まだ、荷物を片付けきっていない金曜日の午後に、震災ボランティアの
会の会議で、第5回のツアーに1名欠員が出たことが分かり、声が掛かったのだという。
この経緯にも驚くばかりだが、実際「アニキ」の活躍は目に焼きつくほどだった。
この日の仕事は、100ha程の畑に堆積した藁やヘドロを掻き出す作業であった。
1日目の午前中は雨で、畑がグチョグチョになり、午後からは晴れたのは良いが熱中症を心配する
暑さとなり、かなり過酷な作業であった。
そんな中、畑の脇にある倒木を切り出す作業や、埋もれていた4メートル程の丸太を運ぶのも、
先頭切って体を動かしていた。
丸太を一人で担いで運んでいる姿は、まさに「アニキ」そのものであり、失礼なあだ名だと思った
私の偏見であったことが分かった・・・
ツアーの参加者20人のうち7名が女性だったが、皆男女関係なく、重たい荷物積んだ一輪車やソリを
運び、本当によく働いていた。
私はというと、長い距離を歩いたり山登りは好きなのだが、「過酷な肉体労働は自分に向かない」と
いう言葉が、作業中頭の中をリフレインし、午後の一番暑い時間帯には、意識が朦朧とする等、
情けない状態だった。
しかし、美しい松島を望む大浴場でリフレッシュし、宿泊所でのミニ宴会で気をよくすると、
「また参加したい!」と思うのであった・・・
とにかく「民間のボランティア」に集った皆さんから、多くのパワーを頂いたように思う。