出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

彼らにとっては「流通革命」らしい

2005年09月01日 | 返本
本当は返本のことなんか書きたくないんだが、最近いろいろ動きがあったようなので(よくわからない、しょっちゅう動きがあるのかもしれないが)少し書く。

おそらく大手の出版社では、動きがある前に取次から「ご説明に伺」って「ご賛同いただい」てることだろうけど、後手後手のうちとしては最近の出来事だ。

まず、なんか新しい流通センターがどうのこうの…という話は去年から聞いていた。聞いたといっても、新刊のときに本を納品してくれる運送屋のオヤジから聞いたんですが。で、それはスゴク遠いところになるけど雑誌専用で、私の細々とした注文納品には影響なさそうだったので忘れていた。

今年度に入ってから、日販から「返品は全部の取次と共同でする」みたいな「ご報告」が来た。うちは新刊が出てすぐを除くと、おじさんが1冊持って…なんてこともよくある。だから、トーハンと日販がまとめて持ってきてくれるならそりゃ結構と思っていた。

が、何も変わらなかった。

7月の終わりに新しい返品センターの説明会をするから来いと、トーハンからお達しが来た。あんまり関係なさそうだったが、わざわざ呼んでくれたんだから邪魔にはされないだろうと思って、久しぶりに本社まで出向いた。

もしかすると日販の言ってた共同返品か?と思ったけど、全然違った。自慢の新しい流通センターの一部が返品センターで、その説明だけだった。ただ、バーコード管理になって書店ごとの返品のデータも取れる云々の話に、私以外の参加者が反応していた。

私としては書店ごとの返品がわかっても、日本全国の書店に営業なんていけないので、あまり意味がない。まして当然のことながら、そのデータはただではもらえない。

うちに関係することといえば、今までみたいに紐で結わいてくるんじゃなくて、箱に入れて返品したいから了承してほしいと言われた。箱といってもプラスチックの、何ていうか瓶ビールの箱みたいなヤツ、名前を忘れた。本が傷みさえしなければ全然問題ない。

ついでに、紐で結わいた束ひとつにつきいくらだった返品手数料が、箱1個につき…に変わるとのこと。箱がいっぱいじゃないときは割合で…というから、うちの場合お得になるかもしれない。

と思ってたら、今度は日販から「返品手数料を束ひとつにつきいくらでなくて、1冊いくらに変更するので了承しろ」というお達しが来た。今年の3月だったか4月だったかそのあたりの3ヶ月間の平均手数料を、わざわざ計算してくれていた。

その期間は返品が少ない時期だったので、試しに検算してみた。ちょうどそのとき暇だったせいもある。総返品手数料を総返本数で割ったら、合っていた。合ってはいたが、「おじさんが1冊持ってくる」ことが多い時期だったので、ちょっと不利な気がする。それでもお達しはお達しなので、了承印を押した。

と思っているうちに、日販の返品についてくる伝票が突然変わった。それまでの何枚複写の薄い紙じゃなくて、A4の普通の紙に印刷してある。それを、相変わらず何枚も置いていく。システムが変わったなら、ついでにそのあたりのコストセーブもすればいいのにと思う。

よく見ると、トーハン、大阪屋、太洋社など、他の取次の欄もある。他の出版社には、本当にまとめて返品されてきてるんだろうか。それぞれの欄に数字の入った伝票になってるんだろうか。返品おじさんにきいたら、「知らない」とのこと。ルートが違うのか。

結局、今までトーハンと日販の両方の返品伝票をためてたファイルの他に、日販用にA4判のファイルが必要になったこと以外、変わったことはない。

ただ先日、日販から「受領印をもらった伝票がない」と電話がかかってきた。調べてみるとこちらの控えもないので、本自体も受け取ってないだろうと答えておいた。

さっそく「混乱して」いるらしい。

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